国語力を鍛える②

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皆さん、こんにちは。

多年度生合格ナビゲーターのかなわんです。

 

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さて、私たちが携わった「ふぞろいな合格答案エピソード9」がついに発売になりました!受験勉強に活用できる情報が満載ですので、是非とも早めに入手していただけたらと思います。

 

今回は「国語力を鍛える②」として、前回に引き続き「設問文の読み方」をお伝えします。

 

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設問文の読み方のポイントは2つでした。

 

1.ミクロの視点で読む

文章間の関係を意識して読むこと

・「一般・具体関係」「対比関係」「因果関係」の3つに整理する

・制約条件や題意を把握する

 

2.マクロの視点で読む

設問間の関係を意識して読むこと

・「診断問題」と「助言問題」の2つに整理する

・環境分析、全体戦略、機能別戦略など設問ごとに戦略レベルに落とし込む

 

 

それでは、平成23年事例Ⅰの第2問から見ていきましょう。

 

第2問

厳しい競争を展開している医療品業界にあって、新商品や新規技術の開発は極めて重要である。しかし、そうした中でA社では、自社開発した技術の特許をあえて出願しないこともある。その理由として考えられることを、100字以内で説明せよ。

 

 

では、ミクロの視点から見ていきましょう。

 

第2問にも、文中に逆接の接続詞である「しかし」があります。ここでも「対比関係」を読み取ります。新商品や新規技術の開発において「A社以外は特許を出願する」が、「A社はあえて特許を出願しない」となります。つまり、特許戦略の違いをもたらす「理由」が問われています。「考えられること」なので、類推が必要になりますが、あくまでも、「A社では」と制約条件があるので一般論は禁物です。

 

次に、マクロの視点を確認します。

 

「理由」が問われているので、「診断問題」になります。この設問は、戦略レベルの特定が難しいです。「厳しい競争を展開している医療品業界にあって」(市場)と「新商品や新規技術の開発」(製品)の関係が問われていることから、環境分析から全体戦略と捉えました。

 

 

第3問

A社は、中小企業には珍しく、創業家一族による同族企業ではなく、仕入れ先や社員持株会などが主な出資者であるA社にとって、このような所有と経営の分離のプラス面とマイナス面の両面について、120字以内で述べよ。

 

 

早速、ミクロの視点から見ていきます。

 

第3問の題意は、「所有と経営の分離のプラス面とマイナス面」になりますね。これは、わかりやすいと思います。設問としては、「A社にとって、所有と経営の分離のプラス面とマイナス面の両面について、120字以内で述べよ。」と書かれていても、十分理解できます。では、なぜ出題者は、わざわざ「A社は、中小企業には珍しく、創業家一族による同族企業ではなく、仕入れ先や社員持株会などが主な出資者である」という一文を入れたのでしょうか?

 

ここに、この設問を解くうえでの大きなヒントがあります。出題者は、単に「所有と経営の分離」と書いただけでは、一般論になりすぎてしまい、様々な解答が出てしまうことをあらかじめ想定したはずです。それを防ぐために、「所有と経営の分離」の具体例として、「仕入れ先」と「社員持株会」を挙げることで、A社にとってのプラス面とマイナス面を論理的に導けるよう問題設計していると考えられます。

 

この設問では「一般・具体関係」を把握することが、ポイントになります。

 

次に、マクロの視点を確認します。

 

「所有と経営の分離」のプラス面とマイナス面を問う「診断問題」になります。また、創業家一族以外が出資者となっているA社の組織戦略が問われていることになります。

 

 

第4問

同業他社に比べ業績がよく待遇も大手企業と遜色のないA社は、3年以内に売上高40億円の達成を目標としている。それを実現するために、どういった組織管理上の施策を講じていくべきか、中小企業診断士としてアドバイスを求められた。120字以内で説明せよ。

 

 

まず、ミクロの視点から見ていきましょう。

 

題意は、組織管理上の施策をアドバイスすることです。目的は、3年以内に売上高40億円を達成することになります。ここでは、施策を講じることで目標を達成するという「因果関係」を把握することが大切です。それから、「同業他社に比べ業績がよく待遇も大手企業と遜色のない」という、やたらと長い修飾語も気になりますね。

 

最後に、マクロの視点を確認します。

 

中小企業診断士としてのアドバイスが求められていますので、「助言問題」になります。また、A社の課題を解決できる唯一の設問であることから、戦略レベルは、組織戦略(人事戦略)に位置付けられます。

 

以上が、設問の読み方になります。

ポイントを押さえた読み方をすると、与件文で探すべき情報が明確になりますね。当然、読み飛ばしを防ぐことにもなりますよ。

 

少し長くなってしまったので、続きは次回にしたいと思います。

 

 

明日は、多年度生合格ナビゲーターのまなの登場です。前回は前倒しの学習計画をすすめてくれたまなから、今度はどんな話が聞けるのでしょうか? 乞うご期待!!

 

 

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