事例Ⅳアドバイスリレー~全体編

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どうも、皆様こんにちは!晩夏の候、実務補習第2回真っただ中のこやちんです。

今日は事例Ⅳアドバイスリレーの締めくくりとして、再現答案400枚超を分析してきた結果を踏まえて、ぜひともお伝えしたいアドバイスを披露させていただきます。

きっと、皆様の事例Ⅳ得点アップの一助になると思いますので、しばしお付き合いください!

(写真は今の私の願望です。上高地で森の空気を浴びに行きたい。。。)

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基本問題を確実に解く

事例Ⅳの基本問題は経営分析、セールスミックス、CVP/内外作区分、そして記述問題です。毎年、多少の「ひねり要素」が加わりますが、それぞれの基本論点は変わりません(CVPなら固変分解、限界利益、など)。これらのテーマは確実に押さえ、得点源にできるように準備しましょう。経営分析、セールスミックス、CVPを確実にとって、更に記述問題で一定の点数を取ることができれば、それだけで60点を超えることも可能です。

とりわけ、経営分析、CVPは過去20年にわたり略毎年出題されている超頻出テーマです。毎日、ちょっとでもこれらの問題を解いて、これらのテーマは本番においても確実に得点できるようにしておきましょう。

タイムマネジメント~得点効率の高い順番に取り組む

問題を1から順に解くなんて必要は全くありません。予測される消費時間に対して、期待得点が高い順に取り組みましょう。試験が始まったら、まずは与件文と設問に目を通したうえで、問題の難易度/解答に要する時間をイメージし、解く順番を決めることが肝要です。ポイントは記述問題は早めに取り組むこと、そしてNPVは最後に回すことです。

例えば令和4年度の事例Ⅳでは、①第1問の経営分析→②第4問の記述問題→③第2問のセールスミックス、④第3問のCVP/内外作区分→⑤第3問設問2、3のNPVの順番で解く、というのが定石です。

余程の会計エキスパートでない限り、NPVはラスボスとして最後に取っておき、部分点を積み上げる為の問題と位置付けましょう。間違っても、NPVの完答を優先して四苦八苦時間を使った挙句、記述問題を白紙で出す、、、なんてことのないように。(短時間で大きな得点を狙える記述を残すなんて、もったいないです!)

解く順番含め、全体のタイムマネジメントは体で覚えましょう。何度も繰り返して過去問を解いて、80分のタイムマネジメントの感覚を身に付けましょう

完答できなくとも部分点をもぎ取る。最後まで決して諦めない!

再現答案400枚以上を採点して確信したこと、それは計算過程や考え方を分かりやすく記載していれば、正答にたどり着けなくとも一定の部分点が加算されるということです。

よって、部分点積み上げのスキルを高めるべく、意識して訓練することをお勧めします。これができれば難解な「ひねり」要素が入ったCVPからも、想像しただけで気が滅入る計算が必要なNPVからも、部分点をもぎ取ることができるようになるはずです。。

この「部分点をもぎ取るスキル」について、詳しくは「ふぞろい16」をご参照頂きたいのですが、要点は以下の通りです。

 ①答えを導くためのプロセスをストーリーとして組んで、そのプロセス/要素を分解する

 ②分解したプロセスや要素毎にタイトル/キーワードをつける

 ③上記②にそれぞれ計算式を「配置」する

 ④計算式/答えには単位をできるだけ丁寧に書く

ひとことで言えば、試験官に自分の理解度をどれだけアピールするか、というのが肝要です。

また、④については、単位を書くことによって思考が整理されミス防止にもなりますので、計算式での各数字に単位を書いていくことをお勧めします。特に令和4年度では、月単位と年単位が問題文で混在しており、これにやられた受験生は多かった思います。かくいう私もその一人です。単位さえ書いていれば、月単位のCFに12カ月分掛けて年間CFに変換することを忘れる、、、なんてミスは確実に防げたはず。。。単位の有無が正答率に直結したと推察しています。

その上で何よりも重要なこと。それは最後の最後まで決して諦めず少しでも点数をもぎ取るという、不屈の精神です。例え、NPVの設問に未着手で、残り5分しかなかったとしても、計算過程の要素、例えば「減価償却費」や「初年度CF(初期投資額)」などに絞り込めば、正確に計算して解答欄に書き込むことが出来ると思います。

合格ボーダーライン上に多くの受験生が集まるのが国家試験です。僅か1-2点の部分点の獲得有無が合否を分ける可能性があることを常に意識してください。2次試験の直前期(1か月程度)においては、過去問に取り組む際、わからない問題や完答できない問題があった場合には、そこで諦めるのではなく、少しでも部分点を取るべく80分間フルにあがき続けることをお勧めします。わからない問題を最後まであがくのはとてもしんどいですが、最後まで粘り続ける精神力は訓練で養うことができると考えます。普段から、過去問には全力で取り組みましょう!

おわりに~NPVは捨て問か?

いかがでしたでしょうか? 

上記のアドバイスがすべて受験生に当てはまるかといえば、そうとは言えないかもしれません。もし、事例Ⅳは60点を目指すが40点超ならOK、というのであれば、どこかの予備校が言ってるように、NPVは捨て問とし、そもそも勉強しない、、、というのも選択肢としてはありえると思います。(この場合にはCPVは確実にとるべく、「ひねり」対策を多めにしておく必要があると思います。)

ただし、個人的には、今後中小企業診断士と名乗る予定であれば、NPVには確り向き合って頂きたいと思っています。どんなに受験生の正答率が低くても、毎年NPV問題が出題されるのは、中小企業診断士たるものNPVを確り理解して企業診断すべし、という中小企業診断士協会のメッセージであると考えられるからです。

NPVにおいて完答は必須ではありません。部分点をもぎ取る問題という位置付ければOKです。できる限り多くの受験生の皆さんには日々の演習でNPVに立ち向かって頂き、合理的な投資判断ができる診断士仲間として、いつかどこかで一緒に仕事をさせて頂きたい、、、と思っています。

はい、それではこれで事例Ⅳのアドバイスリレーはおしまいです。4日間に渡ってお付き合いいただき、ありがとうございました!

明日は「たくま」の登場、事例Ⅰのアドバイスリレーが始まります。お楽しみに!

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