サバティカルのすゝめ(大人の学び直しのために・その2)

同友館
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こんにちは。大人の学び直し実践家のYumaです。今回は、最近発売された書籍『独学大全』について、かーなもすなる書評をしてみんと欲していたところ、先にたにっちに行われてしまったため、ヌワンコもすなる自分語りをしてみようと考えた次第です。テーマは「サバティカル」です。

サバティカルとは一定以上の年数勤務を行ったものに与えられる長期休暇を意味します。民間企業等にも採用例があるようですが、大学教員に与えられるそれが一般的なものかと思います。すなわち休暇といっても遊び呆けるイメージではなく、直近の研究課題を離れて別な課題に取り組む時間を意味しています。羨ましい制度ではありますが、羨ましがったりその恩恵にあずかれない我が身の境遇をかこつのではなくて、自分で自分の人生にその仕組みを導入してみてはどうだろうか、と思っているわけです。

さて、例によって話はだいぶ飛びますが、人材開発の文脈においては、人材の能力開発の手段として、Off-JTとOJTとの対比が用いられることが多いかと思います。最近の潮流としてはOff-JTすなわち教室における教科書ベースの座学に対し、OJTつまり職場における同僚・顧客との相互交流を通じた学びの優位性を指摘するものが多いように感じられます。以前の記事でもちらっとふれたマイクロラーニングについても、「短時間で学べる」「動画で学べる」といった側面とともに、学習すべきタイミングで学習できるという、職場での学びの手段としての側面が強調されていることもこのトレンドの例証でしょう。

とはいえOff-JTもOJTも、企業側の観点からの人材育成の手段であって、自身による人生設計を考慮する際についてはどうでしょうか。業務から切り離された場所で現在の業務と関係のないことを学ぶことが有用であると、そんな気がしてなりません。サバティカル・・・も当初は企業側・組織側からの人材育成施策の一環と捉えられますが、この概念を意図的・自律的にライフプランに織り込みたいというわけです。

ということで、遡ること8年前に留学をしました。会社からの派遣なので上記の文脈とぶれるところもありますが、半額は自費なのでまあよいでしょう。場所はアメリカで4ヶ月だけ、英語となんちゃてMBA科目を学びました。当時のオバマ大統領が二期目が決まってI WON THE ELECTIONじゃなくってFour more yearsなどと言っていて、共和党支持のホストファミリーの少し不機嫌な表情がそこにはあった、そんな時期。

短期間ではありましたがそこでの講義、学友との交流などから、診断士試験受験にもつながるビジネススキル学習の面白みであったり、コミュニケーションにおける図解表現の有効性といった現在につながる自分のテーマを見つけることができました。現地での生活から、人種や宗教に関する知見を肌で感じ、思いを深めることができました。勇気の必要な決断ではありましたが、日々の業務の文脈から離れて学ぶことは悪くないなと思う経験になったわけです。

(この経験に味をしめ、8年後に自主的なサバティカル期間に入るわけですが、それはまた別の話)

中小企業診断士は、というかビジネス全般に言えることかと思いますが、自分ではない他人のために頭と時間を使うことが多いでしょう。他の方への貢献は尊いことではありますが、そしてふぞろいのプロジェクトにかかわってメンバーの他者への貢献意識の高さに圧倒されているばかりですが、そればかりだとなんのために生きているのかわからなくなりませんか。どうですかね。受験を終えた今、他人のために身を捧げる手前でサバティカル的な時間を持つことを検討してみてはいかがでしょうか、と提案する次第です。


明日は半生の振り返りも完結間近(?)のこーしが担当です。

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