「実年受験生のための2次試験対応法」平成27年度試験振り返り(事例1)

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こんにちは、多年度受験ナビゲーター、「実年受験生の味方」リンフ(lingfu)です。2次試験が終了し、各受験機関の解答速報も出揃い、多くの方がその内容と自分の答案を比較し一喜一憂されていることと思います。例年のことながら、各受験機関の解答内容にはばらつきがあり、「大手とは一線を画し、存在感を出したい!」との思惑もあるようです。正解の公表されない試験であり、合格発表までは悩ましい状態が続くことでしょう。

本ブログも4月から、「実年受験生のための2次試験対応法」としてさまざまなアドバイスを行ってきました。そこでその検証・振り返りとして、ブログでの指摘事項が今回の2次試験問題にてどのように対応するものであったかを確認しておきたいと思います。

くれぐれも誤解して頂きたくないことは、「これが合格答案だ」とか「正解に近い」という意味で提示するものでは全くありません。ブログで書いてきたことを言いっ放しで終わらせないためには、「本ブログで指摘してきた考え方を平成27年度2次試験に適用したならば、こういう考え方で解答対応できる」ことを確認しておくことは必要、と考えるためです。実際にその考え方が正解に近かったかどうかは、数多くの合格答案を踏まえた分析を行う「ふぞろい9」により明らかになることと思います。今回は事例1を取り上げます。

①  当日は事例企業の理解に使う時間を抽出する
「実年受験生の実践的解答作成法②」の中で「試験当日のその場でないと出来ない作業、すなわち、事例企業のオペレーションを理解することが最も重要」としました。すなわち、「事前に実施できる構文固め、コアなロジックの準備はやりきり、当日事例企業の理解に使う時間を抽出する」ということです。事例Ⅰは与件に情報が少ないからこそ、与件情報を読み取り損ねると大事故に繋がります。
H27年度事例Ⅰの与件企業情報は、グル-プ企業を対象にする等、近年の流れ通りさらに複雑になりました。下図に示すように、A社(健康ソリューション事業と自動車部品製造事業)と関連会社(プラスチック容器製造事業のみ)の事業構成を読み取れていないと、ポイントを得た解答になりません。事例Ⅰで初めて電卓を叩いた方もいるのではないでしょうか?(笑) 今後も事例企業のオペレ-ション記述はどの事例でも複雑化することが見込まれます。解答の時間配分の見直し、正確な読み取り能力の訓練が必要になってくるでしょう。
逆にこの高難度技術が必要なプラスチック容器製造事業を関連会社で切り出したA社グループの組織人事問題として、①切り出し時の社長の意図、②売上が過半に達した後の経営課題、③人数あたり売上がばらつく中の成果主義賃金制度、として社長の組織設計に対する想いを考えて解答すれば、第2問~第4問は大きくぶれなかったのではないでしょうか。

スライド1

 

②  診断先中小企業への敬意を持って対応する(肯定的な視線を注ぐ)
次に第1問についてコメントします、問題文は「A社を支えてきたスポーツ用品の市場には、どのような特性があると考えられるか」です。「機会と脅威」を切り口とした多面性を意識した解答や、オイルショック時の売上げ減等に着目し、「安定性に欠ける」といったネガティブ面の解答をした受験生がリンフの周囲には多かったです。与件文の「素直な分析」からは妥当な解答です。
本ブログでは、「診断士試験は、実年受験生のリハビリ・アカスリです」において、「診断先中小企業への敬意を持って対応する(肯定的な視線を注ぐ)」ことを提案しました。そのような考え方に基づくと、「スポーツ用品の市場には、このような特性があったからこそ、A社の成長を支えられた」と解釈したくなります。
「社長、厳しい環境の変化の中、シニア層へのターゲット絞込みや、認知が高まりつつある市場へ早期参入し先行者利益獲得する等、経営革新を進めてきたことで、このように成長が図れたのですね。」と、経営者インタビュー後にはまず労いの言葉をかけたいものです。

③  設問間の関係、一貫性を表現する
「実年受験生の実践的解答作成法④」「実年受験生向け解答作成手順①」にて、設問間の関係、一貫性を表現することの重要性を指摘してきました。今年の第1問においても、A社が手がけたゲートボールやグランドゴルフなどのスポ-ツ用品事業、は他のスポ-ツ比べ今後拡大が見込める福祉市場との親和性が高いこと、そのように社長が事業革新を進めて来たと考えることは、第5問との連携、解答全体の一貫性を考えるなら、解答の候補となりましょう。

以上、「本ブログで指摘してきた考え方を平成27年度2次試験に適用したならば、」という考え方で、事例1に関して何点かの検証を行ないました。多分に我田引水的な説明と感じられたかと思いますし、この考え方が正しい解答というものではありません。但し、過去問題から抽出した考え方の何点かが同様に適用できるものであった点、平成27年度の試験問題も過去から一貫して問われていることが同様に問われていた、と考えられます。

◆◆ ふぞ8ブログ “実年受験生のための2次試験対応法” by リンフ(lingfu)◆◆伊
第1章 実年受験生の味方現る
・実年受験生の味方現わる! 多年度生合格ナビゲーター、リンフ(lingfu)です
第2章 実年受験生向け 2次試験に求められる思考法
・実年受験生の味方現わる! 多年度生合格ナビゲーター、リンフ(lingfu)です
・診断士試験は「実年受験生のリハビリ・アカスリ」です
第3章 実年受験生向け 実践的解答作成法
・実年受験生の実践的解答作成法① 因果の得点3要素+1
・実年受験生の実践的解答作成法② 因果の得点3要素+1(その2)
・実年受験生の実践的解答作成法③ 因果の得点3要素+1(その3)
・実年受験生の実践的解答作成法③ 因果の得点3要素+1(その4)
第4章 実年受験生向け コア・ロジックとは
・実年受験生向け コア・ロジック(事例Ⅰ)
・実年受験生向け コア・ロジック(事例Ⅱ)
・実年受験生向け コア・ロジック(事例Ⅲ)
第5章 実年受験生向け 解答作成手順
・出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解する
・出題者の意図への理解をアピールする
第6章 実年受験生向け 試験本番への準備と本番での対応方法
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明日はお待ちかねの「詰め込み女王」アスカ先輩の登場です、乞うご期待!

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