皆さん、おはこんばんにちは、うえちゃんです!
今回は、『ふぞろいな合格答案』の理念の一つである「不完全さの認識」について、私が考える本書の不完全な部分に触れてみたいと思います。皆さんが2次試験の学習において本書を活用する上で、知っておいた方がより合格に近づく内容になると思いますので、ぜひご一読ください。
目次
「このキーワードが本当に加点対象なの?」
『ふぞろいな合格答案』のふぞろい流採点基準で採点をしていて、こんなことを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これはあくまで個人的な見解になりますが、私は「本試験では加点対象になっていないキーワードがふぞろい流採点基準には含まれている」と考えています。ではなぜこういったことが起こるのか、それはふぞろい流採点基準は、合格及びA評価の解答に多く含まれるキーワードを抽出して、使われた数が多い順に上から並べただけだからです。私たち執筆メンバーは自分たちの思いを排除して、なるべく客観的になるようふぞろい流採点基準を作っています。そのため、本試験では加点対象になっていない可能性が高いキーワードでも合格及びA評価の解答に多く使用されていれば、ふぞろい流採点基準の上位になることがあります。『ふぞろいな合格答案』を活用する上で、この認識が重要になると考えます。
では、ふぞろい流採点基準のキーワードの中でどういったものが本試験で加点対象になっていない可能性があるか、そのパターンをいくつか紹介いたします。あくまで私が本書を執筆してきた中で感じた個人的な見解になりますので、ご承知おきください。
「過去問がこういう解答だったから」
自分が書いた解答の根拠として、このように説明する方がいます。私自身もそうでした。設問文から過去問の解答を想定し、与件文にはそんなことは一切書いていないのにもかかわらず、そのまま過去問からキーワードを引用して解答してしまうことがあります。俗にいう「過去問バカ」です。合格者の中には、解答が思いつかない問題に遭遇した場合にあえて文字数を埋めるため、こういったキーワードで解答することもあります。難易度が高く解答がばらつく問題では、こういったキーワードが上位にあることが多いので注意が必要です。
予備校の中には、1次知識に偏ったキーワードを書かせようとする予備校があります。「設問文(与件文)にこう書いてあったら、とりあえずこのキーワードを書こう」といったことを実際にアドバイスされた経験があります。これでは与件文を軽視した解答になってしまう可能性があります。特に事例Ⅰの人的資源管理の問題において、こういった解答が多いように思います。この原因として、人的資源管理の施策を考える上で「茶化」などの有名な切り口を盲目的に使用していることが考えられます。こういったキーワードは上位にはあまりランクインしませんが、下位の方にちらほら見受けられます。1次知識も必要ですが、あくまで与件文に寄り添った解答が重要です。
これは、本書を執筆する上で毎年議論になります。例えば、設問文に「客単価を向上させる施策を助言せよ」とある問題に対して、「○○して、客単価を向上する」と解答とした場合、この「客単価の向上」というキーワードを採点基準に含むかどうかといった議論です。私個人的には本試験の採点基準には含まれていない可能性が高いと考えます。ただし、解答の文章を因果で構成する上で「果」の部分にオウム返しのキーワードを使用することで、とても読みやすい文章になります。合格者の中には、採点者に自分の解答を分かりやすく伝えるために、あえてオウム返しで解答していることがあります。このような場合に、オウム返しのキーワードがふぞろい流採点基準の上位にランクインしていることがあります。
以上のとおり、「本試験では加点対象になっていないキーワードがふぞろい流採点基準には含まれている」可能性をお伝えしました。
ではふぞろい流採点基準の不完全さを認識した上で、どのように学習すればよいか。私が合格年度に重視した勉強方法をお伝えいたします。
本書の活用方法として、過去問を使用したセルフ模試後の採点に活用する方がほとんどだと思います。その際、ふぞろい流採点基準の上位のキーワードを解答に書けたからといって満足してはいけません。どのような思考(解答)プロセスで、そのキーワードにたどり着いたか復習することが重要です。私は過去問を解いた後、「設問文にこう書いてあったから→与件文のここを見て→このように解答した」もしくは「設問文にこう書いてあったから→(1次知識からこのようなことを想定して)→与件文のここを見て→(1次知識からこのようなことを想定して)→このように解答した」といった感じで、その解答(キーワード)にたどり着いた過程を復習するようにしていました。ふぞろい流採点基準の上位のキーワードが書けなかった場合には、合格者の思考プロセスを想像します。その過程に、過去問の解答(過去問バカ)や自身の経験(ポエム)等が含まれていたらアウトです。この復習を繰り返すことによって、本番での対応力を向上することができ、また本書の「不完全さ」を排除することができます。なお、このプロセス上、1次知識をどのように活用するかは、設問要求や時制などによって異なってきますので後日解説したいと思います。
いかがでしたでしょうか。私たち執筆メンバーは、2次試験の採点方法や模範解答を完璧に想定することは不可能であるとういう「不完全さを認識」した上で本書を執筆しています。このことは本書にも記載していますが、読み飛ばしてしまう方も多いと考え、改めて記事にしました。皆さんにもこの「不完全さを認識」した上で、本書を活用していただければ幸いです。
明日もタニッチの登場です(^_-)-☆
では、また!