【元生産管理から見た事例Ⅲ対策①】「強み」としての設備・技術編

同友館
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こんにちは。新卒で初めてした仕事が生産管理だったミナトです。

事例Ⅲは非製造業の方から見るとイメージがつきづらいと聞きますので、

生産管理時代の製造現場経験から、事例Ⅲの重要な部分を解説していこうかと思います。

今回は第一弾です。

製造

 

事例Ⅲの製造現場の雰囲気がピンとこない人に

参考になれば幸いです。

 

元生産管理から見た事例Ⅲ

さて、生産管理の経験(とはいっても4年程度ですが)から事例Ⅲを見たとき、どんな感想を持つか。

 

それは、「ああ・・・こんな問題あるある」です。

起きてる問題などが、ほんとに製造現場によくあるな、という感じで

大変だったと思い出が頭をよぎり胃が痛くなってきます。

苦手な勉強

製造業をご経験されていない受験生の方は、

事例Ⅲを勉強することで製造業の独特な問題を経験できるかと思います。

 

 

事例Ⅲ企業(C社)はダメダメ?

製造現場で仕事をしたことがない方からすると、
事例Ⅲ企業の問題盛りだくさんのドジっ子ぷりに驚かれるのではないでしょうか。

 

上でも書いた通り、

事例企業だけではなく実際企業の製造現場でも似たような問題を抱えていることは多いです。

これはトレードオフになりやすいQCDに

4M(材料、設備、人員、方法)が複雑に影響しあっているという

製造業特有の特徴があるためだと思います。

そもそも「高い品質を低いコストで短納期で達成する」という目的って

難しすぎません?

これを達成するにはギリギリまで4Mを研ぎ澄まして高める必要があります。

普通は、こちらを立てればこちらが立たずという状態になりやすく、

そういった問題が多くの企業で噴出しているわけです。

ですので、生産管理はその問題処理でいつでもバタバタしています。

 

超有名なとある自動車メーカーさんは製造現場を日々改善するため

「渇いたぞうきんをしぼる」というちょっとドキッとする言葉をつかっていましたが、

製造現場のギリギリを追求している感を伝えるにはいい言葉だと思います。

(今は使ってないかな?)

 

生産管理時代に、渇いたぞうきんをしぼりながらひぃひぃ言っていた身としては、

高品質・低コスト・短納期を実現できている製造業は

不可能を可能にする魔法使いだと思っています。

できないほうが普通、とはいいませんが問題が起きやすい世界なのです。

 

 

製造業独特の強み、設備・技術

そんな製造業ですが、診断士試験でよく聞かれる「強み」も

少し独特です。

どの事例でも「強み」を聞かれることが多いですが、

事例Ⅲ企業(製造業)の独特の強みに

「設備を持っていること」「(製造)技術があること」があります。

 

 

まず、設備があることが強みなるの?と感じられる方もいるかもしれません。

生産管理時代にビビったのは、

製造業の設備ってめちゃくちゃ高いんですよ。

こんなの設備を一つ買うの大勝負だよ!みたいな値段なんです。

しかも、製造するモノや工程によって細かく設備が分かれていたり、

オーダーメイドだったりします。

自然と、ある程度の質と量の製造ができる設備を持つ企業って限られてしまい、

それはそのまま強みになるのです。

 

 

また技術も同様です。

ここで言う技術とは製造現場でモノを作る技術のことですが、

生産管理時代に、モノをつくるってこんな難しいんだ、

と驚きました。

 

例えば、その日の気温や湿度でも品質が変わることもあり、

製造作業員の長年の経験や勘でかなりの部分が埋められています。

なかなか手に入らない設備を使いこなして品質が高い製品をつくる

熟練の技術は、まさに企業の強みになるわけです。

先ほど書いた「高い品質を低いコストで短納期で達成する」という

矛盾したパズルを解く手段の一つが製造現場における技術だったりします。

 

 

事例Ⅲを読んだ際には、これらに強みがあるかぜひチェックしてみてください。

 

ちなみに、この設備と技術を持つのが大変というハードルが、

そのまま参入障壁になります。

生産管理時代にサプライヤーや競合を調べて、

同じものをつくれる設備・技術がある会社の少なさに驚きました。

製造業に長寿企業が多い理由の一つかもしれません。

 

 

設備・技術があれば生き残れる?

そんなわけで製造設備や製造技術はそれだけレアな資源の為、それらを持つ企業は、

生産管理や生産性改善みたいな難易度が高いことが上手くいってなくても、

短期的には結構生き残れたりします。

 

ですので事例企業でも実際の企業でも、なんとかその場しのぎでやりくりしていて、

生産管理などがしっかりできていない、というのは頻出です。

生産管理をしっかりやらないとQCDが上がらずに中長期的には生き残れませんので、

そこに注目しながら事例を読むといいと思います。

その辺はまた次回の記事でとり上げようと思います。

 

 

以上、ご参考になれば幸いです。

 

明日は、すでに診断士バッチを獲得したNanaの登場です!

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