事例1の設問、読んでみた。

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はいさい!2年目生合格ナビゲーターのうみんちゅです。

トランプ氏が大統領戦を制しましたね。どんな影響があるのでしょうか・・・。

 

そんな世間の大事件をよそに、大手受験校では、早くも主要科目「企業経営理論」から「財務会計」に着々と進んでいるところ。

このブログの読者も、徐々に初学者の方が増えて来ているかもしれませんね。

 

さて今回は、今年の本試験、事例1について。問題を解く際に設問を読んで考えたこと、をつらつらと書いてみました。

初学者の方には少しハードルが高いかもしれませんが、早くも本試験問題にチャレンジする方は、企業経営理論の知識をこんなふうに使うのだな、という一例として参考にしていただければ幸いです。

※ぜひ診断協会のサイトから本試験問題をダウンロードして、実際にご自身で読んでから、以下をご覧ください。

 

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それでは始めます。

 

(まず設問全体を眺めて)大問の下に設問があるパターンだな。とはいえ、第1問は環境分析問題には違いないだろう。最後の第3問が、人事戦略レイヤーで、最も簡単そうだな。

第1
 業績が好調であったA社の3代目社長の時代に進められた事業展開について、以下の設問に答えよ。

3代目社長の時代の話。過去の成功体験を分析させる問題だ。
やはり、お決まりの環境分析問題、特に内部環境に着目だ。
さらに、第2問に助言問題がありそうなので、そこで使えそうな成功体験や内部資源に注目していこう。

 

(設問1
 当初立ち上げた一般印刷業などの事業展開によってA社は成長を遂げることができた。その要因として、どのようなことが考えられるか。100次以内で述べよ。

「当初」「一般印刷業」→時制、リンクKWで対応付ける。
「その要因」って、どの要因?普通は「成長を遂げることができた」要因だが、「当初立ち上げた一般印刷業などの事業展開」をした要因の可能性も、お作法としては念のために検討する。
この時点では、外部環境か内部環境かはよく分からないな。設問2と同時処理しよう。(どっちかが外部で、どっちかが内部の可能性あり)
外部の場合は、3Cの競合/市場を切り口としてみるか。
内部の場合は、有形資源/無形資源を切り口としてみるか。

 

(設問2
 1990年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が占めており、A社の3代目社長が推し進めた新規事業が大きな成果を挙げてきたとはいえない状況であった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ。

「1990年代後半」「3代目社長」→時制、リンクKWで対応付ける。
1990年代後半になって「も」とネガティブなので、学校アルバム事業が売上の大半を占めててはいけないのね。
その要因は、普通に考えれば「新規事業が大きな成果を挙げてきたとはいえない状況」の要因。だが、お作法的には「1990年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が占めている」要因かもしれないと警戒しておく。
ここも環境分析だが、今度はうまくいっていない「要因」で、やはり外部・内部どちらの環境分析であることも考えられるな。
(設問1)と同様に、切り口は多面的に考え、事故を防ごう。

 

第2
 A社の現社長(5代目)の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。

 

今度は現社長の話だ。彼がクライアントだな。
「現社長(5代目)」「経営改革」をリンクKWとして対応付け。
「改革」というからには、経営戦略から組織人事戦略まで大きく影響しそうだ。改革が必要な外部環境、改革できる内部環境を第1問で診断するのは決定的だな。やはり、第1問と2問との一貫性に気をつけながら解答しよう。

 

(設問1
 A社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、どのような助言をするか。100字で述べよ。

 

題意は「留意点」か。ストライクゾーンが見えにくいので、やはり多面的に答えよう。ただ、ヒントは多そうだ。制約条件「これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら」とあるので、新規vs学校アルバム事業の展開(展開=環境やビジネスモデルか)を比較しながら解答しよう。
また「中小企業診断士として」とあるので、第1問の診断結果を踏まえる必要が、やはりあるぞ。

 

(設問2
 A社では、これまで、学校アルバム事業を中核に据えた機能別組織体制を採用していたが、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由を、100字以内で述べよ。

 

組織戦略レイヤーの設問だ。これも簡単そうだ。
「複数の事業間」で「全社的に人材の流動性を確保する」組織とは、まさかのマトリクス組織ですか。
題意は「理由」なので、必要だったから/必要に迫られたから、の切り口がまず候補。
また組織戦略なので、組織成立の5原則「専門化/権限責任一致/統制範囲/命令一元化/例外」を想起するが、マトリクス組織とる「理由」としてはイマイチ当てはめづらいな。機能別組織のデメリットを解消しながらメリットを活かせるという方向かな。
対応付けも簡単そうだから、本文の根拠を読んで判断しよう。

 

第3
 業績低迷が続くA社が有能な人材を確保していくためには、どういった人事施策を導入することが有効であると考えられるか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

この事例で一番簡単な問題だな。今回の事例は、第2問(設問1)以外は、かなり取り組みやすいな。差をつけられないように、確実に簡単な問題をとれないといけないぞ。
業績低迷を打破するために、「有能な人材」を確保することが必要なのだな。この「有能な人材」は既に社内にいるのだろうか?
題意は「人事施策」なので「採用/配置/報酬/育成/評価」の切り口で考えよう。それら施策が人材の「能力向上/モラール向上」につながること、その結果として「確保=採用と定着」につながることを忘れずに。

 

 

今年の事例1は、比較的取り組みやすかったという声を多く聞きました。

私も設問を読んだ限りではそのような印象を持ちましたが、あとでじっくり問題本文を読むにつれ、なかなか今年も歯ごたえのある事例であったと感じます。

ぜひ皆さんの感想をコメント欄でお聞かせください。またご質問もいただけたら幸いです。

 

明日は、大阪の貴公子かなわんの登場です!お楽しみに。

 

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