こんにちは、多年度受験ナビゲ-タ-、「実年受験生の味方」リンフ(lingfu)です。1次試験まであと2か月を切りました。この時期、多年度受験生の方々の1次試験に対するスタンスは様々です。7科目か数科目か、はたまた2次資格を持ち1次はパスする等、2年目受験生同様であるばかりか、多年度の過ごし方で1次試験へのアプローチ方法も様々です。ふぞろいブログも、ストレート・2年目合格ナビゲーターは、この時期1次関連記事中心に、多年度ナビゲーターは2次関連記事中心に記載することとしています。
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今までの記事でリンフは、因果の「得点3要素」とは、
①解答として適切で優先度の高い因果を抽出・選択する。
②因果の得点3要素を踏まえ文章を作成する。
③解答として妥当な構文の中に因果を当てはめ解答を作成する。
「+1」とは、
④主に助言問題においては、その助言により期待する効果までを記載する
ということであると説明し、②・③・④に関する解説を行いました。
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そして今回は最後、残りの
①解答として適切で優先度の高い因果を抽出・選択する。
について解説を行います。
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「優先度の高い解答要素を考えるのは当たり前」、「それができないから苦労している」という声が聞こえてきますね。そう、「当たり前のこと」が問われる試験なのです。
現在ふぞろい8プロジェクトの合格者メンバー(ナビゲーターそ含む)達は、昨年ふぞろい8に再現答案を提供頂いた受験生のみなさん約180名全員の、各事例・各設問の解答への採点+コメント記載のフィードバック作業を進め、先日皆様のもとへ返送しました。リンフもある事例のとりまとめリーダーとしてコメント作成をさせていただきました。
また、リンフはある活動で、現在毎週10~20名の受験生の皆さんの解答(毎週1事例)への添削コメント記入を実施しています。採点と異なり、添削・コメント記入は実際の解答作成者の思考の中に入り込み、その流れを理解しなければ的確なコメントになりません。
従って、これを2時間余り受験生の皆さんの討議に参加しながらやると、その日は頭の中がグッタリするほどです。そして、多くの受験生の皆さんが今回提示する「当たり前のこと」を行わずに、「当たり前以上のこと」をしようとしていることを毎回目の当たりにしています(リンフもそうでした)。
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それでは実際に因果の選択の優先度を挙げて行きます。
①設問の要求に素直に応えていること
これは、優先度というより大前提と言えます。そして、設問要求を外した解答は、どんなにキーワードを捉え、与件文理解が高くとも得点にはならず、配点次第ではその年の合否を左右するくらいの「事故」となります。実際に、「理由」を聞かれている設問に「結果」を書いている解答がよくみられます。
②与件文に書かれている事実に基づいていること
これも、本ブログで「因果の因は与件文の言葉」として繰り返し書いてきた内容を反映しています。与件文から外れた因果は優先度を落とさねばなりませんが、例えば事例Ⅰで組織人事のキーワード盛り込みへの意識が強い場合などに、与件文からかい離してしまうケースが見られます。
以降は前提と言うより、優先度の高い因果の抽出法を記載します。
③社長の想いとしての事例企業の方向性を示すもの
一見、何を聞いているのか? なぜこの問いかけがここにあるのか? 捉えにくい設問が登場することがあります(そもそもこのように考えることが大事です)。この種の問題にあわてて解答を作成しようとすると、自分の知識や一般論を書き易くなります。このような時は、社長の想いを具現化するための事例企業の方向性を意識して因果を抽出してみましょう。
④設問間の関係から導かれるもの
事例問題は設問毎に細切れで作成はされていません。事例問題は、本来組織・人事、マーケティング、プロセス改善、財務をセットとして作成される「企業診断書」を想定し、1事例1企業として作成されていると考えられます。したがって問題作成上は、各設問が網羅的に関係しながら、事例企業の環境分析→課題抽出→問題改善→課題達成(事業革新)に至る道筋に各設問が設定されていると考えられます。この事を利用し問題と全体を俯瞰すると、抽出すべき解答要素を見つけやすくなります。例えば、環境分析で挙げた弱みはどこかの設問で問題解決がされなければならない、そのことで得た能力や元々持つ強みは、課題達成のために利用されるべきである、ことを念頭に置いていると、適切な因果を抽出し易くなります。
また、ある設問で課題を挙げさせた場合、後の設問でその達成を図る解答を答える(提案することになります。課題をあげさせたまま事例問題が終わることはまずありません。このことを利用すると、解答すべき因果を抽出し易くなります。
⑤切り口、MECEで考える
MECEとは、ご承知の通り、ロジカルシンキングにおいて、「モレなく、ダブリなく」を表します。多面的な解答を書こうとしてやみくもに因果を並べても、意図が通じにくい解答になります。問題作成者が意図する解答を表現するには、なるべくそれを広くカバーする解答にしたいです、このためには因果が「モレなく、ダブリなく」構成されていることが必要です。具体的には「切り口」を対極的に設定することです。例えば、「内部・外部」、「組織構造・組織風土」、「製品面・市場面」と切り口の視点を大きく振ることで解答がカバーする範囲が広がる、すなわち「多面的」になります。このことを利用すると、ある因果が解答要素として強く想起されるときに、切り口から他の因果を想起することができます。もちろん、与件文の裏づけが必要なことは言うまでもありません。受験生の皆さんは、「ふぞろい」などの解答例や模範解答から汎用的に使える切り口を整理・準備しておくと良いでしょう。
以上、優先度の高い因果の抽出方法について説明しました。
次回は事例の与件文にの表面的事象に惑わされずに、本質的に事例ごとに毎年問いかけるコアな論点をいかに体に覚えさせるかについて解説したいと思います。請うご期待!
◆◆ ふぞ8ブログ “実年受験生のための2次試験対応法” by リンフ(lingfu)◆◆
第1章 実年受験生の味方現る
・実年受験生の味方現わる! 多年度生合格ナビゲーター、リンフ(lingfu)です
第2章 実年受験生向け 2次試験に求められる思考法
・実年受験生の味方現わる! 多年度生合格ナビゲーター、リンフ(lingfu)です
第3章 実年受験生向け 実践的解答作成法
・実年受験生の実践的解答作成法② 因果の得点3要素+1(その2)
・実年受験生の実践的解答作成法③ 因果の得点3要素+1(その3)
↓↓イマココ
・実年受験生の実践的解答作成法③ 因果の得点3要素+1(その4)
第4章 実年受験生向け コア・ロジック理論とは
第5章 実年受験生向け 解答作成手順と事例集
第6章 実年受験生向け 試験本番への準備と本番での対応方法
(注:今後の内容については変更される場合があります)
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