独学は孤学ならず(大人の学び直しのために・その3)

同友館
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こんにちは。大人の学び直し実践家のYumaです。

さて、合格発表から一夜明けまして、合格された方は、おめでとうございました!ふぞろいプロジェクトでも今日明日と口述試験セミナーを開催します。口述試験の模擬演習だけではなく、わたしたちや受験生の皆様同士でコミュニケーションを取る時間を多く設けてあります。今までのご経験や感想・感慨などを共有いただければありがたいです。

一方で不合格となった方は、お疲れ様でございました。来年も受験される方は診断士協会への得点開示請求のご準備、2次試験の答案の再現(……よろしければその共有も。31日までが締め切りです)など、再起に向けたご準備に取り掛かられるかと思います。「扉は開くまで叩き続けろ」の精神が重要であると、かつて別の試験ですが足掛け7年13回挑戦した者としてエールを送る次第です。

さて、去年の私は、全く期待しないでいたところ合格していることを知り、気が動転しながらも、ここまで一人で勉強してきたが口述試験の対応は有識者にきいたほうがよかろうと思い、あわてて受験生支援団体のブログを確認、セミナーに申し込んだのでした(それがきっかけで、結構大きく人生の舵を切った生活を送ることになりました……)。それまで独学で勉強していたため、当試験の受験生に会うことが初めてで、そもそも受験生支援団体なるコミュニティが存在すること自体驚きでした。

それまで、自分は独学のスタイルが適しており、勉強は一人で進めるものだと思っていました。それが、この間のふぞろいの活動や、自分自身の学び直しをすすめるなかで、独学であっても必ずしも孤独な戦いである必要はないと認識が改まりました。過日タニッチが紹介した『独学大全』でも、独学は孤学ではない、と述べられています。

このふぞろいでの活動も残り一ヶ月程度となり、ブログも私の担当は今回入れて残り3回です。最後に、試験勉強とマネジメントというお題で記事を書こうと思っておりますが、長くなりそうなため、今回と次回に分けてお届けします。今回のテーマは、上記勉強は独りで進めるものではないという認識に通じるものですが、マネジメントの必要性、となります(以下常体となります)。なお、合格者の方は、下記を読むより各事例の読み直しなど口述試験の準備をされることをおすすめします!


なぜマネジメントが必要か。特に難易度が高い試験については学習量の広大さ、学習期間の長期性、発揮するスキルの高度性などのため、合格できるかについての不確実性が非常に高い。当該試験の合格が自分の実存に関わる場合は特にこのリスクを低減するかコントロールする対策が求められる。マネジメントは以下に述べる観点から不合格のリスクを低減させ、また学習の途上での介入ポイントを検知するのに効果的であるため必要となる、というのが本記事の主張である。

ここでマネジメントとは、プロジェクトマネジメントをまずは想定するが、それ以外にもサービスマネジメント、またマネジメント監査も含む。これらは、業界の標準となるフレームワーク、ベストプラクティスが整備されており(PMBOKやITILなど)、そこで定義された概念とそれらを実装するツール群が容易に利用可能であるからである。

試験勉強はプロジェクトマネジメントなのか、サービスマネジメントなのかについては、両義的である、というのがひとまずの回答である。質問を投入すると回答を提供する機械を作成していると捉えれば前者に近いだろうし、その機械を使用したコンサルティングサービスを提供していると捉えれば後者だろう。試験日よりかなり手前の時期に前者から後者に徐々に切り替わるイメージかとも思われるが、ここでは両者を区別することではなく、それらが提供する概念のうち活用可能性が高いものを見出し実践することを重視したい。

これまでは個別具体的な分野別学習と、それらを支える学習科学(脳科学や学習心理学等)にフォーカスが当たることが多かった。しかし、さらにそれらを支える階層としてマネジメントのレイヤーを想定することができる。つまり、以下のような図となる。

図:学習プロジェクトのレイヤー

この学習プロジェクトについて、マネージャーは自分自身である(いうまでもないが、メンバーも自分自身であって、そして自分自身のみである)。しかし、上記のように定義することで、マネジメントの機能の一部を他の人やシステムに依存したり代行させることも可能になるだろう。

この意味で、たとえ独学であっても独りですべてを遂行する必要はない。プロジェクト立ち上げ時に必要なメンバーを獲得し、プロジェクト体制を整備する必要があるとさえ言えよう。逆に、マネジメントを導入することで現在の状況の可視化が進み、他のメンバーとのコミュニケーションが充実したものになるだろう。

次回は具体的な概念群とその実践例を紹介したい。プロジェクト体制とコミュニケーション計画、Redmine(チケット管理システム)を使用した進捗管理、Ankiを用いた学習概念定着可視化技法、KPIとSLAMチャート、などを想定している。


明日はこーしの担当です。

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