合格への大切な要件と勉強方法について

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こんにちは!
受験生のあらゆる苦労を味わった男、きくっちです。

前回は、受験までのスケジューリングについてお話ししました。

今回はスケジューリングの前提となる、受験までにやるべきこと
→言い換えれば合格への大切な要件と勉強方法について、きくっちなりに考えたいと思います。

合格への大切な要件

1次試験だけであれば、以下のような感じでしょうか。
(1)テキストにある頻出の知識を覚えて、
(2)過去問や予想問題で具体的な出題方式や問われ方に慣れる

非常に大雑把に言えば、1科目当たりの勉強時間は テキスト1冊を読込む時間 +過去問5年程度回転する時間
で大体必要な勉強時間も算出できるかもしれません。(得手不得手で前後はするでしょうが)

では、2次試験(特に事例Ⅰ~Ⅲ)はどうでしょう
例えば、単純に過去問を〇年分を△回転すれば合格するかというと、必ずしもそうではないと思います。
1度でも2次試験や模試を受験したことがあればわかっていただけると思いますが、
1次試験対策のように単に数をこなしただけではなかなか合格点に到達するのは難しいと思います。

むしろ以下のような作業が80分でできるようになっているか、がポイントだときくっち個人としては考えています
(1)設問要求、制約条件をしっかり読めるようになっているか
(2)与件文をしっかり読めているか
(3)1次試験の知識を中心とした2次試験で必要な知識は整理し、すぐに思い出せるようにしているか
(1)~(3)ができたうえで、採点者にわかりやすい解答を記載できれば良いと思います。

と、ここまで文字にはしてみたものの、具体的にどうすればいいのかはわかりにくいですよね。
正直うまく説明しきれる自信はありません・・・。
なので、実際に合格した年は受験中にどんな状態だったのか、ヒントになりそうなものをまとめてみました。


少しだけ令和2年度事例Ⅰを振り返ってみました

(1)設問要求、制約条件をしっかり読めるようになっているか、についてです。
 きくっちが令和2年度の受験会場で実際に設問を最初に見たときに何を考えたか、を一部まとめてみました。
 各設問の下に記載しています。
 (きくっちは、①与件文の第1段落と最終段落のあとに、②設問文を確認してから、③与件文を読んでいました。以下は②の段階です)

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第1問
以下は、老舗蔵元A社を買収する段階で、企業グループを経営する地元の有力実業家であるA社長の祖父に関する設問である。
各設問に答えよ。

過去問でもよく出てくる時制に注意する問題だな。買収の段階なので、買収前の内容を中心に解答しないと!

(設問1)
A社の経営権を獲得する際に、A社長の祖父は、どのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか。100字以内で答えよ。

「ビジョン」菓子製造業(平成29年度)でも使用されていたキーワードだな!
  あの事例では売上30億円を全国展開により目指す「ビジョン」、という設定だった。
  今回は「ビジョン」そのものが問われているな。
  具体的な数字や、どのように成長しようとしているのかを聞いているのかな。

(設問2)
A社長の祖父がA社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か。100字以内で答えよ。

砂糖問屋(平成22年度)でも友好的買収の問題はあったな。
 しかも従来の従業員を継続雇用する話だった。
 解答キーワードは効率化と取引先への利益、ノウハウの活用や雇用条件、モチベーションあたり。
 同様の話がでてきたら、要チェックだ!

第2問
A社では、情報システム化を進めた若い女性社員を評価し責任者とした。ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員は、どのような手順を踏んで情報システム化を進めたと考えられるか。100字以内で答えよ。

順」を問われたのは現在の試験制度になった平成13年度以来初めてのはずだ。
 これは他の受験生も対応しきれないかも。
 与件文からヒントを丁寧に拾えば他の受験生と大きな差はつかないはず!

第3問
現在、A社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上伸長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対して、どのような能力を伸ばすことを求めたか。100字以内で答えよ。

「どのような能力」か。表面加工処理メーカー(平成24年度)で海外生産拠点の工場長になった係長クラスの人材について問われたときのと似ているな。
 あの事例では「役割」として本社と海外拠点の情報共有(橋渡し役)、とふぞろいにあったぞ。
 予備校によっては「連結ピン」と説明していたな。
 社外というよりは社内の連携に関する役割や能力が与件文にあれば、要注意だ。

第4問
将来、祖父の立ち上げた企業グループの総帥となるA社長が、グループ全体の人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

過去問でも頻出の人事制度だ。
「茶化」で多面的に考えよう。制約条件として「グループ全体」を意識しないとな。

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上記の通り最初に設問を見た段階で、設問要求や制約条件に加えて、第2問以外は過去に類似問題が出ていることに気づいていました。
(年度までは覚えていませんでしたが、〇〇業の事例のあの問題、という風に思い出せるようにしていました)
おかげで解答の方向性をある程度予測した上で与件文を読めたのです。
設問を見た瞬間に過去の類似問題を思い出せると、本当に楽です。精神的にも。

もちろん、設問文をしっかり読む方法は他にもあると思います。
ただきくっちの場合は、何年挑戦していても設問文や与件文の理解がずれてしまっていたので、試行錯誤を何度も重ね最後に辿り着いたのはこれでした。

 

具体的な勉強方法は?

具体的ににきくっちが行った勉強方法は、解いた過去問を何度も読み直す、というものです。
特に最終年度に解いた過去問は、メモなども残したまま冊子状にして受験当日まで何度も読みました
読むだけなら大した時間もかかりませんしね。

過去問の取り組み方として、「1回解いてしまった過去問は、解答を覚えているのでもうやらない」と言う方を毎年多く見かけます。
気持ちはよくわかります。きくっちも最初はそうでしたから。
実力を図る意味で初見の問題を解いてみたいですよね。

ただ、合格した令和2年度は発想を逆転させました。
「どうせ覚えちゃうなら、いっそ過去問をまるっと暗記してしまおう!」と。
そもそも超多年度生で初見の過去問はありませんでしたしね。
おかげで本当に設問文や与件文の読解や解答の方向性を見極める力は非常につきました
その結果、合格への道を開くことができました!


最後に

ちょっと回りくどい話になってしまいましたが、まとめると以下の通りです。

①合格のための大事な要件や勉強方法を改めて考えてみよう!
②過去問を徹底的に活用しよう!

 

明日は、とにかく何でもストイック!のき の登場です。
 お楽しみに!

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