【川柳で語る】診断士 PPMが なぜ大事?【平成27年度2次試験】

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こんにちは。2年目生&独学生合格ナビゲーターのヨッシーです。
(今までのヨッシーのブログをまとめて読むにはこちらをクリック)

2次試験を受験された皆さん、おつかれさまでした。

受験校の模範解答も出揃いつつある中、ある意味では試験前以上に落ち着かない日々を過ごしていらっしゃる方も多いことと思います。
「2次試験のことなんか、もう思い出したくない!」という方にとっては辛いかもしれませんが、今回のブログでは平成27年度2次試験についても具体的に触れるつもりです。

ひとたび提出した答案の内容はもう変えることはできません。だったら、済んでしまった試験のことはキレイさっぱり頭から消し去ってしまうというのも一つの手ではありますが、これから診断士になる皆さんは、どのみち「企業を診断すること」から逃げることはできません

当日の対応の僅かな巧拙は忘れて、試験会場で皆さんが全力でぶつかっていった4つの事例について、試験の枠を離れたところで、今一度じっくりと向き合ってみる時間を作ってみてはいかがでしょうか? もちろん、あと少し落ち着いてからでも構いません。

総評:「社長さん 吹けば飛ぶよじゃ いけません」

ヨッシーも平成27年度2次試験の4事例に一通り目を通してみました(一部については解答も作成してみました)。初見の事例に対して80分間で答案を作成するという作業からは遠ざかっていることもありますが、非常に手強い事例ばかりだったと思います。試験当日、満足いく解答が書けた受験生は多くないでしょう。

もっとも、試験として捉えると、その年の題材や出題形式に応じた固有の難しさがある一方で、根底に流れている問題意識は変わっていないと感じたのも事実です。

今年の4事例にも、
「中小企業といえども、外部環境の変化を機会と捉えて積極的な事業展開を行うことで、
将来のリスクを未然に回避し、持続的な成長を実現していくべきだ」
という昨年までと同様のテーマを共通して見出すことができます。
攻撃は最大の防御なり」といったところでしょうか。

事例1:「グループを 束ねることの 難しさ」

事例1のA社は基本的に優良企業で社長はやり手だ(だからこそ会社規模が大きくなり、それゆえに組織的な問題が発生する)という印象を個人的に持っています。今回のA社も、時代の流れを読みながら積極的に新規事業を開発し、非常に巧みに経営の舵取りを行ってきた様子がうかがえます。
A社が採用してきた年功型人事制度にも分社化にも、それなりの合理性はありますが、このところ業績が横ばいで収益性がイマイチ高くないことなども考えると、グループ全体最適を志向する経営者タイプの人材を育てていかないと、頭打ち状態を脱却できないのかもしれませんね。
ヨッシー的には、平成26年度などと比べると事例のテーマが見えにくく感じましたので、出題者の意図どおりの解答が書けている人は(受験校の模範解答も含め)ほとんどいないような気がします。

事例2:「助言せよ さあ助言せよ 助言せよ」

もはや、お約束となった事例2のサプライズ。グラフや地図については、文章だけで説明されるより分かりやすいとも言えるかもしれませんが、すべての設問が助言問題だった点には面食らった方も多いのではないでしょうか?
基本的には、外部環境の変化に合わせてドラスティックに方向転換することで窮境の打開を図る事例(平成26年度に少し似てますね)と考えていますが、ターゲットを(ライフスタイルなども含め)合理的かつ具体的に設定し、総合スーパー等の分かりやすい競合相手との差別化ポイントが明確になっていれば、(出題者があらかじめ想定した解答以外でも)マーケティング戦略の立案力は評価してもらえるような気がします。
いずれにせよ、与件から読み取った内容をそのまま文章にまとめるのではなく、読み取った事実を前提に「提案」することが求められる設問がずらりと並びましたので、解答は相当バラけるのではないでしょうか。次の「ふぞろい」メンバーにとっては分析が大変そうです(笑)。

事例3:「次々と 作りゃいいって もんじゃない」

仕掛品が邪魔で移動が困難だなんて、ちょっとマンガチックなくらいに分かりやすい問題点が描かれていますが、どうやって解決するかとなると、設問との対応付けの難しさ等もあいまって、解答としてまとめるのには相当苦労する事例だったのではないでしょうか?
この事例についてはヨッシーも解答を作ってみたのですが、かなり時間をかけても納得のいくものにはなりませんでした。
受験校の模範解答も事例3にしては、ややバラついている印象がありますし、丁寧に因果関係をつないで記述できた人なら、十分に合格の可能性はあると思います。

事例4:「ローリスク ローリターンにも 一理あり」

NPV法がディスられる? というなかなか斬新な事例でした(笑)。
財務体質が脆弱な中小企業にとって、一社依存の売上構造がどれほど危険かを理解するには、うってつけの題材だったかと思います。
この事例についてもヨッシーは実際に解いてみましたが、時間制限なしで解いたにもかかわらず、第3問の計算は合いませんでした(汗)。
今年の事例4はそれほど難しくなかったなどとも言われているようですが、解釈に悩んだり、うっかりミスを犯しやすかったりといった箇所もちょいちょい見受けられるので、計算問題で点数を稼ぐのは意外と楽ではない(=記述部分の出来栄えも成績に大きく影響してくる)ような気がします。
そういった意味では、いろんな人にチャンスが残されていると言えそうです。

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平成26年度は、事例2でPPMが真正面から問われたことが話題となりましたが、今年の出題を見ても、近視眼的になることなく、長い目で見て、次の収益の柱を育てることの重要性が繰り返し問われているのがわかります。

ヨッシーも以前はずっと、「PPMなんて、そもそも大企業向けだし、なんで1次試験では毎年のように出題されるんだろう?」と思っていたのですが、経営基盤が脆弱で、外部環境に左右されやすい中小企業だからこそ、企業を永続させるには、現在の利益を将来に向けた投資に振り向けていく意識が必要だということなのでしょう。

2次試験が終わってから1週間あまりが経ち、「ふぞろい」でも、先週末から来年度の分析に向けた再現答案の募集が始まっています が、明日は再現答案を早めに作ることの意義について、ポンポロ節で熱く語ってくれるようです。まだ再現答案を作成する気になれない…そんなあなたの背中をさすって押してくれること間違いなし!

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