国語力を鍛える①

同友館
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皆さん、こんにちは。

多年度生合格ナビゲーターのかなわんです。

 

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蒸し蒸しした天候が続く今日この頃、皆さん勉強は捗っていますか? 不快なこの季節が早く終わるといいですね。でも、梅雨明けしたら、すぐ1次試験に突入します。残り時間を大切にしていきたいところです。

 

さて最近、ふぞろいや受験校の活動で、受験生の皆さんの答案を採点添削する機会がありました。そこで感じたことは、「読みやすい文章で書かれた答案は、評価が高くなる」ということです。読みやすく分かりやすい文章は、伝えたいことがきちんと整理されています。「筋道が通っているから、評価が高くなる」とも言えます。

採点者の立場になってみれば、当然かもしれません。一読しただけで、伝わるか、伝わらないか、この差が合格者と未合格者を分けている一つの大きな要因ではないでしょうか。

 

では、この差は何から生み出されているのでしょうか。

言葉や文章を関係付けて整理する力

 

つまり「国語力」の差です。

 

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診断士試験は、「問われたことに問われたように答えられれば合格できる」と言われていますね。あるいは、「素直な気持ちになること」、「制約条件を外さず題意を正確に捉えること」が合格の秘訣という話も聞いたことがあると思います。

 

この試験は、与件文の中に設問の答えやヒントが載っています。

得点を積み上げるには、与件文の中から設問の答えやヒントを探す力(与件文を正確に読む力)が必要になります。そして、その前提として、どんな情報を探してくればいいのかを素早く理解できる力(設問文を正確に読む力)がとても重要になります。

 

読んだ“つもり”になってないか?

 

私が、多年度生になってしまった根本原因は、国語力の中でも「読む力」の不足が大きかったと思います。「読めない」から「書けない」のです。だから、「論理的思考力」も高まらなかったのです。

 

 

2次試験にとって「読む力」が何よりも大切なことは、理解いただけたと思います。前述のとおり、読めなければ何も始まらないのです。

 

学生時代に国語が得意だった方は、そもそも読書習慣などで、意識していなくても、ポイントを押さえた読み方が自然と身に付いています。そのため、国語はセンスで解くものという認識があるのかもしれません。

 

一方で、国語が苦手だった方は、そうはいきません。国語が得意な方が自然とできることが、できません。でも、悲観する必要は全くないです。読み方を意識して変えることが必要ですが、「読むための技術」を学ぶことで、「読む力」は今からでも伸ばすことはできます

 

具体的には、過去問を活用するのが一番分かりやすいと思います。そこで、昨年、2次試験直前期に取り組んだ平成23年の事例Ⅰを題材に、読み書きのノウハウを私のベスト答案を通じてお伝えしていきたいと思います。

 

 

設問文の読み方のポイントは2つになります。

 

1.ミクロの視点で読む

文章間の関係を意識して読むこと

・「一般・具体関係」「対比関係」「因果関係」の3つに整理する

・制約条件や題意を把握する

 

2.マクロの視点で読む

設問間の関係を意識して読むこと

・「診断問題」と「助言問題」の2つに整理する

・環境分析、全体戦略、機能別戦略など設問ごとに戦略レベルに落とし込む

 

 

では、実際の設問文を見ていきましょう。

 

平成23年 事例Ⅰ

第1問

A社は、かつて一般家庭向け医療品を中心に事業展開してきた。しかし近年の経営環境の変化の中で、医家向け医療品分野での事業強化に積極的に取り組んでいる。このことに関して、以下の設問に答えよ。

 

(設問1)

A社にとってかつて主力製品であった一般家庭向け医療品近年注力し始めている医家向け医療品では、営業活動に、どのような違いが求められるか。120字以内で説明せよ。

 

(設問2)

近年、A社が医家向け市場に注力しているのはなぜか。その理由を、120字以内で説明せよ。

 

 

まず、ミクロの視点から見ていきます。

第1問は、設問1と設問2の2問で構成されています。ここで着目してほしいのは、設問の前にある文章(リード文)です。とても重要なことが書かれていることが多い文章です。絶対に読み飛ばしてはいけませんよ

 

リード文及び設問1では、「一般家庭向け医療品」と「医家向け医療品」の対比関係を読み取ります。時制表現である「かつて」と「近年」、逆接の接続詞「しかし」、助詞「と」をチェックします。

 

設問1の題意は、「営業活動の違い」です。対比関係に基づき違いをきっちり表現する必要があります。また、制約条件は、「A社にとって」です。ここで、一般論を書いてしまうと得点になりません。

 

設問2の題意は、近年、医家向け市場に注力している「理由」になります。原因と結果の因果関係を読み取ります。

 

 

次に、マクロの視点を確認します。

設問1は、「営業活動の違い」なので、内部環境分析の問題になります。(診断問題)

設問2は、リード文に「近年の経営環境の変化の中で」とあるので、環境分析の問題になります。(診断問題)

 

以上が、第1問の読み方になります。

少し長くなってしまいました。続きは次回にしたいと思います。

 

 

明日は、多年度生合格ナビゲーターのまなの登場です。前回、ベスト答案を披露してくれたまなからどんな話が聞けるのでしょうか? とても楽しみですね。乞うご期待!!

 

 

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