こんにちは。ブログリーダーのタニッチです。
先週、「ふぞろいな合格答案episode13」が発刊となりました。
執筆メンバーと初めて出会ってちょうど半年が経過しました。感慨深いものがあります。
本日は今まで語られてこず、焦点の当たっていなかった「ふぞろいな合格答案」の制作過程の一部をお見せしたいと思います。
毎年執筆者が変わる中で、書籍の品質を落とさない運営方法や読者第一主義のコンテンツ作成の秘訣をお伝えします。
目次
改めて、本書の紹介をします。
【本書の概要】
本書は中小企業診断士試験2次試験向けの参考書です。
特徴としては昨年度の受験生が執筆を担当しており、執筆者が毎年入れ替わることです。
実際に2次試験を受験した受験生の再現答案を得点区分とあわせて提供いただき、集まったものをふぞろい流の手法で分析します。
そして、分析した結果に加え、試験直後の記憶が冷めやらぬうちに当日の解答プロセス等を詳細に記述したり、受験生時代に役に立った勉強方法などをまとめ、書籍の形にしています。
特に答案分析に関しては、合格+A答案に多く使われているキーワードをランキングし、「実際に合格した答案には何が書かれていたのか」がわかるようになっています。
【構成】
本書は4章構成です。第1章は巻頭企画、第2章は答案分析、第3章は再現答案、第4章が特別企画になっています。
メインのコンテンツは2,3章であり、それぞれの2年分のコンテンツをまとめた書籍が2年に一回総集編として発売されています。
【各コンテンツの概要】
第1章巻頭企画:
企画①:2次試験の実像・本書の活用法・・・読み飛ばしがちですが、読み返してみると役に立つこと書いてます。
企画②:試験合格の先、さらに先にあるもの・・・ふぞろい13から5名が診断士を目指した理由、勉強を通じて得られたものを紹介しています。
昨年度の12から5名がそれぞれの登録までの道のりと、1年間で起きた変化について紹介しています。
第2章答案分析:
各事例ごとに下記の構成となっています。
・与件文、問題文
・キーワード採点と合格者や様々な得点分布の再現答案
・事例の解説・・・先生、多年度生、ストレート生の3人のキャラクターによる会話調
・事例ごとの特集記事・・・各事例を分析した結果と過去の事例に共通する普遍的な解答方法を抽出して、合格答案を書きあげるのに必要な要素にまとめる企画を作っています。
第2章の最後には、苦手事例の克服法、ロジカルシンキングの方法をまとめた特別企画もご用意しています。
第3章再現答案:
ふぞろい執筆メンバー6人(属性も受験歴も)による80分間のドキュメント(実際の試験時の解答プロセスや心情の再現)、および再現答案、ふぞろい流採点と得点開示の差まで公開しています。
⇒自分の属性に近い、あるいは目標にしたいふぞろいメンバーを見つけて、良い方法を取り入れたり、しくじりを反面教師として頂ければ幸いです。
第4章特別企画:
高得点答案の解説や、適切な過去問の演習量について合格者にアンケートを取った結果や、読者アンケートへの回答といった勉強のヒントになる記事をご用意しています。
隠れ人気コンテンツ:ページ下の1行コラム。
クスっと来るものから、そんな文房具あるんだというものまで、本書を使用して勉強した休憩中に気軽にお読みいただけると思います。
口述試験終了後、2019年12月下旬都内某所
仕事や家庭を持ちながら、長い受験勉強から解放された、現執筆メンバーが集められました。
これから始まる執筆や診断士としての生活に期待を膨らませ、あるいは掛け持ちできるのか等不安を抱えながら執筆の手ほどきを受けました。
最初に説明されたのは、書籍及びプロジェクトの理念。
当たり前のように享受していたふぞろい流採点基準を、提供いただいた200人超の答案をもとに、自分たちで作り上げないといけない。
これから待ち受ける現実を思い知らされました。しかし、不思議と高揚感のようなものを感じていたのを覚えています。
冊子を開いたはじめのページ「はじめに」の直下にある文言です。
採点基準が公表されない2次試験、長年の実績でブランドがある程度構築されているとはいえ、自分たちの採点基準が絶対だと傲慢になるのではなく、本書をもとに受験生の方々が、試験を通して期待しているものを得られるようにお手伝いする意識が必要だと認識しました。
当日最も印象に残ったのは、
最年少のだいちが、「後世に語り継がれるような作品にできるよう頑張ります!」と自己紹介していたこと。
これは半端な気持ちで臨めないなと感じたのを覚えています。
各自の希望をもとに、役割分担をした後、それぞれの機能別チームごとに別れ、引継ぎを受けました。
制作の裏側をご説明するうえで、この制作プロジェクトはどのような組織構造になっているかざっと解説します。
通年で活動するのは次の二つです。
・事務局:出版社である同友館との調整や各種イベントの仕切り、経理に至るまで雑多な仕事全般
・ブログ・Twitter運営チーム:公式ブログ・Twitterの方向性や企画等とりまとめをしています
そのほかに、書籍執筆までを前半、それ以降の支援活動を後半とするとそれぞれ下記のように分かれます。
下記の5チームに全員が配属されます
答案管理チーム・・・メインコンテンツ、答案分析の基となる前年度受験生からの再現答案の管理、採点後のフィードバックを配信する役割
事例分析チーム・・・寄せられた再現答案を基に、本書のコアとなる第2章答案分析および各事例の特別企画を執筆する。
全員が必ず4事例のどれかに配属され、ピーク時は毎週2回ZOOM会議をこなし、答案分析の精度を高めていきます。
リアルの場では、数回しか会ってなくても、WEB会議を繰り返すことで不思議と家族意識が芽生えるチームもあります。
分析統括チーム・・・答案分析の品質保証を一手に引き受ける縁の下の力持ち。データ分析のスキルが高められるのではと、進んで引き受けました。
実際には、1つ1つの答案と各事例チームの分析結果を見比べ、ダメだしする、非常に泥臭い役割でした…
再現答案チーム・・・6人のメンバーが年末・正月を返上して、第3章再現答案パートを書き上げます。苦労を惜しまぬ姿に頭が上がりません…
企画チーム・・・第4章や第2章の特別企画、ページ下の1行コラムに至るまであらゆるコンテンツを企画する役割
後半は、セミナー班と広報班に分かれます。
コロナ禍で、セミナーはオンライン開催、また、広報も試験会場でのリアルの接触を自粛します。
例年のやり方の踏襲ができない中、執筆時以上に考えることが増えている状況ですが、この状況を楽しんでいるメンバーもいます。
動画編集スキルを高めるメンバーや、オンラインセミナーの要諦を学び、本業に生かすメンバーもいます。
このあたりについて、詳しくは、次回の記事で取り上げます。
長々と本書の紹介と、本プロジェクトの組織構造を書きつづってきましたが、初対面のメンバーが共通の目的意識と高い貢献意欲を持ってスムーズな組織運営ができた要因を2つ挙げたいと思います。
①ため口で話し、議論は常にオープン:
ふぞろいに受け継がれる、メンバー間ではため口で話す、議論や情報共有は全体が見える場で行うという組織文化は、最初は違和感があったものの、属性の異なる人と初対面で協力し合って書籍を作っていくには非常に役に立ちました。それっぽく言うと、フラットな組織で、活発なコミュニケーションが促されたことが要因だと考えます。
特にこの方法の有効性を実感したのは、2月の実務補修です。計5日間と時間が限られる中、コミュニケーションがうまくできるようになるまで若干時間がかかりました。ふぞろいプロジェクトの組織文化の優位性を肌身で感じました。
②フォロワーシップ:
我々には絶対的なリーダーがいて、引っ張っているわけではありません。
誰かの発信した「想い」に対して、各自が自分にできることはないかと考え、自発的に応えています。
お互いが何らかの仕事を持っているわけで、家族もいて生活を営んでいます。
その中で、人によりこの活動にコミットできる時間や熱量がばらけて当然です。
しかし、得意な分野と苦手な分野をお互いに理解し、支えあうことで不公平感も少なく円滑に運営が進められました。
この毎日のブログもメンバーに支えられています。
全体の場で、こんなことに困ってる、と発信すれば、必ず誰かが引き受けて解決してくれる。
本業では、こんな光景めったに見れないなと複雑な気持ちになります。
少し説明が長くなりました。ふぞろいができるまでの過程、執筆編は本日はここまでにします。
次回(2日後)は、セミナー準備・広報準備の裏側をお届けします。
明日は、事務局長、何でも屋のうえちゃんです。