こんにちは。独りで頑張るあなたの心、整えます。独学サポーターのタニッチです。
今週は5日に2次試験の合格発表がありましたね。
合格された方、おめでとうございます。残念ながら不合格に終わった方は、令和3年度の試験での雪辱に燃えているかと思います。
ふぞろい14メンバーへの引き継ぎも無事終わり、鋭意執筆に励んでいますので、是非次のふぞろい14も楽しみにお待ちください。
それはそうと、協会のHPによると最年少合格者が16歳ということで、自分が16歳だった頃を想像して独り恥じいっています。
このように過去を振り返るのは心地いいことばかりではありませんが、私自身の過去記事を振り返りつつ、
1年間のブログを通して、お伝えしたかったことをまとめようと思います。
加えて、年末年始に読んだ中で一番面白かった本「ジョブ理論」をご紹介しつつ、今年の目標を書いて締めたいと思います。
目次
この1年ブログリーダーということもあり、変則的に計28個の記事を書いてきました。
告知やまとめを除くと、純粋に試験対策として書いた10記事を紹介します。(時系列順)
時間のない社会人が独学で効率的に学ぶには、先達(巨人)の勉強法を徹底的にパクって自分用にカスタマイズすることが重要です。
※この頃は、ハンドルネームに引っ掛けて冒頭に謎かけを出してたなと懐かしくなりました
この後、緊急事態宣言が発令されこれまでの生活が激変しました。私生活でも千葉から京都に引っ越したのがこのタイミングです。
受験生時代から苦手意識を持っていた財務・会計について、苦手克服勉強法をまとめています。
合格後、特に実務の場でこそ必要になるのだと実務補習を通じて痛感したという経験談から、簿記一級を独学で受けようと思い立ちました。
諸事情により簿記一級は途中で諦めることになりましたが、この時期の財務の学習は7月の2度目の実務補習で生きました。
コロナ禍で一変した暮らしの中で、環境変化に困窮する中小企業をいかに支援するか、存在意義を考えさせられたG.W.でした。
また、迫り来るAI時代の診断士の役割について思いを巡らせていた頃に出会った本「シン・ニホン」に感銘を受けて書いた記事です。
長い記事ですが、試験対策の観点も盛り込んだ力作です。ビュー数はあまり伸びませんでしたが・・・。
少し勉強法からは外れますが、習慣化が大事だよという記事。当時ハマっていたヨガは頻度は減りましたが続けています。
不安な毎日から抜け出すためにマインドフルネスに傾倒していたのがこの時期です。
初めてのWEBセミナーを実施するなど、暗中模索の受験生支援活動でした。
しかし、このような新たな挑戦のおかげで後々、本業でも生かせるスキルを身につけられました。
ふぞろいメンバーの中でも高得点合格者たちの話を聞くなかで、これまで意識してこなかった抽象化、具体化の行き来をイメージできるようになったのがこの頃です。
3月に校了した原稿がついに書籍になったのもこの頃。感極まるかと思いきや、意外と冷静な自分に失望しました。
タイトル通り、もう一度受験しろと言われれば、こう勉強するだろうなというタラレバを書きました。
1次試験後というタイミングも奏功し、私の記事の中でも一番ビュー数が多かった回です。
一発合格道場メンバーとの合同企画「となりの道場」を実施したのもこの時。
仕事でも勉強でもダイエットでもそうですが、重要なのに気の進まないことは先延ばしにしてしまうのが人間のサガ。
本記事は脳科学、認知心理学等の最新知見を盛り込んだ書籍の紹介ですが、すぐ効き目のある方法なので、おすすめです。
独学派・自己啓発好きクラスター向けに「2ヶ月に1回、別の資格試験を受けギリギリ合格をしながら本番に帳尻を合わせる作戦」を紹介しています。
『独学大全』は、現状を変えたいけど何をすればよいか決めかねている方、志・目的のため中小企業診断士試験の勉強をすることが正しいのか迷っている方、勉強してはいるが結果が出ず悩んでいる方、独学派・そうでない派関係なくあらゆる人におすすめです。
診断士1次試験7科目のテキストを持ち歩きたくないけど細切れ時間に勉強したいという方向けに、資格試験以外でも生かせるタブレット勉強術を紹介しています。
以上のように、自分自身が独学派で自己啓発好きということもあり、この一年は同じ属性の方が読んで面白いと思ってくれるように記事を書いてきました。
ブログリーダーとして、「ふぞろいな合格答案」というブランドの認知度を高め、ファンを増やせるよう受験ブログを読んでいただいている層を意識して、必要とされている良質なコンテンツを届けることに苦心しました。試験ネタだけでなく、診断士合格後の実態を伝えたり、受験生と同じ目線に立ち切磋琢磨しあうため、新たな挑戦をするという試みもしていました。
受験生支援という活動は、概して上から目線や合格自慢と批判を浴びることもあり、さまざまな属性をもつ我々のリレーブログ運営は難しい舵取りが求められました。
結果、厳しいご意見を頂戴することもありましたが、謙虚に受け止め、反省点は次代のメンバーに引き継ぎ改善してもらい、良かった点は継続してさらに発展させてくれることを願います。
閑話休題。
合格から一年経過し、経営診断の実務に携わる機会が増える中で、「最終顧客の視点に立って、課題を抽出しそれを解決できるような商品・サービスを提案・開発するにはどうすればいいのか」という問題意識を抱えていました。
そんな中、ここ数年、「デザイン思考」というのが自己啓発書界隈では流行っており、ご多聞に漏れず私も話題書から「アート思考」という毛並みの異なるテーマまで読み漁った結果、昨年この本に出会いました。
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン氏による、イノベーションをどのように起こすのかをテーマにした著書です。
氏の破壊的イノベーション理論は、それまで栄華を誇っていた企業も、全く気にもかけていなかった企業のイノベーションによって衰退することがあるという事象を解明し、「盛者必衰・無常」好きな日本人に広く知られています。
しかし、イノベーションにつながる新しい機会をどこで見つければ良いかを教えるものではく、イノベーションの実践という観点では物足りなさを感じていました。
本書は、誤解を恐れずに要約すると、イノベーション実践に成功した企業の事例を通して帰納的に導き出したデザイン思考の本です。
タイトルにもなっている「ジョブ理論」とは本書の定義を用いると
「顧客が特定のプロダクト/サービスを購入し、使用する原因は何か?」という基礎的な問いに答えられる理論
クレイトン・M・クリステンセン. ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (Japanese Edition) より引用
であり、さらには顧客が求めるのはプロダクト(商品の改良)ではなくプログレス(進歩)だと述べている。
顧客がプロダクト/サービスを購入して使用する(雇用する)のは、顧客の生活に生じたジョブを満たすためである。
クレイトン・M・クリステンセン. ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (Japanese Edition) より引用
ジョブの定義は、「ある特定の状況で顧客がなし遂げたい進歩」である。
これだけ見ても(?)が浮かぶかと思います。本書では、いくつもの具体的な事例で説明しています。
一番わかりやすいところで言うと最初に出てくる「ミルクシェイクのジレンマ」です。
あるファストフード店で、ミルクシェイクの売上を伸ばすために、まず最初に調査員は「どんな点を改善すれば、ミルクシェイクをもっと買いたくなりますか?値段を安く?量を多く?もっと固く凍らせる?チョコレート味を濃く?」と想定する顧客層に意見を聞き、商品を改良しました。その結果は?
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売上は変わりませんでした。プロダクトの改良だけでは、売上につながらないという好例ですね。
そこで調査チームは全く別の切り口「来店客の生活に起きたどんなジョブ(用事、仕事)が、彼らを店に向かわせ、ミルクシェイクを”雇用”させたのか」から再調査しました。
その観点から顧客の行動を観察したところ、午前9時前に一人で立ち寄り、ミルクシェイクだけを買い店内で飲まずに車で走り去った顧客が非常に多かったそうです。すぐに明らかになったのは早朝の顧客は誰もが同じジョブ「仕事先まで長く退屈な運転をするのをどうにかしたい」を抱えていたことです。
並み居る競合(バナナ、栄養バー、ドーナツ、マフィン、コーヒー)を抑え、細いストローで粘性のある液体を吸う必要のあるミルクシェイクがこのジョブを雇用することができていたのです。このジョブに気づいてから、シェイクを濃厚にしたり、フルーツやチョコで味の変化をつけることで通勤時間を楽しめるようにしたり、一人でシェイクだけを買う人のためにセルフで注げる機械を準備するなど、売上増加のための効果的な施策が打てるようになる。
このように、顧客の徹底的な観察から潜在的ニーズを抽出し、顧客に便益を与えられる商品・サービスを開発するという、デザイン思考的なプロセスにより目的を達成できるということが書かれています。
ジョブの見つけ方から、ジョブ中心に組織を構成する方法も詳細に書かれており、ジョブのレンズを通して、身近な製品・サービスを見てみると、今までとは異なる世界が見えてくるのでおすすめです。
例えば我々「ふぞろいな合格答案」の競合は同じような参考書ではなく、ビジネス書かもしれないですし、ビジネス系オンラインサロンや情報商材かもしれません。
これに気づいて意識していれば、異なるブログを書けたかもしれないですね。次のステップに進む際に、ジョブ理論を実践していきます。
1年間の自身のブログ記事を読み返し「ジョブ理論」を読み進めたこの年末年始に辿り着いた2021年の診断士としての目標を書いて締めくくろうと思います。
今年こそは、アウトプット中心で「理想の診断士像」に近づけるように精進します。
1年間当ブログを読んでいただき、ありがとうございました。明日からは、ふぞろい13メンバーによるラストリレーが始まります。
まずトップバッターは診断協会等には属さず、バリバリ診断士活動しているホリホリのラスト記事です。