1次のテキストを読むだけでは効果は半分。繰り返しのテスト(アウトプット)で記憶を定着させよう

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事例Ⅱのおかげで若干豆腐に詳しくなれた、まさひろです。

少し前ですが、平成17年の豆腐等都市別購入状況。(県庁所在地のみ)
第1位はどこでしょうか?

順位都市名金額
●●市8,906円
徳島市7,607円
盛岡市7,502円
鳥取市7,331円
東京都区部7,283円

答えは最後に。


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ふぞろい16メンバーのブログは2月20日スタート!

どうぞお楽しみに!

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インプット(学習)と、アウトプット(テスト)はどっちが大事?

サイエンスにも掲載されたKarpicke(カーピック)さんの論文より。

インプット(学習)と、アウトプット(テスト)の組み合わせでパフォーマンスがどのように変化するか実験しました。

スワヒリ語と英語の40ペアを用意し、大学生に覚えてもらいました。
例えばスワヒリ語、英語のペア “mashua-boat” を学習して(覚えて)もらって、そのあとmashuaからboatが想起できたらテスト合格というもの。

比較をするために、以下の4群に分けました。

A群はテストに正解しても、繰り返し学習するパターン
B群はテストに合格したら、学習はしないが、その後もテストは行うパターン
C群はテストに合格したら、学習するが、テストは行わないパターン
D群はテストに合格したら、学習もしないし、テストも行わないパターン

わかりやすくすると、次の表のとおり

どの群でも、おおよそ4回繰り返すことでほぼ100%の正答率になりました。
ただし、A群はテストで正答しても繰り返したのでD群より2倍以上、B群はD群に比べて1.5倍近くの時間を費やしています。

D群が一番効率的ですね。
大方の場合、このような対応していると思います。
私もそうでした。

アウトプットが重要だった

では、一週間後、もう一度テストをしたらどのような結果だったでしょうか。
はい。
結果は顕著に差が出ました。

A群、B群は80%想起できましたが、
C群は36%
D群は33%
しか想起できませんでした。

A群がこのような結果であることは想定の範囲内。

そして、ここで言えることは

・一番効率よくやっていたつもりのD群(間違っていたものだけ繰り返していくやり方)は長期記憶に結びつかない

・C群のようにインプットだけしていても、長期記憶には結びつきにくい。
 
(ん、テキスト読み流しばっかりしていた自分は何だったんでしょう)

・B群のようにインプットは全部でなくてもよいから、時間はかかってしまうが正解したのもアウトプットを繰り返すことで定着しまっせ。

ということです。

私は過去問を繰り返し解く派だったのですが、覚えたのはやらずにいました。
覚えたのも繰り返しやっていたら、もう少し1次試験苦労しなかったかも。
(ん、そんな時間に余裕はなかったぞ)

まとめ:テキストを読むだけでなく+αを。

これまでの話をざっくりとまとめると、
・とにかく、アウトプットが重要
・テキストを読む(インプット)だけでは効果が半減
・正解した問題も、継続してテストすると定着しやすいよ(ただし残された時間と相談してね)
です

普段の勉強もひと工夫するだけで、効率がよくなると思います。
テキストを読む際にも、
・対応する問題集をすぐにやる(後回しにしない)
・表があれば自分で穴埋め式に読んでみる
・ページに何が書いてあったか、100字ぐらいで述べてみる

決してテキストを読んだだけで満足しては効果は半減ですからね。(ついつい自分もそうなりがちですが)

学習アプリとかは、このあたりの理論をつかってロジックが組まれていると思います。

何か良いアウトプット方法があったら教えてくださいね。

さて、冒頭のクイズの答えは “那覇市”でした。チャンプルーの消費が多いから?

こちらもご存じの方いらっしゃったら教えてください。

明日はジム通いでマッチョを目指している“しの”です。

おまけ

論文は
The Critical Importance of Retrieval for Learning
JEFFREY D. KARPICKE AND HENRY L. ROEDIGER, III
https://www.science.org/doi/10.1126/science.1152408

要約は次の通り。
DeepLにかけたのをそのまま掲載。翻訳しにくい論文をここまで訳せるのはすごいなぁ。

学習は、問題に対して正しい答えを出せるようになった時点で完了とみなされることが多い。私たちの研究では、ある条件の学生は、学習とテストの試行を繰り返すという標準的なパラダイムで外国語の単語を学習しました。他の3つの条件では、生徒が一度正解した語彙を、繰り返し学習するがそれ以降のテストから外す、繰り返しテストするがそれ以降の学習から外す、学習とテストの両方から外すというものであった。学習後の繰り返し学習は遅延想起に影響を与えなかったが、繰り返しテストは大きな正の効果をもたらした。また、生徒の成績予測は実際の成績と相関がなかった。この結果は、学習の定着に検索練習が重要な役割を果たすことを示すとともに、大学生でさえこの事実に気づいていないようであることを示している。

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