皆さん、こんにちは。
多年度生合格ナビゲーターのかなわんです。
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1次試験まで3週間余りとなりましたね。皆さん、追い込みをかけていることと思います。とても大事な時期です。くれぐれも体調を崩さないよう気を付けてくださいね。
今回は「国語力を鍛える③」として、「与件文の読み方」をお伝えします。
さて、前回まで、設問文を正確に読むためのポイントをお伝えしました。大事なことは、意識して読むことです。与件文を読むときも、基本的な考え方は同じです。
与件文の読み方のポイントは2つになります。
1.ミクロの視点で読む
形式段落を意識して読むこと
・主語と述語を把握する
・文中の接続詞をチェックする
2.マクロの視点で読む
意味段落を意識して読むこと
・時制を把握する
・文頭の言葉をチェックする
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初めに、与件文を読む前の準備として、必ず行っていただきたい作業があります。
それは、
① 形式段落ごとに横線を引くこと
② 形式段落ごとに番号を振ること です。
出題者は、1つのまとまりとして形式段落を設け、文章を整理しています。何となく意味もなく改行を行っていません。形式段落ごとに横線を引くことで、視覚的にも明確に区分けすることができます。文章構成を把握するのにとても役立ちます。
ちなみに、平成23年事例Ⅰの与件文は、9つの形式段落で構成されています。
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それでは本題に入ります。
まず、「ミクロの視点で読む」を解説していきます。当たり前ですが、一文ずつ丁寧に読んでいくことが大前提になります。
・主語と述語を把握する
日本語の文章は、主語と述語、そして修飾語で成り立っています。
主語と述語は「幹」で、修飾語は「枝葉」の関係といえます。
文章を読むときは、筆者が言いたいこと(要点)を捉えなければなりません。
したがって、主語と述語の把握が何よりも大切になります。
例えば、第1段落の1文目には、
「A社は、資本金1億円、年間売上高約37億円の医療品メーカーである。」とあります。
この文章は、
「A社は主語、(資本金1億円、年間売上高約37億円の)修飾語 医療品メーカーである述語。」と整理できます。
どうしても、修飾語に目が行きがちになります。そこをグッと堪えて、要点を捉えることに集中してください。
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・文中の接続詞をチェックする
接続詞は、文章の因果関係を正しく把握するのに役立ちます。特に、「逆接」と「並列」の接続詞には注意が必要です。
具体的には、「逆接」の場合、接続詞の後に書かれている文章に重要なことが書かれていることが多いです。それから、「並列」の場合は、答案の切り口として使えることが多いです。出題者からのヒントとして、ありがたく受け入れましょう。
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次に、「マクロの視点で読む」を解説していきます。
・時制を把握する
時制は、与件文を整理するのに欠かせない情報です。
では、具体的にキーワードを拾ってみましょう。
第1段落:近年
第2段落:近年
第3段落:創業以来、高度経済成長期
第4段落:1970年代初め、高度経済成長が終焉
第5段落:1980年代初め
第6段落:バブル経済の崩壊
第7段落:なし
第8段落:なし
第9段落:なし
いかがですか?
このようにまとめてみると、出題者は、第1段落と第2段落、第3段落から第6段落を時系列で整理してくれていることが分かります。具体的には、第1段落と第2段落は、「近年の状況」、第3段落から第6段落までは、「歴史的経緯」をまとめた「意味段落」として一括りできますね。
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・文頭の言葉をチェックする
テクニック的な話にはなりますが、形式段落の書き出しの言葉を見ることも、大いに役立ちます。
では、具体的にみていきましょう。
第1段落:A社は、
第2段落:A社は、
第3段落:A社は、
第4段落:長年にわたって
第5段落:経営の負担と~
第6段落:しかし、
第7段落:医療品事業では、
第8段落:また、
第9段落:このように、
いかがですか?
何か気づくことはありませんか?
第1段落から第3段落まで、「A社は」で始まっていますね。先ほどの、時制チェックと関連付けて考えると効果的です。
まず、第1段落と第2段落は、「A社の概要」として、一括りにできそうですね。
次に、第3段落から第6段落までは、文頭の言葉だけでは関係性を把握しにくいですね。ただし、第6段落には逆接の接続詞である「しかし」があるため、第5段落と対比関係があることは把握できます。
それから、第8段落の「また」に着目してください。並列の接続詞です。何と並列関係なのでしょうか? 第7段落の書き出しは、「医療品事業」です。第8段落を読んでみると、「化粧品事業」や「健康食品事業」について書かれています。つまり、既存事業と新規事業を並列で整理していることが分かりますね。
最後に、第9段落です。「このように」とあるので、これまでの文章をまとめていることが分かりますね。したがって、第9段落は、単独で一つの意味段落になっていると判断できます。
このように見ていくと、平成23年事例Ⅰは、4つの意味段落で構成されていることが分かったと思います。
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以上が、与件文を正確に読むポイントです。
形式段落と意味段落を意識して読むと、文章を構造化することができます。
結果として、与件文の読解力を飛躍的に高めることにつながります。
長くなってしまったので、続きは次回にいたします。
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