独学だからわかること

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こんにちは。2年目生&独学生合格ナビゲーターのヨッシーです。
(ヨッシーのブログをまとめて読むにはこちらをクリック)

今月いっぱいで「ふぞろいな合格答案 エピソード8」メンバーによるブログは終了となり、いよいよ来月からは「エピソード9」メンバーの登場です。ヨッシーの担当回も今日が最後です。
独学生合格ナビゲーターを名乗りながらも、純粋に独学生に向けた記事は少なかったかもしれません。ヨッシーにとっては独学が当たり前だったので、いざアドバイスを…と思っても逆に難しいところもありました。
ただ、合格後の1年間を通して、「単に試験に合格するだけでなく、診断士として活動する際にも、独学ならではの強みがある」と感じたことも多々あります。最終回の今日は、そんな気持ちをお伝えして締めくくることとします。

先日、飲み会の席で、大先輩にあたる診断士の先生から「君はなぜ診断士になったんだい?」と尋ねられることがありました。その場では、「自分は経営者そのものにはなれないかもしれないけれど、経営者に寄り沿うパートナー的な存在となることで、経営者の夢を実現することに貢献したい」と、当たり障りのない答えをしたのですが、大先輩には少々不満だったようで、こんな言葉を頂戴することとなりました。

「僕は、自分自身が社長だった経験や、社長になってやろうというくらいの気概がないと診断士は務まらないと思っている。安全で無責任な立場から、ただ助言だけしていればいいってもんじゃない」

もちろん、ヨッシーとしては、経営者の心の痛みまで理解した上で、夢を叶えるお手伝いをしたいという心づもりではあるのですが、企業内診断士という中途半端な立場では、経営者の孤独さを真に理解することなどできないのかもしれません。

経営の厳しさとは比ぶべくもありませんが、診断士試験のような正解の見えづらい試験において、独学であるということは、誰かに導かれるままに道を辿るのではなく、自分だけを拠りどころとして道なき道を行くという点で、経営者の孤独とどこか通じるところがないでしょうか?

実は、受験生時代、ヨッシーは診断士試験の常識?とされているものに、少なからず違和感を抱きながら勉強していました。

「安全運転で事故を起こさず60点を確保できればOK」
⇒(ヨッシーの心の声)60点のアドバイスで社長に響くのか?
「予備校の模範解答は80分では書けないから、合格者の最大公約数的な答案を目指せばOK」
⇒(ヨッシーの心の声)そもそも模範解答自体レベル低いし、合格者の最大公約数なんて踏み込みが甘すぎて話にならない
※「ふぞろい」を完全に否定しちゃってますね(笑)

などなど…

試験対策として何が正しいかは置くとして、まことしやかに語られるノウハウや成功体験を無邪気に信じて、そこに自らを委ねてしまうことは、一種の思考停止と言われても仕方ないとヨッシーは思っています。

診断士が共通して身に付けるべきセオリーはあるにせよ、それだけでは不十分ではないでしょうか?

経営に関する広範な見識を身に付けた上で、一つひとつの企業に真摯に向き合い、唯一の正解などない世界で、それでも進むべき道を示していかなければならない…

そんな経営コンサルティングの現場で、最後に頼りになるのは自らの研ぎ澄まされた思考だけです。

独学生の皆さんは、文字通り、「独りで」この試験と向き合い、自らの頭脳をフル回転させて、とことん考え抜くしかない環境に身を置いています。そのことは、コンサルティングという仕事の本質を知るという意味でも、孤独な経営者の魂に触れるという意味でも、実は、中小企業診断士を目指す者としての王道なのではないか…そんな風に思うことがあります。

試験に合格してからの一年あまり、ヨッシーは、独学生として自由気ままに過ごしていた受験生時代とは一変して、時間を見つけては各種の診断士活動に顔を出してきました。

そんな中、気を付けなければと自戒するのは、「診断士の世界で仲間や知り合いが増えたこと=自分の力がついたこと」と錯覚してはいけないということです。

ただ試験に合格しただけで、まだ何ができるわけでもない1年生が、少しばかり顔が広くなったことに満足して、勘違いしてしまってはいけないと思います。

「診断士はネットワークがすべて」などと言われたりもしますが、ヨッシーは敢えて「独りになったときに何ができるかがすべて」と言っておきます。

そういった意味でも、独学生の皆さんには、診断士の世界で、その他人譲りではない力を発揮してほしいと思っています。

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この1年間、愉快な仲間たち(笑)と「ふぞろい」プロジェクトに取り組み、あわただしい日々を過ごしてきましたが、いつしか「ふぞろい」のことを考える時間が減ってきていることに気づきます。

診断士活動には引き続き貪欲に取り組んでいくつもりですが、今年はもう少し、受験生時代のような一人きりの時間を取り戻しながら、新たな道を模索していきたいと思っています。

一人ひとりの診断士が思考を研ぎ澄ませ、誰にも真似のできない存在として活躍することで、より多くの経営者、中小企業、そしてそこで働く人々が幸せになり、私たちが暮らす社会が、多様な事業者が彩る豊かなものになることを願っています。

とりわけ、今は独学生として合格を目指す皆さんが、遠くない将来、フレッシュな診断士として逞しくしなやかに振る舞うことで、今後の診断士の可能性をさらに広げてくれることに期待しています。

これからもよろしくお願いいたします。

最後に一句。

熱き想い 語るにゃ足りぬ 五七五  by ヨッシー

明日は「こちらふぞろい情報局!」の最終回。ラストウィークの「ふぞ8」ブログは最後まで見逃せません!

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