1次試験の過去問は2次試験に活かせる?

同友館
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皆様おはこんばんにちは、うえちゃんです。
本日は、1次試験で出題された問題が2次試験ではどのように出題されるか確認してみます。
今の時期、1次試験の勉強でいっぱいいっぱいという方も今勉強していることが2次試験でどのように活用できるのか少し触れてみましょう!

まずは、1次試験と2次試験のそれぞれの目的を確認します。
以下は、試験案内からの抜粋です。

1次試験の目的
「中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定すること」
2次試験の目的
「中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定すること」

1次試験の必要な学識とは何でしょう? それは1次試験の試験案内に記載があります。まだ次年度の試験案内は公表されていませんが、過去の試験案内は公表されていますので、どんな学識が必要か確認してみてください。(第1次試験案内はコチラ)

次に2次試験に必要な応用能力とは何でしょう? こちらは試験案内には記載がありませんが、1次試験で学んだ学識を事例企業の診断に応用するということだと私は理解しています。2次試験の出題委員と受験生の共通の学識は「1次試験で出題されたことがある学識」と考えることができるのではないでしょうか。

それでは、実際に令和元年度第2次筆記試験の問題を例にとって、1次試験の問題がどのように応用されるか確認してみましょう。

令和元年度 事例Ⅰ 第4問(配点20点)
新経営陣が事業領域を明確にした結果、古い営業体質を引きずっていたA社の営業社員が、新規事業の拡大に積極的に取り組むようになった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で答えよ。

この問題は「組織文化」、「組織活性化」、「モチベーション管理」の学術に関する問題と考えられます。以下に、関連する1次試験企業経営理論の過去問(選択肢のみを抜粋)をピックアップしました。

平成27年度 第21問(組織文化の変容に関する問題)
オ 組織が成熟段階に達し、パラダイム・レベルでの深い組織文化の変革が必要な場合には、首脳陣の大量交代や組織構造の再編成などの方法が有効である

平成29年度 第16問(モチベーション理論に関する問題)
オ V.ブルームの期待理論によれば、モチベーションは将来に対する合理的な計算として捉えられ、特定の努力によって実現される目標の期待値と、目標を実現することによって得られる報酬の期待値の積×総和)として把握できることを提唱した。
  ※誤りの選択肢を正して記載しております(赤字部分:×総和→○積)

平成22年度 第13問 設問3(組織全体が抱えている問題点を改善する方策)
オ トップマネジメントによる方針決定と執行担当管理者の意思決定権限の所在を明確に定義する。

そして、令和元年度2次筆記試験の事例Ⅰ与件文にはA社が下記の組織・人事に関する施策を実施したことが書かれています。
・二代目社長が会長に勇退し、新体制が発足
・定年を目前にした高齢者を対象とした人員削減
・成果に応じて支払う賞与を実施
・自社のコアテクノロジーを「農作物の乾燥技術」と明確に位置づけ、それを社員に共有

どうでしょうか。1次試験の過去問と類似していますよね。このように1次試験の過去問をインプットしておくと、設問文を読んだ時点で「このようなことが与件文に書いてあるのでは?」と想定することができ、与件文から解答に必要なキーワードが探しあてることができます。

今の時期、1次試験の勉強をしている方が多いかと思いますが、過去問を解く際には2次試験で応用されるとしたらどのように出題されるか想像しながら勉強しておくと、2次筆記試験の学習にスムーズに移行できると思います。他の受験生とのアドバンテージになりますので、ぜひ実行してみてください!

明日はタニッチの登場です!恒例となったナゾかけもお楽しみに!

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