論語と診断士試験

同友館
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どうも、のきです。

2020年度も終わりを迎えようとしていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

私は花粉と日々闘っています。そろそろ挫けそうです。

外出すると「くしゅん」、誰かが帰ってくると「くしゅん」のエンドレスループ。

そんなわけで、だいぶ外出するのが億劫になっています笑

はじめに

花粉の脅威もさることながら、緊急事態宣言下の東京にいますと、外出する機会が極端に減りました。

一方で、おうち時間を活用して、読書することが増えてきました。

もともと読書自体はそれなりにするのですが、中学生2年生の時に初めて読んで以来、人生の節目節目で読んでいる本があります。

それがタイトルにもあります通り、『論語』です。

今年の大河ドラマの主人公である近代日本経済の父、渋沢栄一の著書である『論語と算盤』でも名前が出てくる、中国の古典の『論語』です。

前回読んだのは、20歳の時。

その際、為政篇第二-四に記載されている年齢(後述します)を人生の節目と考え、論語を読み返すことに決めました。

 

そのマイルールに従って、昨年30歳になったため、31歳になる前に読まないと、と思い、先日遅ればせながら論語を改めて読みました。(孔子の時代は数え年だからすでにだいぶ遅れているというツッコミは禁止です。)

まだ3度しか読んでいない論語ですが、20歳の自分には全く気にもならなかった言葉が今となっては響いたりして自身の変化を感じます。

 

今回は、論語の中から診断士試験の学習にも生かすことができそうな含意のある言葉をいくつか抜粋してご紹介したいと思います。

論語のはなし

1. 為政篇第二 – 四

子曰、「吾十有五而志於學。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而從心所欲、不踰矩。」

子曰く、吾十有五にして學に志す。三十にして立つ。四十にして惑はず。五十にして天命を知る。六十にして耳順ふ。七十にして心の欲する所を縦にするも、矩を踰えず。

 

前述の通り、私がこのタイミングで論語を読むきっかけになった節です。

年齢を重ねた自分が孔子と比べてどうなっているかと、人間としての成熟具合を測るマイルストーンにしています。

凡人の私が孔子のような偉人と比較するのはおこがましいですし、偉人になんかなれると微塵も思っていませんが、一つの指標として。

 

さて、15歳で学者になることを志した孔子は30歳の時に「立つ」ことができたとのことです。

この「立つ」という言葉は、「学者として独り立ちして、食っていけるようになった」や「精神的立脚点が定まった」、「独立した立場を持った」など色々な訳があります。

いずれの訳においても、私は現時点で「立つ」ことができているか、正直、実感はありません。

しかしながら、30歳で運よくではありますが、診断士試験に合格できたことは私にとって「立つ」ための転換点であると捉えています。

 

私は、「何かを学ぶ」ということは「自分を見つめ直す」ことだと考えます。

「わからないことをわかるようにする」ためには「何を自分はわかっていないのか、できていないのか」を認識する必要があります。(「無知の知」というやつです)

そのため、偉人の足跡と今の自分の状況を比較することは学ぶ上で有益ではないかなと。(基本、勝てないですけどね笑)

 

この節は私がなぜ論語を読むのかという点が話の主論になってしまうので、この辺にしておきたいと思います。

以下からは孔子のありがたい言葉を並べますね^^

 

2.  雍也篇第六 – 一二

冉求曰、「非不說子之道、力不足也。」子曰、「力不足者、中道而廢。今女畫。」

冉求曰く、「子の道を說ばざるに非ず、力足らざるなり」。子曰く、「力足らざる者は、道なかばにして廢(す)つ、今女は畫(かぎ)れり」。

 

弟子が孔子の理想に追いつこうとするけど、「どうも力が足りないのでしんどいですわ」と弱音を吐いたことを孔子がたしなめる場面です。

孔子は「力が足りないかどうかは限界まで努力した上でなければわからない。努力し尽くして打つ手なしというところまでやらないうちに自分に見切りをつけるのは良くない」と述べています。

診断士試験に置き換えると、1次試験の7科目であれ、2次試験の4事例であれ、どこか「自分の能力はこんなもんだから、しょうがない」と自分で限界を設定していないでしょうか?

人間の脳が知識の獲得によって後天的に成長することはロンドンのタクシードライバーに関するUCLの研究でも示されています。

論語の中でも陽貨篇第十七-二で「性相近也、習相遠也」という言葉で人は後天的に変わると述べています。(学習の効果というニュアンスとは若干異なりますが)

自分で自分の能力に限界を定めずに「まだいける」、「もっと学べる」という考え(前回お話ししたグロースマインドセット)で学習を進めていきましょう!

 

3.  雍也篇第六 – 二〇

子曰、「知之者、不如好之者、好之者、不如樂之者。」

子曰く、之を智る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を樂しむ者に如かず。

 

孔子の中では「楽しむこと」>「好きなこと」>「知っていること」という序列が存在するという一文です。

診断士試験の学習を始められている人の多くが感じることだと思いますが、学んだことで自分の視座や視野が高く・広くなっていく感覚があるのではないかと思います。

そういった感覚を得ることを「楽しむ」ことが単に知識を頭に入れるだけよりも効果が高いことをこの1節では言っているのではないかと私は思います。

 

次で最後にします。

 

4. 子路篇第一三 – 一七

子曰、「無欲速、無見小利。欲速、則不達。見小利、則大事不成。」

子曰く、速(すみやか)ならむことを欲する毋(な)かれ、小さき利を見る毋かれ。速ならむを欲さば則ち達らず、小さき利を見ば則ち大事成らず。

 

早く成果を出そうと思うと成功しないし、小事に気を取られると大事を成し遂げられないという言葉です。

診断士の学習を進めていくと思った様に学習が進まず、焦ることがあると思います。

ですが、早くしなければと焦って勉強をするとかえって中途半端になることが多いです。

なかなか成績が伸びない時期や、伸びている実感がない時期は我慢の時です。

「今、自分は試されている。大事(診断士試験の合格)を成すために必要な時期だ」という精神で腰を据えて学習を進めていきましょう!

 

いかがでしたでしょうか? 自分が愛読している書籍ということもあり、長々と書いてしまいました。

今回はこのへんにしようと思います。(また、書くかもしれません笑)

 

明日は、バランス感覚に優れた九州男児、こーへいです!

 

ではでは〜(・ω・)ノシ

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