ゆーきちのブログ、涙を誘いますね。彼の心優しさと聡明さは、きっとお祖母様からの贈り物なのでしょう。私達ふぞろいメンバーも、何かひとつでも受験生の皆様に贈り物ができるよう、全力サポート致します。
さて、オフサイド覚悟で梅雨前線から抜け出したい全日本の皆様こんにちは。この天気の上に刻一刻と近まる試験日に更に暗澹たる思いを抱えている受験生の方も多いことと思います。でも大丈夫。6月は物憂げだと、桜井さんだって言っています。試験があってもなくても、6月は憂鬱だし、冷やし中華は始まるし、人生は儚いものなのです。そして6月以外も平均的に憂鬱を拗らせている女・Tommyです。
根がネガティブなら葉もネガティブ、つまり根も葉もネガティブな私ですが、案外経済学を学んでいると明るい気持ちになることがあったので、今回はそれをテーマにお話し致します。
間違った知識をここで紹介してしまうことを避けるため、言葉の定義や解説はここでは控えます。「あれ、これはっきり思い出せないな」という方は各自テキストでお調べください。そしてもし私の考察が間違っていたら、自分を信じてくださいね。
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ふぞろい16メンバーのブログは2月20日スタート!
どうぞお楽しみに!
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目次
これはもう定番。殆どの方が学んだ瞬間、勇気が出るような内容ではないでしょうか。例えとしてはこんな感じ。あくまでもモデル例です。あたしンちの話ではありません。
さて、この妻T氏は思い煩うべきなのでしょうか。
例えば夫D氏は仕事で必要とするExcel処理を10分でできます。また、彼の得意料理アクアパッツァも40分で作り上げてしまうとしましょう。逆に妻T氏が同じExcel作業をするのには50分。加えて主婦として致命的な「包丁が怖い」という欠陥を持つ私、いや妻T氏は同じ料理を作るのに100分もかかってしまいます。
話だけ聞くと夫D氏が万能すぎて妻T氏は不要なのでは?と思いがちですが、診断士予備軍の貴方なら別の見解があることにお気付きですよね?
Excel処理 | アクアパッツァ | |
夫D氏 | 10分 | 40分 |
妻T氏 | 50分 | 100分 |
リカードの比較優位説に立つと「それでも妻は家で料理をしている方が全体としては効率が良い」ということになります。従って妻は堂々と
いくら千切りになっとらんって言われても、
私が家で料理ばしとく方が全体的にはよう回るとやけんね!
【翻訳】
いくら千切りになっていないよと言われても、
私が家で料理をしておく方が全体的には上手く回るんですからね!
と構えておけばよいのです。
誰しも得手不得手はあるものですが、全体で見れば必ず存在意義があるというこの説。国際貿易以外でも、思考に使えると思いませんか?リカード、ナイスです。
さて、お次は「相手をどこまで自分色に染めるか問題」です。ここでも架空の夫婦に登場してもらいましょう。
夫D氏は妻T氏に大小様々な不満や希望があります。人間誰しも、自分の思った通りに相手に動いて欲しいもの。しかし、相手だってそう簡単に言いなりにはなりません。相手には相手の考え方があり、衝突になることもあるでしょう。さぁ、どこまで自分の意見を主張することが経済学的には正しいのでしょうか。
以下の効用曲線を見てみましょう。これは夫D氏の主観的な効用曲線。部屋の片付けができているかに関しては小さなことなので例え叶ったとしても満足度は低めです。しかし長年密かに抱いていた「仕事を辞めて田舎に移住して自給自足の生活」は叶ったときの満足度は高いはず。これは「妻T氏と大きな衝突があったとしてもやりたいこと」になります。
つまり、夫D氏の効用曲線が【図表3】のようにはっきりしていた場合、この曲線の下になるような主張をすることは、合理的とは言えません。例えば【図表3】の中のお掃除マークがあるところを考えてみましょう。部屋が多少片付き自分の理想のモデルルームのような部屋になったとて、妻T氏と2時間も大喧嘩し、睡眠時間を奪われ、翌日の仕事にも影響し、果ては夫婦関係も悪くなるというのであれば、これは最適な行動とは言えません。
更に「お金」の替わりに「時間」を予算制約線として【図4】のように直線を加えてみましょう。縦軸を「使える自由時間の割合」とすると、人によって傾きが異なることが分かります。1日に12時間余暇がある人と、1日に2時間しか余暇がない人の「衝突にかけた1時間」というのは、残された「使える自由時間の割合」が違いますよね。赤のグラフは「時間に余裕があり多少時間を使っても自分が使える自由時間の割合が大きく変わらない人」です。一方緑のグラフは「忙しくて少しの時間のロスでも自分が使える自由時間の割合が大きく変わってくる人」となります。このグラフに因ると緑のグラフの人は、とにかく衝突時間は短くするのが吉ということですね。更にここには掲載していませんが妻の効用曲線も併せて考えると、どこが落としどころかも見えてくるはずです。
ご存知の通り、経済学では全て「トレードオフ」。主張にかける時間や労力、相手への負担は自分の満足度をそれ相応に高めるに値するものかどうかを、立ち止まって考えてみたらケンカ腰で相手に主張ばかりするのは逆に合理的でないことが分かるはず。また、理不尽に相手からケンカを吹っ掛けられて小さな主張を受け入れる羽目になったとしても
あん人忙しか忙しかって言いよっとにこがんこまかことば言うとか、
ホントは損しとるってゆーとに気付いとらんとやね。可哀そか。
【翻訳】
あの人忙しい忙しいって言っている割にこのようなことで小言を言うなんて、
本当は損しているということに気付いていないのでしょうね。可哀想に。
と思えれば「試合に負けて勝負に勝つ」も同然。得をしたのはこちらの方だと、心の中でほくそ笑みましょう。
最後はマクロ経済学から。当たり前のように思えても、詳細を覚えようとするとなかなか手間を要するこの法則。公式はご自分の記憶かテキストで確認してくださいね。
つらつらと公式を述べられた貴方に確認テスト。生産面から見たGDPに家事労働は含まれるでしょうか?
残念なお話ですが、答えは「含まれない」ですね。
専業主婦だった頃「家事労働はGDPの計算に含まれない」と学び「私って国の成長に寄与していないんだな」と少し切なくなった記憶があります。でもよーく勉強している貴方なら気付きますよね。ホワイトナイトな経済学の神は当時の私に何と声を掛けてくれるでしょうか。
そんなことないよ。だってキミは”消費”をしてるんだから
ですよね。そう、生産面から見たGDPでは計算に含まれていなくても、支出面から見たGDPでは、私が消費したものが全て「国の成長力」になるのです。それが「GDP三面等価の法則」。私が食べたパンへの対価が、製パン会社、製粉会社、包装会社、等々諸々の従業員のサラリーの一部になり、誰かの元に届いているのです。
そんな風に考えると、誰ひとりとして、無駄な人間などいないということが経済学的に理解できます。
仕事をしてないと社会に貢献していない気がする…
そんなことはありません。
生きているだけで、充分なのです。
2回連続でメンタル系の話をしてしまいました。繰り返しになりますが、私自身が基本的にネガティブで、後ろ向きで暗い人間なので、いつもいつも「どうやったら世の中の人のように前向きになれるのだろうか」と思案し尽くした結果が、これです。
試験の上での経済学は苦手でしたが、経済学の考え方そのものはとても好きで、励まされることも多かったです。個人的には、自己啓発本やスピリチュアル系の本よりも、気持ちが軽くなると思っています。そもそも、診断士の業務自体が「苦境に立たされている会社をロジカルに救出する」というとても前向きな仕事なので、私自身がそんな社長さんよりも後ろ向きにならないように、少しずつ性格を変えられたらいいなと思っています。効果は未知数ですが。
さて、いよいよ次回から、ふぞろい15メンバー総出のリレー企画が始まります。そのロケットスタートをかますのが、我らがリーダー・ソーイチ!試験日から逆算した結果、この企画のスタートが偶然にも改革チームリーダーというのは、運命の「見えざる手」に導かれている気がしますね。鬱陶しい梅雨場を爽快に駆け抜ける、ソーイチのブログを読みたい方は、次回、またこの場所でお逢いしましょう。
この季節が、皆様にとって忘れられない年の記憶の一部となりますように。以上、年百年中悪食雑食酔眼朦朧Tommyでした。皆様次回までご機嫌麗しゅう。
※本日ご出演くださった事例Ⅳチームの皆様、この場を借りて篤く御礼申し上げます。