108人の受験生が選んだ「1次試験のニガテ科目」〜経営情報システム編〜

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お久しぶりです!かんのりです。(かんのりの自己紹介はこちら

さて、先日Xの「ふぞろいな合格答案公式アカウント」にてアンケートを取らせていただいた1次試験のニガテ科目について、ご協力してくださった皆様。ありがとうございます!

今回は、18人の方がニガテとお答えいただいた「経営情報システム」について、かんのりがどのように勉強したかをお話しします。

経営情報システム、実際、僕も得意科目ではありませんでした。
本番の点数も「56点(自己採点)」であり、科目合格ならず。
結論、まったく得意ではありません。

令和5年度は、終了後SNSが荒れるほどの難易度だったと言い訳したい・・・。

ですから、今回は高得点を狙う方法について伝える記事ではありません。
「ニガテだった科目対してどのように取り組んだか」を伝える記事となりますので、あらかじめご了承ください。

どうして経営情報システムが難しいのか

さて、突然ですが、経営情報システムがニガテだと感じてる方。

ちょっと、考えてみてください。

そもそも、なんで、この科目って難しいんでしょう?

カタカナや英語だから?
高度な知識が必要だから?

理由をあげ出したらキリがないほどありそうですよね。

そんな中でも、僕が「難しい」と思ったポイントは、3つ。

  • 紛らわしい用語が多くて覚えづらい
  • 馴染みのない用語が多くて用語の意味がわからない
  • 論点が広すぎて知らない用語が頻繁に出てくる

この3つによって、引っ掛け問題に引っかかったり、知らない問題を勘で解くことになり、間違えてしまう気がします。

ニガテだと感じている方、どうでしょう?

「アルファベットの略語が紛らわしくて間違えた」
「知らない単語が問題文に出てきたから諦めた」というのは、誰にでも経験があることではないでしょうか?

そして、この3つのポイントに共通する原因。

それは・・・『用語が多すぎること!』

とにかく用語の意味がわからないから、全て同じ用語に見えてきてまぎらわしく感じるし、問題集の解説を見ても理解できなくて、問題を解く度に新しい用語と向き合う羽目になってしまうのです。

でも実は、裏を返せば、この科目って知っていれば解ける問題ばかり。

面倒な計算に正答しなくても十分合格点を狙えますし、ロジカルに考える必要もない。
アローダイヤグラムなどの難しい図も作らなくて良いんです。

つまり・・・

試験本番で用語の意味がわかっていれば、この科目は怖くない!(はず)

そこで、用語の意味をどうやって理解していくかについて考えていくことにしました。

かんのりが取った対策のシナリオ

対策を取るにあたっての基本方針は、以下の3つとしました。

また、あまりにも出題される可能性がある範囲が広いので、僕は「過去問で出題された論点」に絞り、学習しました。

覚えなければいけない量を減らすのも、用語を覚えるための対策です。

令和5年度試験では、前例のない論点から多数出題されたため、生成AIなど最近のトピックは押さえる必要があるかもしれません

①知る ― 用語の意味を理解する

さて、まずは単語の意味を理解していきましょう。

そう思った方。既に経営情報システムの沼にハマっているかもしれません

この科目の難易度を高める要因として「用語の意味がわからない」を挙げました。

これって、単に一つの用語の意味がわからないことが問題ではないのです。

どういうことかというと「用語の解説に書いてある新たに出てきた用語を理解できていないまま読み進めている」から、理解したつもりだったのに意味がわからなくなるのです。

例えば「CPU」という用語を例に考えてみましょう。

勉強していてCPUという用語がわからなかったので、解説を見ることにしました。
解説を開くと「演算装置と制御装置を統合したもの」と書かれていました。

ここで「演算装置」「制御装置」という新しい用語が出てきました。

にもかかわらず、この2つの用語を理解しないまま「CPUは演算装置と制御装置を統合したもの」とだけ覚えようとしてしまいました。

こうなると「演算装置」と「制御装置」という用語の意味を知らないから、覚えたつもりが実は全く頭に入っていない
また、「演算装置」について表現を変えて「コンピュータの論理演算などをおこなう装置」と書かれた瞬間、何も対応できなくなる。

そんな現象が発生してしまうのです。

だからこそ、わからない用語こそ、丁寧にどういう意味か紐解いて行く必要があるのです。

かといって、一つの用語を理解するために、そんなに時間も費やしてられません。

では、どうするのか。

結論:「ニュアンスやイメージつかんでおきましょう」

幸い、1次試験はマーク試験ですから、言葉の意味を丁寧に説明しなければいけないことはありません。
だから、「この用語って、だいたいこんな意味だよね」とわかっておけば問題ないです。

イメージやニュアンスをつかむときは「図解によって、できるだけ具体的にイメージする」と理解度の向上と記憶力の向上がしやすいです。

僕は、ざっくりとしたイメージを持つために、ざっくりと概要を教えてくれる
「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
というサイトを活用していました。

例えば、先程のCPUだとこのように解説してくれていて、わかりやすいです。

また、図解という点で「ITパスポート用の参考書」などは、イラストなどを駆使してわかりやすくまとめられていることが多いです。
あるいは、中小企業診断士試験の鉄板教材「一発合格まとめシート」もわかりやすくまとめられています。

このように、イメージとニュアンスをつかんで「わからない用語」を叩き潰していきましょう。

②覚える ― 用語を覚える

さて、知るが大変ボリューミーになってしまいましたが、続いてどうやって覚えるかについて考えていきます。

ただ・・・、こちらに関しては、申し訳ございません。
基本的には「ガッツで覚えましょう!」としか言うことがない・・・

・・・うん、そうなりますよね。

基本的な方針としては、僕の1次試験勉強法ブログでも紹介した「忘却曲線に沿った勉強法」を駆使して、ひたすら反復的に覚えることが基本方針です。
また、「知る」の部分でも触れましたが、1次試験はマークシートの試験ですので、用語のイメージ・ニュアンスがわかっていれば基本的にはOKだと思います。

ただ、そんなことを言いつつ、1点だけ。
紛らわしく覚えづらい用語だらけの経営情報システムにおいて、覚えるコツが存在するとしたら・・・。

それは「アルファベットの略称の場合は、できるだけ略す前の英語の状態で記憶する」こと

同じようなアルファベットが並んで紛らわしいのが経営情報システムの難しいところだと思うので、いっそのことアルファベットの略称で覚えるのはやめて、略す前の英語の状態で覚えましょう。

例えば、「SLA」という用語について。
これは「Service Level Agreement」の略語になりますが、直訳すると「 サービス レベル 同意 」となります。

SLAとは「ITサービスにおいて、最低限保証されるサービスレベルについて契約者間で同意されたもの」であるので、概ね直訳で理解できますよね。ね?(威圧)

他にも、「HTML」という用語。

これは「マークアップ言語」というデータの構造を記述する言語の一つでありますが、「Hyper Text Markup Language」の略語になります。

・・・そう。末尾の「ML」はマークアップ言語の略語なのです。

これを覚えておくと、「SGML」や「XML」などの他のマークアップ言語も覚えやすくなりますよね。

案外直訳できるレベルの英語も多いので、こちらの方が覚えやすいです!
アルファベットで頭が混乱している方にはとってもおすすめの覚え方です。

③解く ― 覚えた用語をつかって問題を解く

さて、ここからは覚えた知識を実際に解く際に気をつけていたことについてお話します。

ざっくりとまとめると、下記の2点がポイントになります。

  1. 過去問を中心に演習する
  2. わからない場合は『解き方のテクニック』を使う

1.過去問を中心に演習する

こちらは、単純に問題集を使わずに過去問を中心に学習するということです。

理由は「出題形式が違う問題は演習にならないから」です。

僕個人の考えですが、過去問演習は知識習得の場ではなく、「過去に出題された問題形式に対して自分の現在の知識を使って解けるかどうかを試す場」だと考えています。

この演習において、問題集などの「新しい論点、かつ、問題の出し方や間違いの作り方が違う問題」を解いてしまうと、本番環境での演習にならないという現象に陥ってしまいます。

これだと、理解力不足の状態を脱せられません。

だからこそ、自分が学習範囲だと絞ったところ以外の問題では、絶対に演習をやらない。
自分の知識不足の問題の演習をやる場合は「解いたあと『①知る』から始める」という形でやっておりました。

あくまで個人的な考え方ですので、ぜひご自身にあった学習スタイルを見つけてみてください。

2.わからない問題にどうやって対処するのか

基本的には、知っている知識を使って、問題を解く。
これを目的に置くのですが、どうしても知らない問題が出てきてしまいますよね。
そんな時に、鉛筆を転がすよりかはマシな、選択肢を選ぶ時のちょっとしたテクニックや考え方をお伝えします。

(令和5年度の問題は難しすぎたので、ほとんどこのテクニック頼りました)

解き方の考え方「知っている情報だけで解に近づく」

そう。当たり前といえば当たり前ですが、おそらく想像されていることと少し違います。

というのもここでの知っている情報というのは、用語を知っているかどうかというレベルより、もう一段階踏み込んで、用語の中身を分解して知っている情報で戦うということです。

「②覚える」の部分でも触れましたが、アルファベットの略語まで知っている知識で何とかできないか?という目線で考えることです。

例えば「XMLはJavaである」という文章の正誤を判断する際に、「Javaはわかるけど、XMLがわからない」という状態になってしまったとします。

そんな時に、すぐに諦めてしまうのではなく「MLと書いてあるからマークアップ言語の仲間ではないか」という視点を持つということです。

限られた資源でどう戦うか。まさに、企業経営理論に出てくるエフェクチュエーションの「飛行機の中のパイロットの原則」みたいですね。

もちろん、必ず正解になるかどうかはわかりません。

ただ、鉛筆を転がして当たる確率よりは幾分マシですし、何と言っても解き終わったあとのすっきり感が違うので、その後の精神状態が楽になりますよ。
「どうせわからなかった問題」と割り切って、用語の意味を類推して問題に立ち向かってみる。これが1つ目です。

解き方のテクニック「『あり得ない』を見抜いて、誤答を探す

具体的に何をするかというと、至って簡単。
「正誤問題では、正解を探す」のではなく「間違いを探す」。
たった、これだけです。

でも、どうして間違いを探すべきなのか。

ここからは本当に僕個人の考え方になりますが、理由は単純で「国家試験だから」です。

・・・そう。ただそれだけの理由です。

国家資格の試験は、出題者の誠実な対応が求められ、ミスがあってはならない試験です。
つまり、出題者には、「正誤問題の誤答はあからさまな誤り」であり「非倫理的な内容は扱わない」ことが求められています。
万が一、人によって意見が分かれる内容を出題したり、非倫理的な内容を正しいとしたりすると大問題に発展してしまいかねません。

だからこそ、「これが正解だ!」と主張するにはリスクがあるので、あからさまな間違いを作って「これが間違いだ!」と主張せざるを得ないと思うのです。

この観点から考えると、正誤問題では正解を探すのではなく、誤答を探す方が効率的です。

例えば、設問で「AIは著作権関係なく情報を与えていくべきだ」など、後から炎上しそうな要素は有無を言わさず誤りであるとすると、選択肢がグッと絞れるのではないでしょうか?

以上がわからない問題に対する対応策でした。

もちろん、これで正答率が上がるわけではないと思いますが、鉛筆を転がすよりは精神的にプラスの面が大きいはずです。
根拠を持って選んだ回答にするだけでグッと心が穏やかになると思いますので、個人的には天に祈るよりこちらの方がお勧めです。

終わりに

さて、長々と書いてしまいましたがいかがだったでしょうか。
「経営情報システムがどうしてもニガテ・・・」という方に、少しでも役に立てたら嬉しいです。

さて、明日はニガテランキング第1位「経済学・経営政策」に関する勉強法をひろしが教えてくれます!

経済学ニガテだったから、僕も読んで勉強しなおします!一緒に学びましょう!

ではお楽しみに!

※ちなみに、作っていてとても可愛かったので、好評だったら猫シリーズ続けます。笑
「勉強中の癒しになった」など、ご感想ありましたら励みになりますので、ぜひ教えてくださいませ!笑

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