「しくじり期」のしくじり①

同友館
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どもども、多年度生合格ナビゲーター「しくじり王」(A)です。

※「しくじり王」についてはコチラ

 

さて、今回から、(A)が経験してきた“しくじり”の数々をご紹介していきます。同じ轍を踏まないように気を付けてくださいね。まずは、「しくじり期」のしくじりから始めさせていただきます。

※前回までの、しくじりポイントと「しくじり期」についてはコチラ

 

ストレート生を中心に2次受験歴1~2年の頃が「しくじり期」でしたね。なぜ多年度生向けにそんな話をするかと言うと、実は「しくじり期」初期と「こじらせ期」では、同じ間違いをしていることが多いからなんですよ。

 

さっそく、どんな“しくじり”が、どんな理由で起こるのかを確認してみましょう。

 

分かりやすいように、架空の事例としくじり解答を使って説明しましょう。

【与件文】

……ふぞろい氏は寒さに震えながら上野駅近くで途方に暮れています……今にも雨が降りそうな空模様の下で、東京から田舎に帰る親友に渡すプレゼントを抱えています……出がけに、昨日の健康診断の結果の件で奥さんとケンカをして、サイフを家に忘れてきました……親友とは日本橋駅で待ち合わせをしています……寒さが厳しくなってきました……手持ちのお金は200円だけです……親友の電車の出発時間まであと30分しかありません……雨がポツリポツリと落ちてきました……ふぞろい氏は都内の地理に詳しくないので日本橋までの行き方が分かりません……云々。

実際の与件文もこれくらい短いと助かるんですけどね。そして、問題はコレです!

【問題】

ふぞろい氏は、親友にプレゼントを渡したいと考えているが、現在の所持金で時間に間に合うように行く方法が分らず困っている。困りごとを解消するには、どのような方法が考えられるか中小企業診断士として100字以内で述べよ。

解答例はコレです。

【解答例】

東京メトロ銀座線上野駅から渋谷方面に向かってください。5駅目が日本橋駅で、乗車時間は8分です。出発時間にも間に合いますし、料金も170円なので手持ち金で十分です。親友にプレゼントを渡せてよかったですね。

韻座線

東京にお住まいの方なら簡単に答えられる問題ですね。しかし、「しくじり期」の頃の(A)はこんなかんじの解答を書いていました。

 

【しくじり期の解答①】

日本橋駅に行きたいんですね。それなら、市営地下鉄の千日前線か堺筋線に乗るといいです。でも時間帯や車両によっては混雑がひどいので注意が必要です。特に、先頭車両に乗る場合は覚悟してくださいね。

 

大阪市在住以外の方には、さっぱり分らない解答ですね。実は日本橋駅は、東京の「にほんばし」駅と大阪の「にっぽんばし」駅の2ヵ所あり、(A)は大阪の日本橋駅の話を書いているですね。

日本橋

では、どうしてこんな解答にたどり着いたかを、試験当日の心の声を聴きながら考えてみましょう。

<心の声>

よく分らないな…ふぞろいさん、何で困ってるんだ…。サイフ、忘れたからか…。分った、行き方だ。えーと、どこにいるんだっけ…?分らん…もう一回最初から読もう。うーん…どこへ行くんだ…分らない…おお、にっぽんばしだ!

 

行き先を発見した時の喜びの声が聞こえてきそうですね。

 

しかし、この段階で分っていることは、「ふぞろい氏はサイフを持っていない」、「日本橋駅に行きたい」ことだけです。「今、いる場所」も「約束の時間」も「所持金」も把握していません。与件文の読み落としがだいぶあります。でも、試験の残り時間は刻々と少なくなって行きます。

こんな時に、“しくじり”を起こします。

しくじりポイント⑥:解答に自分の経験や知識を書く

 

人間、本当に困ると自分の知識や経験を書きたくなるものです。知っていることだから間違いないと、自分で安心できるからですかね。(大阪市営地下鉄の千日前線・堺筋線のどちらも確かに日本橋駅を通っています)。

こうして“しくじり解答”が徐々に出来上がっていきます。

 

しかし(A)がほっと一息ついたのも束の間、まだ解答欄が半分以上空白です。残り時間はどんどん減っていきます。焦りに焦ると、“しくじり”の連鎖を起こします。

しくじりポイント⑦:解答に一般論を書く。

 

自分の知識だけでは埋められないことが分かったら、今度は一般論を書こうとします。こうなると「与件文」を使おうと言う考えもなくなり、文字を書いて解答の体裁を装うことが目的になっていきます。

 

こんな手順で完成したのが【しくじり解答①】です。「しくじり期」の初期に多い、俗に言う「問われていることに答えていない解答」ですね。

※ちなみに、「こじらせ期」の受験生でも知識が増えただけで、同じような解答を結構書いてしまいます。この辺は、「こじらせ期」のしくじり編で書かせていただきます。

 

皆さん、いかがですか?ここまでしくじった解答は書かないかもしれませんが、「自分だけの知識」や「一般論」を使っていませんか?

また、【しくじり解答①】に得点が入ると思いますか?思わないですよね。

今回の“しくじり”の問題は、「読み落としをした」ことや「自分だけの知識」、「一般論」を解答に書いたことではありません。それは、あくまで結果です。だから、「読み落としをしないようにしよう」とか「自分の知識や一般論を書くのをやめよう」と決めても防止策にはなりません。

 

一番の問題は、与件文を「読み落としている」状態で「先に進んで行った」ことにあります。難解な2次の試験中に、解答の方向性を決めて一旦進み出してから、「止まって、後戻り」するのはかなり難しいことですね。

 

で、(A)は防止法として、こんなルールを決めました。

  • 解答を組み立てている時、「与件文」や「1次知識」を使っていないことが判明した場合

  • 自分の知識や経験で考えていると判断する。

  • 強制的にその設問を解くことを中止する。

  • 深呼吸して、心を落ち着かせる。

  • 与件文と設問文をもう一度ゆっくり読み返す。

または、別の設問に取りかかる。

 

当たり前なことですが、2次試験は試験ですから「解答の根拠やヒント」が必ず与件文や設問文のどこかに書かれています。それが見つからないと言うことは、どこかで「読み落としや意味の取り違え」をしているからに間違いありません。

 

そして、そんな焦った時に「思いつくこと」は、自分が安心できる「自分だけの知識」か「一般論」です。しくじり解答を見ていただいた通り、いくら一生懸命にマス目を埋めても点数にはなりません。

頭を冷やして冷静になれば、必ず「解答根拠」が見えてきます。間違いありません。これを肝に銘じておいてください。そうすれば、「しくじり王」になる心配はありませんよ。

 

ではでは、次回「しくじり期」のしくじり②でお会いしましょう!

 

今日の一言:  安心、それが人間の最も身近にいる敵である。        by シェイクスピア

 

 

さて明日は、強者&弱者ぞろいの「ふぞろい9」のメンバーを剛腕でまとめている我らがリーダー、ラブリーこうちゃんです。重大発表があるかもしれないので、ご期待くださいね!

 

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