2次試験では過去問学習の重要性がよく言われます。
どの資格試験もそうですが、やはり最後は過去問に取り組むかということになります。
その中でも特に、論述試験のように解答が明確にされていない
試験では過去問対策の重要性はさらに高まります。
1次試験は極論すると、知識を確認する試験ですから、
時間をかけて知識を頭に詰め込めば、
過去問を学習しなくても合格にたどりつく可能性はあります。
しかし、解答の不明確な2次試験の学習においてのバイブルは
過去の問題と多少の出題の趣旨しかありません。
そして、多くの予備校で模範解答例が提示されますが、
その方向性や内容はバラバラです。
つまり、予備校の模範解答を覚えても、合格にはたどりつきません。
必要なのは、過去の問題から、
・どういう論点が問われていたかを認識する
・その論点に対して、予備校の解答や1次知識を活用して、
自分なりのシナリオを組み立てる
・本試験においては、事前に用意した複数のシナリオをあてはめつつ、
最後は論理一貫性を発揮する
もちろん、与件に素直とか裏返し、XXと問われたらYYだ!といったテクニック論も重要ですが、テクニック論は、予備校などの学習で十分に対応できると思います。
では、論点とは何でしょうか?
ここでは、事例2のマーケティング事例で確認していきます。
新制度で最初の事例は平成13年 “エニグム”といったブランドを持つSPAがテーマでした。
この企業は、新ブランド“プチエニグム”を立ち上げて、新ブランドは順調に成長しました。しかし、カニバリゼーションが発生して、“エニグム”の売上は低下しました。
設問にもありましたが、社長は、
20代向けにプチエニグム、
中高年向けにエニグムという想定でブランドを立ち上げたつもりでした。
一時知識を活用すると、市場細分化の変数として、「年齢」を使ったわけです。
しかし、様々なライフスタイルが混在する現代では、年齢基準で分けるのは難しく、結果としてカニバリゼーションを発生させています。
このことから得られる論点としては、
「市場細分化変数は、年齢だけじゃない。むしろ年齢でセグメンテーションしているの危ないのではないか? そうするとどういったセグメンテーションをすればいいのだろうか?」
ということです。
顧客のセグメンテーションを問う事例は、過去に何度も出題されています。
例えば、平成20年の温泉事例では、若女将が新戦略を立てていましたが、
その問題点を指摘する必要がありました。
若女将は、自旅館の顧客のセグメンテーションをすっかり忘れ、
周辺の外資系ホテルへの対抗のために、和洋折衷や拡大路線を図ろうとしていました。
この事例では、改めて、自社の顧客セグメンテーションを
どう定義していたかを再考すれば、
取るべき戦略はみえてきたはずです。
このように、1次知識と2次試験の論点を合わせて抑えて、
自分の中でシナリオを複数用意しておけば、
同じ論点が問われたときに、
スムーズに解答の方向性を導いていけるはずです。
【続く】