【ラストリレー】by ただ ~羅針盤を胸に、前をむく~

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みなさんこんにちは。ふぞろい15事務局長のただです。一年間にわたってお届けしてきたこちらのブログですが、私たちのふぞろい15としては最後の投稿となりました。僭越ながらラストを務めさせていただくということで、いつにも増して原稿執筆にも熱が入っています。

このブログを読んでくださる方の多くは診断士試験に興味を持っていただいている方、および既に試験合格にむけて歩みを進められている方だと思います。そんなみなさまに参考になるよう、あらためて「中小企業診断士になって良かった!と思うこと」を書き連ねていきたいと思います。

冒頭の通り、ラストということで若干オーバーヒートしていますが、今日はいっそこの暑苦しいほどの熱量のまま走り抜けてみたいと思います。最後までお読みいただけるととっても嬉しいです!

一年間の感謝を込めて、、それでは行ってみましょう!

これからの時代に良い!

対話式AIである「Chat GPT」が世の中の話題をさらっていますね。個人的にも、子供のころSF映画で見た世界観がついに現実のものになったと興奮する一方で、機械が人間の仕事を奪っていく世界がついに来てしまった!!とも感じ、とても複雑な気持ちがします。

インターネット、RPA、AI、などなど、技術の進歩によって「問題解決」手段に困らない世の中では、そもそも解決すべき問題そのものを見つけ出す力として「課題設定力」がより重要になると感じます。他の士業に比べ、診断士はとくにこの課題設定力を高めるのにうってつけだと感じますし、その意味でこれからの時代で生きていく力を養ってくれるこの資格をとることは、とても意味のあることだと感じます。

中小企業にとって良い!

コロナ禍が始まってから早3年がたちますが、ウクライナ情勢などさらなる環境変化によって中小企業の現場は厳しさを増していますね。そんな中、民間のコンサルタントとは異なり中小企業診断士には「ナショナルコンサルタント」として、国の施策を現場に行き届かせるという期待値があるように思います。例えば国や地方自治体が行う各種補助金に関連する業務、そしてそれらの申請をする企業とともに事業計画を策定する業務では中小企業診断士の活躍の場面が多くあります。これらはそうした役割を期待されていることを示す一例だとも感じます。また、なんといっても日本の事業者の9割超を占める中小企業を支援することは、日本を支えることと「ほぼイコール」だと勝手に思っています。

これまで日本の大企業が得意としていた市場で海外勢の存在感が増しており、ニーズの多様化もあって、規模が大きいだけではビジネスに勝てない状況になっていると思いますし、そんななか、「No1よりOnly1」をモットーに尖った中小企業を支援することはやりがいがあるとともに面白さも感じます。10年後にだれもが知る会社が、今はまだ中小企業として自分の近くで悪戦苦闘しているかもしれません。そうした中小企業と一緒に知恵を絞って汗を流し、成長する喜びを感じられたらこんなに面白いことはないと思うのです。

ミドル世代にとって良い!

先日、長らく懇意にしていた、とある知り合いが、50歳を目前に突然リストラにあったことを知りました。意欲も能力も高く、その会社の変革をリードしていたような方なので、話を聞いた時には耳を疑いました。どうやら会社をとりまく厳しい環境と年齢という、いずれも自分ではどうにもできない事情によるものだったようです。残念ながら、これもまた厳しい現実です。

個人的にはひとつの会社に長く務めることが理想です。でも見方を変えるとそれは大きなリスクでもあります。ちょうど中小企業が数少ない大口顧客に依存していき、失注時の倒産リスクを負うケースと似ていますね。

一方で中小企業診断士の知識を学び、資格を得ることは「雇われる力(エンプロイアビリティ)」を高めてくれます。企業に長く貢献された中高年の方が引き続きその会社から必要とされ続けること、あるいは環境を変えて、自分らしく生きていくことのいずれにもプラスに働くことでしょう。

独占業務がない中小企業診断士業界では、画一的にとらえづらい業務が転がっているように感じますし、そこではいわゆる「ソフトスキル」が役に立つように思います。特に長きにわたる経験を経て様々なスキルを培ってきたミドル世代の方にとって、これまであまり気づいていなかった自分の強みを再発見し、その強みを求める顧客と出会い、収益化できる土台が中小企業診断士業界にはあるように思います。自分もミドル世代の一人として、この点は日々強く感じているところです。

羅針盤を手に入れる

試験に合格し、中小企業診断士協会に所属すると、中小企業診断士のバッチを貸与いただけます。このバッチは羅針盤を模したものになっており、金色にピカピカと輝きとても誇らしいものです。中小企業ともに進む、よき水先案内人になってもらいたい、という意図が込められていると感じています。

でも実際にこのバッチをつけてみて、自分にとってはもうひとつ大事な意味があるように感じました。それは人生を自分らしく進んでいくために、自分の中に羅針盤を持つということです。かつてのような終身雇用が崩壊し、私の友人のように思いがけず苦境に立たされる方もいる中、自分の強みを再認識し、既存のコミュニティの垣根を越えて広く世の中に「売れる」状態を作り、必要な糧を得て自分らしく生きていくことはとても大事だと感じます。

今年も数多くの方がこの羅針盤を手にするために診断士試験に挑まれることと思います。私たちの執筆した「ふぞろいな合格答案エピソード15」が少しでもお役に立てれば大変うれしく思いますし、今後も私たちはそんな皆様にエールを贈り続けたいと思います。また既に「ふぞろいな合格答案エピソード16」発刊にむけて新メンバーが発足し、日々準備を進めてくれています。次のふぞろい16も大成功をおさめ、受験生の皆様に完全合格の吉報が届くことを願って、この活動を卒業させていただきます。支えてくださったすべての皆様に厚く、熱く、お礼を申し上げます! ありがとうございました!!

一年間本当にありがとうございました!!!

(令和5年2月10日、長渕剛さんの「Captain of the ship」を聴きながら)

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