みなさん こんばんは。分析チームの円谷です。
今回は、中小企業診断士2次試験の解答案の論理一貫性について、触れさせていただきます。
「中小企業診断士2次試験 ふろぞいな合格答案」の答案分析の事例?特別企画の中でも、解答案の論理一貫性について検証を行っていますが、よく受験生同士で「解答案には一貫性が必要かどうか」ということについて、議論があると思います。
先日、ある受験指導機関の中小企業診断士2次試験教材の作問をする機会がありました。かなり時間と労力を費やしましたが、とてもいい勉強になりました。
作問を経験したものからすると(あくまでも私個人的な意見ですが)、「論理一貫性は必要だ」と思います。
それは、作問のプロセスを見ていただくとご理解いただけると思います。以下に、私の事例の作問プロセスをご紹介します。
<作問プロセス>
?事例のモデル企業を探す
過去問、世間の話題などを参考に業種を選び、参考になる企業を探します。
?事例のテーマを決める
モデル企業で発生していそうな問題を考え、その問題点の改善案を考えます。この大まかな改善の流れが、事例のテーマになります。
?事例の骨子を作る
テーマに沿って、SWOTや戦略を決め、大まかな設問と解答案を作ります。
この段階では図形イメージです。
?具体的な設問文を作る
設問文を具体化し、解答案の流れを固めます。
?与件文を作成する
事例の骨子や設問文を参考にしながら、与件文を作成します。
?設問文と解答案、採点基準を作成する
与件文に沿って、設問文の最終調整や配点や字数の決定を行い、与件のキーワードを盛り込んで具体的な解答案を作成します。
?解説を作成する。
一次のテキストなどを参考に解説書を作ります。
?全体調整をする
ほかの講師の方にご意見をいただきながら、問題、解答、解説書の全体調整を行います。
?完成
この中で重要なのは、「?事例のテーマを決める」になります。次のプロセスである、「?事例の骨子を作る」は事例のテーマを具体的に落とし込んでいく作業になります。
つまりテーマを決めないことには、与件をどのような展開にするか、何を設問とするか、何を答えて欲しいのか(コンサルして欲しいのか)が決まりません。作業としては、この作業が一番時間がかかる作業になります。
テーマに沿って設問と与件を作成しているので当然、解答案はテーマに沿った論理一貫性がとれたものになるのです。
そして、作問者としては、悩み考えて作ったテーマをちゃんと捉えて欲しいです。
もちろん、捉えどころがなく、テーマが掴みづらい事例(あえてする場合も)もありますので、大崩をしないために、一貫性を気にせずに、設問ごとに対応をするというテクニックも必要だと思います。
ケースバイケースだとは思います。
ただ、もし事例のテーマを掴むことができたならば、そのテーマにそった一貫性のある解答案のほうが、漏れなく、ダブりなく、ブレなく、そして得点を得られる解答案になるのではないかと思います。
本試験までは、あと約3ヶ月ですが、受験生のみなさまのご参考になればと思います。