「しくじり期」のしくじり③

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どもども、多年度生合格ナビゲーター「しくじり王」(A)です。

しくじり王”についてはコチラ

 

今回で「しくじり期」は最後となります。トリを飾るのは、分っているつもりなのについやってしまう”例のやつです。

この“しくじり”さえなければ合格だったのにって多くの受験生が思っているものと言えば…。

前回に引き続き、同じ事例を使用します(すでにお読みの方は飛ばしてください)。

【与件文】

……ふぞろい氏は寒さに震えながら上野駅近くで途方に暮れています……今にも雨が降りそうな空模様の下で、東京から田舎に帰る親友に渡すプレゼントを抱えています……出がけに、昨日の健康診断の結果の件で奥さんとケンカをして、サイフを家に忘れてきました……親友とは日本橋駅で待ち合わせをしています……寒さが厳しくなってきました……手持ちのお金は200円だけです……親友の電車の出発時間まであと30分しかありません……雨がポツリポツリと落ちてきました……ふぞろい氏は都内の地理に詳しくないので日本橋までの行き方が分かりません……云々。

【問題】

ふぞろい氏は、親友にプレゼントを渡したいと考えているが、現在の所持金で時間に間に合うように行く方法が分らず困っている。困りごとを解消するには、どのような方法が考えられるか中小企業診断士として100字以内で述べよ。

※解答例はコチラ

※しくじり解答②はコチラ

そして、今回の“しくじり”解答はコレです!

【しくじり期の解答③】

財布を忘れて手持ち金が少ないのでジョギングで行きましょう。上野から昭和通りを銀座方面に向かい、永代通りの交差点を右に曲がればすぐです。天気も何とか持ちそうですし、走ることで健康になりますよ。

【しくじり期の解答④】

タクシーで行きましょう。タクシー利用により、①15分で着くので時間に間に合う、②雨に濡れるが心配ないので快適、③地理が分らなくても着くので安心、④重いプレゼントを持たなくていいので便利、に移動できます。

 

どちらの解答もやってしまいましたね。試験後に顔が蒼くなる理由のNO.1“制約条件はずし”です。解答③では約束の時間に間に合わないし、解答④は無賃乗車になってしまいますね。今回も心の声を聴きながら、どうしてこんな解答になったかを確認していきましょう。

 

<心の声>

【解答例③】

今は上野ね…雨が降りそう…プレゼント、これ重要だな。健康診断、なんとなくこれは使いそうだな…サイフ忘れね。寒くて、現金200円、おっと、お金の話は2回だぞ、これは使わないとダメだな。金がなくて健康に問題あり…走ればいいんじゃない。たいした距離じゃないし。また雨だ…でもポツリポツリか…止むな、きっと…。

【解答例④】

今は上野ね…雨が降りそう…プレゼント、大きいのかな。サイズは分らないな…でも親友に渡すプレゼントだから立派なものだな…。日本橋に着けばいいのね…寒くて…また雨か。俺だったら車使うな…お、地理も分らないのか、タクシーしかないな、決まりだ!

 

書いている本人は手ごたえ十分で「今年はいける!」なんて思っています。実際には、不合格に向って一直線なんですけどね。本番ではこんな思いはしたくないですよね。

 

しくじりポイント8自分の思いつきに合う部分だけ与件文から拾って解答を組立てる。

「しくじり期」も後半に入りますと知識やノウハウの蓄積ができてきます。因果関係で書く、与件の言葉を上手に使う、結論先出しで効果的に書く、等々の解答テクニックも身につき、アウトプット能力が飛躍的に向上していきます。

サラッと解答欄が埋められるようになるんですね。理由は簡単で、自分の“解答イメージ”を決め、”その答えに合う単語”を与件文から拾う&書いていないことは勝手に“想像して埋めている”からです。

アウトプット能力が向上した分、実はインプット能力が低下しているのですね。

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(A)も、受験3年目以降に「設問・与件文の読み落としや意味の取り違え」をすることが多くなりました。本当は、「読み落とし」ではなく、読みたくない部分意識的に読まない、あるいは自分の答えに合うように意味を曲解していたんですね。

この“しくじり”の怖いところは筆がどんどん進むので、立ち止まって考える意識がなくなることです。結果“制約条件をはずす”“多面的な解答にならない”確率が高くなってしまうんですね。

 

与件文の「一段落を丸々使っていない」とか、同じ段落や単語を違う問題の根拠に使っている」なんてことをやっていたら解答③や④になっている確率が高いですよ。もしそうなっていたら、本当の理由を必ず確認してください。ここが合格への“最後の分かれ目”だったりしますよ。

 

ちなみにアウトプットの形にこだわる人って結構いますね。(A)の個人的な考えですが、結論先出しだろうが、因果関係で書こうが、箇条書きだろうが、それ自体で合否が決まることはないと思います。もちろん、読んでいて読みやすい文章にこしたことはありません。でも、それ以上に“設問で問われている解答要素”がきちんと入っていることの方が重要だと思いますよ。

“必要な解答要素が入っている(主)”うえで“読みやすい文章を書く(従)”ことが大切だと思いますよ。当たり前すぎて、忘れないようにしてくださいね。

ではでは、次回お会いしましょう!

今日の一言:  準備を失敗することは、失敗を準備することである。     byジョン・ウッデン

さて明日は、完全独学で1次&2次試験をストレートで合格した「癇に障るが役に立つ」AJの登場です。楽しみにしてくださいね!

 

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