みなさんこんにちは。ふぞろい15 事務局と事例Ⅳ担当の「ただ」です。
9月も下旬となり、朝晩を中心に徐々に秋の空気に変わってきましたね。季節の変わり目、体調を崩されていないでしょうか。
さて、二次試験まであと一カ月あまりとなりました。今日は私が二次試験に合計3回挑戦し、色々試行錯誤をしてみて、これは良かった!と思うノウハウをいくつかご紹介しようと思います。読んでくださる受験生の皆さんの合格可能性を1%でも高めるために少しでもお役に立てたらとっても嬉しいです。
それでは行ってみましょう!
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ふぞろい16メンバーのブログは2月20日スタート!
どうぞお楽しみに!
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目次
まず二次試験全体に取り組む意識ですが、初年度と三回目では結構な違いがありました。
初年度の自分を振り返ってみると試験委員が出された書籍を読んだりと知識がデコボコ状態である一方で、自分の型のようなものがまだできていなかったように思います。そのため、書籍でちらっと眼にした知識に少しでもかするような与件文を見ると、それに飛びついて回答を作ってしまうような状態でした。例えば令和元年の事例Ⅱ、ネイルアートの事例では、「強み」として「店舗が狭いこと」を書くなど、単にずれた回答を作ってしまっていました。(他の人が書けないこと書こう、は実現したかもしれませんが。。)
加えて全体戦略として事例ⅠからⅢは差がつかないので事例Ⅳで差をつける!と妙なスイッチが入っており、そのため事例Ⅳで難易度が高い設問に挑む一方で基本的な設問制約を読み飛ばして事故を起こすという状態になっていました。
このときの失敗体験を活かすべく特に三回目の二次試験では先のような意識付けに変わっており、また特定の事例でかせぐということではなく、とれる事例で点が取れたらOKということで本番に臨みました。まずこれで、変な肩の力が抜けて学んだ知識を素直に置いてくることができたと思っています。
次に事例毎に心がけた点をご紹介していきます。
二次試験を3回受験し、ただ一つ3回とも60点を越えることができた事例なので、個人的には最も取り組みやすい印象がある事例です。私は試験がスタートしたら30分弱の時間を設問解釈にあてて、まず回答構成をほぼ決めてしまうことにしていました。80分という限られた時間で60点を取るためには効果的なやり方だったと思っています。以下、昨年令和3年の事例Ⅰの当日対応を少し振り返ってみます。
設問1を見てみると、2代目経営者は、なぜ印刷工場を持たないファブレス化を行ったと考えられるか。と書いてあります。設問の中に「ファブレス」という一次試験知識が入っていますね。そのため、まず「ファブレス」で思いつく理論をメモに書き出しました。「ファブレス」は経営資源の選択と集中を意図した打ち手ですので、この時点で「強み」に「経営資源を集中」して「専門性を高め」て「競争優位を構築」と回答構成をメモしました。大まかに4つほど加点要素になりそうなことがあるとあたりをつけられそうです。
この回答構成に与件から拾った要素を当てはめていくイメージで回答を作ります。ちょうど数学で、まず方程式を書いて、そこに実数を代入するようなイメージですね。
与件を読んでいくと5段落に「2代目」とあり、設問の「2代目経営者」とリンクしますので、この前後に関連する記述があるだろうとあたりをつけます。4段落を見ると「他分野からの新規参入が容易になり印刷単価が下がる」とあるので、5フォースのことを言っていると気づきます。ここをファブレスした背景と解釈し、「参入障壁低下」、「収益性低下」を想定します。また6段落に「コンサルティング(ディレクション業務に特化)」とあり、外部化した後に社長が残したかったもの、ここを強くしたかったからファブレスをしたと解釈しました。これらをもとに実際に作った回答は以下の通りです。
「コンサルティングに資源集中し専門性を高めるため。技術革新で高度な専門的技術や知識が不要となり参入増加で収益性が低下する中、製版や印刷を協力会社に外部下して顧客の細かなニーズに対応して高収益化を図った」
回答構成時点で作った内容に以下を代入しています。
なおこの結果を「ふぞろい15」で採点すると6割程の得点となります。実際に得点開示した結果が63点でしたので、およそズレていないですし、確保すべき6割が確保できたという意味で、満足できる処理手順だったと思っています。
事例Ⅱは切り口で事前に準備するというより、当日対応の負荷が重たい事例という印象があります。与件の分量も多く、個人的には最もイヤな印象が多いです。(なお、令和2年度に受験した際、事例ⅡがD評価となり涙をのんだため、苦手意識が本当に強いです。。)
事例Ⅱで有名なフレームといえば「だなどこ」ですね。助言を求める設問の際に、「だれに」、「何を」、「どのように」、「効果」の四点を盛り込み回答を作成するというものです。まずここで「だれに」(=ターゲット)の部分を間違うとその後の要素もズレてしまい、大きく失点する原因になってしまいます。かくいう私もそうでして、令和2年の事例Ⅱではターゲットを見事に誤りD評価(足切り)になってしまいました。
そこで令和3年の試験に臨むにあたり気を付けたのは、「これまでのターゲットはだれかを明確にする」ことです。事前学習で過去問を解いていて、最近の事例Ⅱでは「変化」がテーマになっているように感じていました。そのため、B社の従来のターゲットを「デモ」・「ジオ」・「サイコ」・「行動変数」の視点で明確にし、これら要素のうちのどれかを変えたときに見えてくる顧客層で、かつ今後の需要増やB社の強みと相性の良さが期待できる相手を今後のターゲットとして与件から探し出す、というように頭を整理しました。二次試験当日は思った以上に頭が働かなくなっていることがありますので、手順を整理しておくと普段の力が出しやすくなると思います。
個人的に、事例Ⅲは問われる知識は決まっていて、一度全体像を理解してしまえば取り組みやすい印象がありました。しかし近年は設問の出し方が工夫されていて、なにをどの設問に書くのかわかりづらくなっているように感じます。
この傾向は事前に想定したうえで高得点は取れないとあきらめ、とにかく負けないような処理をするように心がけました。対策はズバリ、「迷ったら同じことを複数の設問に書く!」です。昨年令和3年の事例Ⅲでも設問間で、どちらに入れるべきか迷う回答要素を両方の回答欄に書きこむことで大崩れを防げたように感じています(ちなみに得点開示結果は59点でした)。
また生産性の改善を求められる設問では多角的な要素を回答に盛り込みたいですので、試験当日パッと頭に浮かぶよう、語呂合わせで覚えておくと良いですね。有名なものにはDRINK(データベース化、リアルタイム更新、一元管理、ネットワーク化、共有)がありますが、それに加えて私のオススメは「ひきたほうだれ」です。
ちなみに覚え方ですが、、職場に知らない人が来て、あの人だれ?と聞いたら「ひきた」さんと教わり、「ほう」といったん納得したものの、いやいや、だから「だれ」なの?と聞きかえすイメージです。(ちょっとヘンテコな状況設定ですが、そういう方がかえって覚えられると思います!)
ふぞろい15の執筆を通じた分析であらためて感じたことですが、設問毎の正解率と合否との相関にはばらつきがあります。特に大事だと思ったのは、例えば昨年の第2問、NPVの設問では合格者とA評価の答案でも正答率が2割を切るものがあったりなど、かけた時間が得点になりづらい設問、言い換えると正解するかどうかと最終合否にあまり相関関係がない設問があることです。そのため、80分という限られた時間で60点を確保するためには、解き始める前に設問の難易度を見極める力、またそうした難易度を踏まえて80分を効率的に使える時間配分がとても大事だと感じます。
さらに事例Ⅳは「難問の年」が二年周期で来る説があり、それに倣うと令和4年は難問の年にあたります。そうすると、難問とは距離を置き、とれる設問を確実にモノにする戦略がいっそう大切になるように思います。
個人的にはこうしたことをふまえて、以下のような方針で対応することにしていました。
おおまかな優先度は上記のとおりですが、以下に該当するものはむしろ意図的に時間をかけず、他の設問の検算に時間を回すことにしていました。理由は「かけた時間が得点になりづらい」と想定していたためです。
当日までにどうしても苦手とする論点がでてくることがありますので、あらかじめ本番では優先順位を下げる、と決めておくのも良いのではと思います(私はNPVでは必ず何かしらのミスをするので、最後に解く、なんなら白紙で出す、と決めていました)。受験生の皆様には、ぜひとれる設問で得点をもぎ取り、6割+αの得点確保につなげていただければと思います。
学習時間を横軸に、得点力を縦軸にとってグラフを書くとしたら、一次試験は右肩上がりの一直線に近い線が引けると思います。学習時間が得点力に反映しやすいですね。しかし、二次試験は逆放物線のようになり、時間をかけてもなかなか得点力アップが実感しづらいと思います。しかしそこであきらめずに学習を続けることで本番直前に一気に得点力が伸びることがあります。よく「開眼した」という表現が使われますが、まさにそうした状態だと思います。
あと一カ月ほどでいよいよ二次試験本番がやってきます。ぜひこれまでの努力の集大成として、ご自身のベストを尽くしていただきたいと思います。ふぞろいのメンバーはそのようにして頑張るあなたを全力で応援しています。ぜひ最後の最後まで粘って合格を勝ち取ってください。頑張りましょう!
次回は「癒し力」の西日本チャンピオン、「がき」の登場です。ご期待ください!