皆さんこんにちは。成長目指して奮闘中!ストレート合格ナビゲーターのとっくんです。
突然ですが先日、某大手製造業(以下A社)の株主総会に行ってきました(最小限の単元株しか持ってないけど…)
そこで今回は株主総会について、診断士試験で問われることを踏まえながら書きます。
株主総会など会社法関連の内容は主に1次試験の経営法務の範疇ですが、2次試験も全く無関係とは言い切れないんじゃないかと思っています。
たとえば、過去の事例Ⅳでは次のような出題がありました。
【平成20年度 事例Ⅳ 第4問(2)】
Q.社長一族が過半数を超える出資を受け入れつつも経営権を維持するには、どのような方法があるか。40字以内で答えよ。
経営法務をしっかり学習された方、また普段の仕事で関わりのある方にとっては容易な問題かもしれませんが、2次の本試験でいきなりこのような変化球がくると、少なからず焦ってしまいませんか?
令和2年度は1次試験免除(2次試験のみ)という読者の方も、この記事を読んで「ああ、そんな内容もあったな」と気楽に思い出していただけると幸いです。
では、本題↓
<招集通知>
まず、総会の前に私の自宅へA社から招集通知が届きました。A社は公開会社であるため、株主総会の日の2週間前(短縮不可)までに招集通知を発送する必要があります。
ちなみに令和元年度の経営法務では、以下のような出題がありました。
【令和元年度 経営法務 第6問(1)類題】
Q. 取締役会設置会社(公開会社でない)のX社は、株主総会の何週間前までに招集通知を送る必要があるか?
ア 株主総会の日の1週間前
イ 株主総会の日の2週間前
ウ 原則として株主総会の日の1週間前だが、定款により短縮可能
エ 原則として株主総会の日の2週間前だが、定款により短縮可能
正解は、「ア 株主総会の日の1週間前」です。
取締役会設置会社のX社については、さらに「書面・電磁的方法のみ(口頭不可)」という条件もつきます。
また、令和元年度の財務・会計では以下のような問題も問われました。
【令和元年度 財務・会計 第5問類題】
Q. 会社法上の計算書類に関する記述として、最も適切なものはどれか?
ア 会社法上の計算書類には、株主資本等変動計算書は含まれない
イ 計算書類の作成と報告に当たっては、会社法の他に財務諸表規則に準拠しなければならない
ウ 公開会社は、計算書類に加えて連結計算書類を作成し、定時株主総会に報告することが求められている
エ 取締役会設置会社は、定時株主総会の招集の通知に関して、株主に計算書類を提供しなければならない
正解は、「エ」の選択肢です。
この問題は私自身、受験時に間違ってしまった問題ですが、私が受け取ったA社の招集通知には、計算書類として財務諸表(B/S,P/L)がしっかりと記されていました。
招集通知は受験する前の年も送られてきていたので、日頃からこのような通知にもアンテナを張っておくと、試験で正解を選ぶことができたのかもしれません。
<決議事項>
私が今回参加した株主総会で、A社の決議事項は、以下4つでした。
①剰余金の配当
②取締役の選任
③役員の報酬
④定款の変更
このうち、①~③は普通決議に該当するため、必要得票数として「出席株主の議決権の過半数」の賛成が必要です。
一方、④は特別決議であるため、「出席株主の議決権の3分の2以上」の賛成が必要となります。
A社では、書面での決議に加えて当日総会に出席した株主に承認の拍手を求めていましたが、前者は「過半数の承認が得られた」、後者は「3分の2以上の承認が得られた」とそれぞれ議長が区別して宣言していました。
<株主の権利>
株主の権利には、自益権と共益権があります。
自益権とは、株主が株式会社から経済的な利益を受けることを目的とした権利です。
一方共益権とは、株主が株式会社の管理や運営に参加することを目的とした権利のことです。共益権には、議決権の他、議案の提案権も含まれます。
A社の総会では、質疑応答の時間に株主から「中長期的な投資の内容を問う質問」や「広告費の具体的な削減目標の提案」など、さまざまな意見が発せられていました。
また、令和元年度の経営法務では以下のような問題が問われました。
【令和元年度 経営法務 第6問(2)類題】
Q. 次の記述のうち、最も適切なものはどれか?
ア、イ、エ 省略
ウ 株主の提案する議案が、実質的に同一の議案につき株主総会において総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られなかった日から3年を経過していない場合、その株主提案を拒絶することができる
正解はもちろん、「ウ」の選択肢です 笑
株主とはいえ、少数派の提案が繰り返し提案された場合は、会社側としても拒絶する権利が与えられてるんだな、と改めて意識しました
(ちなみに私はこの問題も間違えました ← 試験に全然生かせていない)
最後に・・・
私の受験生時代は机上の学習が中心で、知識を日常生活等の出来事と結びつけて考える機会が少なかったと思います。
ただ今回株主総会に参加してみて、学んだことを生活の中で改めて考えてみることは、理解を深めるために割と重要なことではないかと感じました。
今回は以上! 明日は、財務のスペシャリスト、ゆいの登場です、お楽しみに♪