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こんにちは!
受験生のあらゆる苦労を味わった男、きくっちです。
毎日ジメジメする季節になりましたね。
ジメジメする上、例年より1次試験まで時間があるため、油断するとモチベーションも下がってしまいそうです。
そんな季節柄、ちょっとした刺激を提供すべく答案分析から見る落ちそうな答案・受かりそうな答案の特徴をきくっちなりに整理してみたいと思います。
目次
実はつい先日まで、ふぞろい14のために再現答案を提出していただいた約300名の方々への特典として、改めてふぞろい流採点とコメントをフィードバックする準備を進めていました。
※再現答案をご提供いただきました皆さま、誠にありがとうございました!!
今年度受験される方々も、是非再現答案のご提出をお願いします。
フィードバックは、もし翌年受験することになった際には自身の課題を明確にし、合格へと近づく大きなヒントになると思います。
全ての答案を見直し、得点区分(合格者とA~D)と見比べながら、合格者やA評価を取られた方とそうでない方の違いについて、気づいた点がいくつかありましたのできくっちなりに整理したいと思います。
今回は敢えて読んでいただいている方に刺激を提供するため、落ちそうな答案の特徴からまとめたいと思います。
これは言うまでもありませんよね。この解答部分は絶対に0点です。
時間がなければ、結論やキーワードだけでも書いちゃいましょう!
下の例題を考えてみましょう。
セクショナリズムなどの古い経営体質からの変革が課題となっているA社が、新規事業を成功させ今後も継続的に成長するための人事施策を100字以内で答えなさい。
仮にこの正解を以下としましょう(太字部分は加点要素となるキーワードとします)。
(正解)人事施策は、①配置面で提案型営業実現のため製造部員を営業部に異動、②育成面で新たな顧客向け営業マニュアルを作成しOJTで徹底、③評価面で成果主義的評価を取入れ若手のモチベーション向上、等である。(97字)
どうしても時間がない!というときも、何となくでも捉えたキーワードをそれっぽく書いたとしたら(a)のような感じになるんじゃないでしょうか?
(a)人事施策は、①製造部員が提案型営業を行い、②成果主義的評価を採用し、若手の意欲を高める。(44字)
これだけしか書いてなくてもうまくいけば5・6割程度の得点です。①部分だけでも3割程度。
もし他の受験生も苦戦する難しい問題なら、時間をかけずに部分点狙いで逃げ、他の設問でしっかり点数をとするのも場合によってはありですよね。
過去の合格者からもそういった解答で受かったという人はきくっちも聞いたことはありますし、実際今回見た中にも数名、同様の戦略(意図したかはわかりませんが)で部分点を稼いでいるであろう答案がありました。
ある意味、最後の1秒まで粘りに粘った結果だとも考えられますが、非常に参考になるものだと思います。
これはふぞろいだけではなく方々で聞かれることですね。
多面的ではないと、どうやっても解答に対する得点は4割くらいまでというイメージでしょうか。
100字の解答欄であれば例題の(正解)のように「〇〇は、①△△面で~、②□□面で~、③☆☆面で~、・・・。」と答えるのが書きやすいかと思いますし、実際同様の解答をされている方が非常に多いです(イメージ7割くらい)。
なので、逆にこの①②③を使わない解答は、多面的に書いていても伝わりにくく、悪い意味で目立つものが多いように思います。
ここで加えて注意したい例を示します。以下の(b)答案はどうでしょう?
(b)人事施策は、①営業を希望する製造部員に営業をさせる、②提案型営業を実現するために製造部の人材からの希望者を優先して異動、③営業部員を増加させ営業力も底上げする、等で新規事業を成功させる。(93字)
(正解)はいわゆる「茶化」の中の、配置、育成、評価の面で多面的に答えていました。
一方で(b)は表面的には①②③としていますが、配置面の内容を分解・分散させただけで結局のところ切り口は1つだけです。
そのため加点要素も少ない上、全体的に冗長すぎて言いたいことがわかりにくくなっています。
意外とこのパターンの解答も多いので(イメージ1割程度)、自分が陥ってないか気にかけてください。
例えば、〇〇の理由を答えよ、という設問の場合(令和2年度事例Ⅰならば第1問設問1)。
多くの方は「理由は、〇〇・・・」で書き始めています(イメージ6割)。
やはり解答の冒頭は、要求されている言葉(今回は「理由」)から書き始めている方が読みやすいです。
これもまた1.同様、やっていないと悪目立ちする場合もあるので是非書き始めは要求されている言葉を主語にすることをおススメします。
また冒頭は要求されている言葉から始めても、全然違う方向の解答をしてしまうことってありますよね。
与件文と設問で何を聞かれているか、しっかり読込めていないことが原因ということも多いと思います。
これは丁寧に読むということが大事です(具体的にはまもなく発売のふぞろい14「事例Ⅰ特別企画」で!)。
また以前(合格への大切な要件と勉強方法について)もお伝えしましたが、過去問の与件文、設問を何度も読込むこと(一度解いた問題をメモも残った状態です)で、大きく外すことは少なくなると思います。
但し、例えば令和2年度事例Ⅰ第2問では、現行の試験体制になって初めて「手順」が問われました。
過去に例がなく、何を答えればいいかわからないという場合もあります。
こういう問題は他の受験生も高得点は取りにくいことが多いので、まずは与件文を丁寧に読み、1次知識も総動員していけば他の受験生に大きく差をつけられることはないと思います。
※そういうときこそ前回(合格への゛抜け道“)ご紹介した作問者の本を読んでいると役立つことがあります。
わかっていてもキーワードが出てこないことってありますよね。
仮に「成果主義的賃金」というキーワードが出てこなかったとして、代わりに「若手でも成績に応じて給与に反映」と書いたとしましょう。
これを✕にすることってあるでしょうか?
要は「わかっている」ことが明確なら〇で、わかっているかどうかわからないと✕、なんだと思います。
今回の分析の中でもキーワード自体はなくても意味がわかっていることが伝わってくる答案は、相応に得点が入っているケースも多いように思います(この場合、キーワード重視のふぞろい流採点では高得点にならないケースもあります)。
もちろんバシッとキーワードで答える方が伝わりやすいですし、字数も少なくて済み多面的に書く余裕ができるので、まずはキーワードで答えるべきなのでしょう。
ただし、もし浮かばなくても丁寧に書くことで何とか得点できる可能性はあると思います。
一方で、キーワードが入っていても使い方が明らかに間違っているケースは、やはり高い点数にはなっていないように感じました(キーワード重視のふぞろい流採点では高得点になるケースもありますが・・・)。
例題の(c)答案で見てみましょう。
(c)人事施策は、①提案型営業を実現することで成果主義的評価を一部取入れる。②新たな営業マニュアルを作成しOJTで徹底し公平な評価を行う。③適材適所の配置で製造部員を営業部に異動し報酬を適正化する。(96字)
どうでしょう?
①は提案型営業を実現しても成果主義的評価体系は取り入れられませんし、②OJTでの育成を徹底することで公平な評価体系もできません。③製造部員の異動と報酬も同様です。
要は因果関係が不明確で、「わかってないな」、「何を言っているかわからないな」、というものは加点要素となるキーワードがいくら入っていても得点区分が合格やA(更に言えばBにも)になっているものはないなと思いました。
こういった自身の解答の中ですら因果関係が不明確で、キーワードの使い方が間違っているような解答は時々見かけます(イメージ1割程度かそれ以下ですが)。
慌てて回答しているのかもしれませんが、時間内に落ち着いて解答できるように練習しておきましょう。
特に与件文に出てくるキーワードを正しく使えていないと他の受験生に大きく差をつけられてしまうでしょうし。
過去問を80分ではなく70分で解く、等の練習がおススメです。
いかがでしたでしょうか?
今回記載の内容は、他でも同様のことが言われていることも含まれると思いますが、実際に約300名の方々の答案を分析して改めて実にリアルに感じたものです。
(ご提供頂いた皆さん、本当にありがとうございました!)
正直、受験前に見たかった!見ていたら超多年度生にならなかったかも!!(無理ですが笑)
万一にも、上記のような答案にならないように解答プロセスの工夫や改善を重ねてください!
そう、きくっちのように超多年度生にならないように。
明日は、合格後の活動もとにかくストイック!のきの登場です。