模試の成績が帰ってきて落ち込んでいる、そこのあなた!
大丈夫です。
私は昨年8月に受けた模試の成績が、下位20%でした。
一昨年の本試験でA評価をもらっていた事例1・2の成績まで下位20%なのを見た時には一瞬呆然としましたが、「これは、模試がおかしい。自分には実力がある」と思い込むことにしました。
結果問題なく合格しましたので、あなたも落ち込む必要は全くありません。
さて、「この直前期になって、何を今更」と思われるかもしれませんが、 今回は「2次試験の目的の再確認」です。
まずは、以下の解答例を読んでください。
「施策は、従業員満足度を向上させることで顧客満足度の向上に繋げ、リピート率をあげることである。これにより顧客生涯価値を最大化し、業績を継続的に改善する。」
これは3年前、各事例ともB評価しか取れなかった時の私の解答です。そして当時の私は、この解答の何がいけないのか、なぜ正しいことを書いているのにA評価にならないのか、全く判っていませんでした。またこれは、今回ふぞろいな再現答案を分析させていただく中で見られた、B評価答案の一つの典型でもあります。
この解答は、書いていることは全くもってそのとおりなのですが、2次試験の解答としては、成立していないのです。
なぜか?
それは、この解答が「2次試験の目的」にあっていないからです。
それでは2次試験の「目的」を診断協会のHPで再確認してみましょう。
1次試験:中小企業診断士になるのに必要な学識を有しているかどうかを判定することを目的とし…
2次試験:中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし…
つまり数学の試験に置き換えると、1次試験では「公式を知っているか」が問われているのに対し、2次試験は「公式を使って応用問題を解くことができるか」が問われている試験なのです。公式に、環境分析から導き出された「変数」を代入して、「この会社にとっての具体的な施策」という「答え」を導き出すことが求められているのです。
上記の解答例は、応用問題としての「式と答え」を書くべき欄に「公式」を書いてしまっています。代入すべき変数と、計算結果としての答えが抜けているのです。これでは1次試験の解答としては良くても、2次試験の解答としては、成立していないことになります。
この、1次試験と2次試験の「目的の違い」をちゃんと意識できていなかったという方、まだ間に合います。本番では、A社からD社まで4人の社長さんたちに「理屈を講釈する」のではなく、「具体的に何をするのかを助言する」ことができるように、しっかり修正して臨んでください。
いけしん@雨期に入り毎日スコールが降るタイ在住、でした。