ファンタスティック・ビートルと白いハッカーの誕生

＜企業経営理論　令和元年度１次試験　第23問を改変＞

労働安全衛生法に定められた長時間労働に対する医師による面接指導（問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うこと）に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

なお、本問中、事業者は中小事業主とし、労働基準法第41条に規定された管理監督者等の「適用除外者」及び同法第41条の2に規定されたいわゆる高度プロフェッショナル制度の「労働対象者」については考慮に入れないものとする。

ア.　医師による面接指導に係る事業者の義務は、産業医を選定する義務のない、常時50人未満の労働者を使用する事業所においても適用される。

イ.　医師による面接指導の結果の記録は、１年以上保存しなければならない。

ウ.　時間外・休日労働時間が80時間を超え、健康への配慮が必要な労働者については、面接指導等を実施するよう努めなければならない。

エ.　事業者は、医師による面接指導を実施するため、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法により、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。

＜解答・解説＞

面接指導の結果の記録については、これを５年間保存しなければならないため、イが誤り。その他の選択肢については記載の通り。

正解：イ

＜財務・会計　令和２年度１次試験　第21問を改変＞

昆虫採集サブスクリプションの前期と当期の損益計算書は以下のように要約される。

損益計算書要約（単位：万円）

下記の設問に答えよ。

（設問１）当期の損益分岐点売上高として、最も適切なものはどれか。

ア.　11.7万円
イ.　5万円
ウ.　58.3万円
エ.　25万円

（設問２）昆虫採集サブスクリプションの収益性に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア.　損益分岐点比率が前期よりも悪化したのは、売上高の減少による。
イ.　損益分岐点比率が前期よりも悪化したのは、変動費率の上昇による。
ウ.　損益分岐点比率が前期よりも改善されたのは、売上高の増加による。
エ.　損益分岐点比率が前期よりも改善されたのは、変動費率の低下と固定費の減少による。

＜解答・解説＞

（設問１）
損益分岐点売上高=固定費÷（1-変動費率）
変動費率=変動費÷売上高

損益計算書より、
固定費=3.5（万円）
変動費率=9（万円）÷30（万円）=0.3
よって損益分岐点売上高=3.5÷（1-0.3）=5（万円）

正解：イ

（設問２）
損益分岐点比率=損益分岐点売上高÷売上高

損益計算書より、
前期の損益分岐点比率=24.81（%）
当期の損益分岐点比率=16.67（%）

損益分岐点比率が低いほど改善されているとみなせるため、損益分岐点比率は前期より当期の方が改善されている。よってアとイは誤り。
損益計算書より、売上高は前期より当期の方が減少しているため、ウは誤り。以下の通り、当期は前期に比べ、変動費率が低下し固定費が減少している。

変動費率・・・前期0.36、当期0.30
固定費・・・前期5万円、当期3.5万円

よってエが正しい。

正解：エ

＜運営管理　令和２年度１次試験　第14問を改変＞

大豆農場では、大豆収量のバラツキを抑制する目的でリモートセンシングを導入した。収量のバラツキが統計的に有意に抑制できたかどうかを仮説検定により確認するために、リモートセンシングを用いて生産した農場内10区画の大豆収量（kg）を調査した。

このときに行う仮説検定の手順に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、気候条件が同じ別の10区画で、従来の栽培方法による収量を調査したところ、１区画あたり収量の標準偏差は30.5（kg）であった。

ア.　検定統計量は10区画の収量データから計算される偏差平方和である。
イ.　対立仮説、有意水準、データ数に基づいて、帰無仮説の棄却域を設定する。
ウ.　帰無仮説が棄却される確率をp値という。
エ.　10区画の収量の標準偏差が30.5kgよりも小さいかどうかを調べる。

＜解答・解説＞

ばらつきの統計的有意差の検定についての問題。

ア.　等分散性の検定を行うため、検定統計量はF値を用いる。
イ.　正しい。
ウ.　帰無仮説が正しいという仮定のもとにおいて、ある事象が発生する確率をp値という。p値が有意水準より小さいとき、帰無仮説は棄却される。
エ.　標準偏差の大小を比較しただけでは、統計的有意差を検定したことにならない。

正解：イ

＜経営法務　令和元年度１次試験　第14問を改変＞

後日、須空部は大豆農園代表から個別に相談を受けた。以下の会話は、中小企業診断士である須空部と、大豆農園代表との間で行われたものである。会話の中の空欄（黒塗り部分）に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

農園代表：「私の親戚が、宇治で『ゆったり番茶処』いう茶屋を経営していまして、うちで生産した豆腐スイーツの提供を検討しています。京番茶に合う味付けの豆腐スイーツで、新規のお客様を獲得するのが狙いです。」

須空部：「農作業のときにいただいた豆腐スイーツですね！」

農園代表：「はい。ところが、面倒な問題が起きまして・・・。先週、東京にあるA社から、こんな警告書が親戚の元に送られてきて驚いています。」

＜貴社の営業する店舗『ゆったり番茶処』は、弊社指定商品について商標登録を受けた商標と類似である。直ちに商標『ゆったり番茶処』を付した店舗の営業を中止するように。＞

農園代表：「どうしたらいいでしょう・・・。ゆったりと番茶を味わえるというコンセプトで、50年近く親しまれてきたお店なんです。」

須空部：「50年近く営業していて、知名度もあるようですね。それであれば、先使用権を主張できるかもしれませんよ。」

農園代表：「その先使用権とはどういうものですか。」

須空部：「不正競争の目的でなく、　　　　　　　、継続してその商標の使用をする権利を有する、という商標法上の規定です。」

農園代表：「ということは、『ゆったり番茶処』の営業を中止する必要はないのですね。」

須空部：「そうです。知的財産権に詳しい弁護士さんを紹介しますので、相談されてはいかがですか。」

農園代表：「よろしくお願いします。」

ア.　A社の商標登録前から、御社が『ゆったり番茶処』について御社商標を使用していた結果、A社の商標登録の際、現に御社商標が御社の店舗を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは

イ.　A社の商標登録出願前から、御社が『ゆったり番茶処』について御社商標を使用していた結果、A社の商標登録出願の際、現に御社商標が御社の店舗を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているときは

ウ.　A社の商標登録前から、御社が『ゆったり番茶処』について御社商標を使用し、または使用する準備をしているときは

エ.　A社の商標登録出願前から、御社が『ゆったり番茶処』について御社商標を使用し、または使用する準備をしているときは

＜解答・解説＞

先使用による商標の使用をする権利（先使用権）が認められる要件は、商標法第三十二条に記載されている。一部を引用すると、

他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなく（中略）その商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果、その商標登録出願の際（中略）現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認知されているときは、（中略）商標の使用をする権利を有する。

よって、選択肢中では「イ」が最も適切。

正解：イ

＜経営情報システム　オリジナル設問＞

インターネット上の脅威への対策について述べた以下の説明のうち、最も不適切なものはどれか。

ア.　電子署名の暗号化方式として、RSAを用いた公開鍵暗号方式が普及している。署名作成者が秘密鍵によって署名を暗号化し、署名検証者は対応する公開鍵によって署名を復号・検証する。

イ.　実在の人物・組織から正規に届いたメールを装い、添付ファイルやリンクを開かせることでマルウェアを感染させる手口のサイバー攻撃が存在する。取引先を名乗るメールであっても、身に覚えがない場合や文章に不自然な点が見られる場合は、添付ファイルやURLをクリックしてはならない。

ウ.　SNS上の投稿は中立的な校閲を受けていないものも多く、デマやフェイクニュースが含まれている前提で情報に向き合う必要がある。情報の正確性や妥当性を検証する作業をファクトチェックという。

エ.　非代替性トークン（NFT）とは、ブロックチェーン上に一意的に記録された、代替不可能なデータである。デジタルアートやメタバース上の土地、ゲーム内アイテム等の所有権保証に使える可能性があるが、2022年6月現在では実用化に至っていない。

＜解答・解説＞

非代替性トークン（NFT）はブロックチェーン上に一意的に記録された代替不可能なデータ。2022年6月現在、すでにデジタルアートやメタバース上の土地、ゲーム内アイテム等の売買に利用されている。

他の選択肢については、記載の通り。

正解：エ