【元生産管理から見た事例Ⅲ対策②】生産計画(生産管理)編

元生産管理
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こんにちは。社会人のスタートが生産管理だったミナトです。

前回の「技術・設備編」に引き続き、

非製造業で働いているため製造現場がピンとこない、という方々に向けて、

生産管理時代の製造現場経験から

事例Ⅲの重要な部分を解説していこうかと思います。

 

今回は第二弾、生産計画編です。

作業員

 

 

 

 

事例Ⅲ対策 

生産管理(生産計画&生産統制)は頻出

「生産管理」とは、

「生産計画」を立てて「生産統制」をすることです。

 

事例Ⅲの対策として、

「生産管理」(生産計画&生産統制)という論点はしっかり抑えておきましょう。

なぜなら、事例Ⅲに登場する企業は

「生産管理」ができていない企業が多いです。

いや、多いというかほとんど全ての企業が

「生産管理」できていません。

なかでも「生産計画」がちゃんと立てられていない企業は多いので、

今回はそれをテーマとしました。

(生産統制も非常に重要な論点ですが、今回は生産計画にテーマを絞ります。)

 

事例Ⅲを解く際には、

生産計画はしっかり立てられてる?

という目でも設問を見てもらえると、

問題点を見つけやすいと思います。

 

でも、ここまで読んで

「試験として頻出論点なのは分かったけど、

 生産計画をたてることがそんな大変なの?」

という疑問を持つ方も多いでしょう。

 

次項では、私の生産管理の経験から

生産計画を作るのがなぜ大変か?というお話をします。

それにより、製造現場のドタバタ感をイメージしてもらい

スムースに解答作成できるようになってもらえればと思います。

また、診断士になったあと、

製造業のコンサルがしやすくなってくれると嬉しいです。

 

生産計画をつくるのは難しい?

はい、とても難しいです。

 

私も生産計画つくってましたが、ほんと難しいです。

とりあえずなんで難しいのかをいくつか箇条書きにしていきます。

 

①需要予測が難しい

 生産計画を立てる前提として、

 需要予測を行う必要があります。(一部の受注生産を除く)

 この第一歩の需要予測が難しいのです。

 答えもないし、ほんとに当たらないので。

 過去のデータからたたき出す?どんな方法で?

 営業からの見込データ使う?顧客ヒアリングする?

 などと考えているうち、すべて投げ出したくなります。

パンク

 

 

 

 

 私は移動平均法や回帰分析で需要予測を出していましたが、

 中小企業(もしかしたら大企業でも)では「勘」で作っているとこは

 案外多いと思います。

 そう考えると、需要予測の手法も診断士の一次試験知識なので、

 すぐにコンサルに生かせそうですね。

 

②人員の配置が難しい

 計画をする際に、製造予定量に対して人員を配置します。

 上記は当たり前のようですが、これって

 作業が完全に「標準化」されており、

 「教育」によって作業員全員が同じように物が作れないといけないのです。

 そうしないと、人員配置から製造量が計算できないので。

 

 でも実際の多くの製造現場は、熟練の作業者の技術力で支えられており、

 いくら標準化・教育しても早々に同じレベルで製造することはできません。

 (忙しくて標準化も教育もちゃんと行えていない、

 というパターンも大企業ですら結構あります。

 私も作った計画を製造現場に持っていったら、

 「これAさん(熟練作業者)がいないから、この時間に作れないよー」

 と言われたことが何回かあります。

 (そのたびに作り直す大変さと言ったら・・・)

 

 こんな理由で生産計画をつくったはいいけど実行できなかったり、

 熟練作業員のスケジュールに合わせた非効率な計画になったりするのです。

 標準化と教育って大事ですね。

 

 

 

 

 

③材料調達との兼ね合いが難しい

 材料が入ってくるタイミングに合わせて製造を行っていかなければならず、

 材料のスケジュールに合わせるのも大変です。

 材料などの調達はサプライヤーである他社を管理する必要があるため、

 自社を管理するよりも難易度が上がります。

 人も設備もあるのに材料がなくて作れない・・・

 という計画にならないよう、サプライヤー管理を行わないといけません。

 

④設備停止や不良品がでる

 これは書いてある通りです。

 やや生産統制と関わる部分ですが、

 これで生産計画作り直しになると、つらすぎるので書きます。

 しっかり設備が止まらないよう、予防保全をしましょう。

 

とりあえずこんな感じです。

まだ大変な理由はありますが、事例企業をイメージするのは十分かと思いますし、

昔を思い出して胃が痛くなってきたのでこのへんで。

 

試験でどんな解答をすればいい?

以上のような形で生産計画は難しいのです。

なので実際の企業では

「生産計画がちゃんと立てられていないなら、ちゃんと立てればいいだけじゃん!」

と当たり前のことを言われても、上手くいきません。

その前提である、

需要分析や作業の標準化・教育などなどの

体制を整えないと上手くいかないのです。

 

ただ、上記はあくまで実際の現場の話なので、

試験対策としてはもっとシンプルで大丈夫だと思います。

事例Ⅲの試験で解答を書く際には難しく考えすぎず、

できていないことををしっかりする、と書きましょう。

たとえば与件文に

「納期に合わせた生産計画が立てられていない」

とあったら

「納期に合わせた生産計画を立てる」

みたいな解答ですね。

 

改めてですが、

ぜひ与件文を読む際は「生産計画をしっかりたてられているか?」を

頭のはじっこに置いてみてください。

そして復習の際には、なんで計画が立てれてないんだろう?

という背景まで考えると製造業特有の問題がつかみやすくなってくると思います。

 

以上、事例Ⅲが苦手な方に

少しでも製造現場がイメージできたら幸いです。

 

明日は、その異色の経歴から雑誌「企業診断」にインタビューされたNanaが登場です!

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