「良い点を取るという罠」から抜け出すための、「試験を知る」とは?

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ストレート生合格ナビゲーターのとりっちです。

前回のポンポロの記事でなんだかすごい人のような紹介をされていますが、いたって平凡な人間です。

そんな平凡な私がこのブログでお伝えしたいのは「天才じゃなくても、戦略と努力でストレート合格はじゅうぶん可能である」ということですので、今回もその「戦略」についてお伝えしていきたいと思っています。

 

前々回の記事で、自分に合った勉強方法を見つけるためには、「自分を知る」「試験を知る」の2つが必要、ということを書きました。

これは勉強法のみならず、合格するための戦略そのものだと私は考えています。

孫子の「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」ですね。

 

「自分を知る」については前々回の記事で触れましたので、今回はもう一つの「試験を知る」についてお伝えしたいと思います。

 

 

さて、物事について「知る」ということには、様々なレベルがありますが…

皆さんは、中小企業診断士試験(診断士試験)についてどの程度「知って」いますか?

たとえば…、

 

実施団体、試験の目的、試験科目、合格水準、試験日程、受験資格、申し込み方法、出題範囲、免除制度、受験時の注意事項、受験者数と合格者数、合格率、合格後の登録手続き…

などなど。

こういった情報は、受験にあたってはほぼ誰もが最低限知っている基本情報ですね。

 

では上記以外に、皆さんは診断士試験について知っていることはどれくらいあるでしょうか?

 

その中には、自分で考えたり、経験を通じたりして知り得たことも多いのではないでしょうか。

そう、その先にあるのは、調べればすぐに分かるようなことではなく、「こういう試験制度であるということは、つまりこれが合格のために必要である」という自分なりの理解なのです。

「調べる」で得る知識の先にある、「考える」で得られる知識。

「気付く」や「見抜く」または「見い出す」という感覚。

それこそが、「試験を知る」ということだと私は思います。

 

そこに、「自分を知る」をかけ合わせることで、自分なりの、自分だけの戦略が生まれます。

 

そこには様々な解釈があり、無限のかけ合わせがあります。

予備校によっても合格のためのメソッドやテクニックは異なりますし、個人の得意不得意によっても異なります(前々回の記事で「前提条件が異なる試験においては、どれもが正しいやり方になりうる」と書いたのも同じことですね)。

 

よって、絶対的な答えがあるわけではありません。

たとえば私の場合は、1次試験においてこのように考えていました。

 

①自分を知る

・ 興味によって得意不得意の落差が激しく、平均的に良い点数を取ることが難しい。いわゆる優等生キャラではない。

・ 不得意科目ばかりにフォーカスするとモチベーションが低下しやすい。

・ 一方、得意科目に集中するとモチベーションも高まり、良いパフォーマンスを発揮しやすくなる。

 

②試験を知る

・ 1次試験は、7科目合計で最低60%が取れれば良い。

・ 苦手科目は「誰もが解ける問題」だけは絶対に落とさないようにして、40点未満だけは絶対に取らないことを目標にする。

・ 得意科目は「合否を分ける問題」はほぼ取れるようにして、70点を目指す。そのために、比較的難易度の高い問題の出題パターンを研究する。

 

「以上を徹底し、合計420点を超えれば良い。」

「強みを最大限生かし、克服しきれない弱みをカバーする。」

 

これが私の、「1次試験における、自分に合った戦い方」でした。

 

これは2次試験においても同じと考えます。

(2次試験については、また改めての機会にお伝えしたいと思います)

 

 

多くの人が、試験に対して不安な気持ちを抱えていると思います。

その不安の正体は、「自分」や「試験」についてまだ「知らないこと」があるからではないかと思います。

 

何よりも怖いのは、「(模試や演習などで)良い点を取ったから、もう自分は合格できる」と思ってしまうことです。

 

これは、「知らない」が生み出した罠です。

 

良い点を取れたのは、予備校の出題傾向やその試験での出題範囲がたまたま自分に合っていたからかもしれません。模試や演習は、自分の知っている知識と知らない知識、解ける問題と解けない問題を把握することや、試験の際の自分の行動や解答パターンを確立する、といった「自分を知る」手段としては有効ですが、「試験を知る」ことそのものではないと私は考えます。

例えば、出題範囲を予測するなどの対策には有効かもしれません。しかし、模試や演習を本試験と同じものだと解釈してしまう事には、大きなリスクがあるように思えます。

 

なぜなら、出題者が異なるからです。

 

予備校は、自らの解釈を通して模試や演習問題を作成しますが、その解釈自体が絶対的なものではないことは、ここまで読んでくださった方はすでに察しているのではないでしょうか。

 

このように、自分や試験についてよく知らないまま良い成績を取ってしまうことは、試験についてわかったような気持ちになり、思考停止の罠をもたらすリスクがあるように思えます。

 

そのような罠に陥らないためには、予備校の解釈をそのまま受け入れるのではなく、自分自身の解釈を通して、「自分」と「試験」の両方を知ろうとすることが必要なのでないかと思います。

 

勉強をしていく上ではテキスト、模試、演習といったさまざまなツールがありますが、そこでは「従う」のではなく「使いこなす」という発想が重要になってくるように思います。

次回は、その活用方法について考えてみたいと思います。

 

 

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