こんにちは。宮崎から受験生を応援!独学ストレート合格ナビゲーターのシンゴ(自己紹介)です。
もう色々なところで言われているかと思いますが、1次試験、本当にお疲れさまでした!
見事合格された方は、残り約2か月、全力で頑張っていきましょう!
さて、本日はまず、記事の紹介をさせてください。
他サイトになりますが、2次試験対策としてぜひ読んでいただければと思います。
ふぞろい11の大阪チームリーダーであり、受験生支援サイト「一発合格道場」の執筆メンバーでもある だいまつ による記事です。
【永久保存版】平成29年度2次試験事例Ⅰ超高得点解答にみる2次試験合格のポイント!
実はこの記事、昨年度の事例Ⅰにおける私の再現答案(83点)、だいまつの再現答案(64点)、だいまつと同じく道場メンバーであるよこよこさんの再現答案(50点)を比較分析することで、2次試験合格のポイントを分析して解説してくれているのです。
幸運にも高得点を獲得することができた私の答案と、A評価・B評価の答案を比較分析することで、合格に必要な要素とは何か?を導き出すことに成功しています。比較対照することにより試験において真に評価の対象となった部分を見出すことができており、私も非常に勉強になりました。
気になるその要素とは…?
答えは、だいまつの記事をご覧ください。
「これから2次試験対策を始めるけどどういう答案を書けば合格できるのかわからない」という方は特に必見です。2次試験対策におけるひとつの軸を学び取ることができると思います。
では、本題を。本日は、私が2次試験(特に事例Ⅰ~Ⅲ)を解くにあたって最も重要だと考えていることを述べます。
それは、
与件文・設問文に書いてあることが絶対
ということです。
至極当たり前のことなのですが、相対評価である2次試験本番では、これを徹底できているだけで他の受験生とだいぶ差がつきます。
(※以下の解説は、あくまでもシンゴの個人的見解です。ふぞろいの公式見解ではありませんので、ご注意ください。)
去年の事例Ⅰを例にとって説明します。
(与件文・設問文は中小企業診断協会の中小企業診断士試験問題のページからどうぞ。ページ下部の、<第2次試験問題> 平成29年度 第2次試験問題 A 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ と記載のある箇所です)
第1問(配点20点)
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品をA社が再び人気商品にさせた最大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100字以内で答えよ。
第1問では、「最大の要因」と書いてありますので、要因は一つに絞って記載することが絶対です。
「リスク対策」と称して複数の要因を記載することを勧める解説もありますが、設問の制約条件から外れている以上、2つ目以降の要因に点数が入っていない可能性も十分にあると思います。
もっとも、ひとつに決め打ちすることが怖い心理も理解できます。しかしその場合でも、複数の要因を記載するのであれば、要因間に主従関係を付けるなどして形式だけでも一つにまとめるべきでしょう。それほど設問文は絶対だと考えるべきです。
与件文・設問文の記載>>>(越えられない壁)>>>受験生都合のリスク回避策
なのです。
また、第1問で目立つ制約は「最大の要因」ですが、他にも「要因の内容は『一度市場から消えた主力商品を…再び人気商品にさせた』理由でなければならない」(その他のA社の強み等を記載しても点数は入らない)といった制約もあります。この制約は、与件文から解答要素を拾い出す上で念頭に置いておくことになります。
次に、第3問を見てみましょう。
第3問(配点20点)
A社が工業団地に移転し操業したことによって、どのような戦略的メリットを生み出したと考えられるか。100字以内で述べよ。
第3問では、求められている解答の中心は「戦略的メリット」です。
「メリット」は分かりやすいですが、「戦略的メリット」となると分かったようで分からないような感じです。しかし、ここから逃げてはなりません。与件文からA社の戦略を読み解き、その戦略につながるようなメリットを拾い上げ、そのメリットがA社の戦略実現に資するものであることが理解できるような答案を記載しなければならないのです。
第3問では、工業団地移転による単純なメリットだけであれば与件文や一次知識などからなんとか書けるでしょうから、そこにとどまった答案が多かったものと思われます。そのような中で、題意に応えてきちんと「戦略的メリット」の形になった答案を記載することができていれば、それだけで他の答案との差別化を一気に図ることができたでしょう。
また、上では「工業団地移転によるメリットはなんとか書ける」と書きましたが、厳密に考えるとこれも「『工業団地に移転し操業したことによる』メリット」でなければならないという制約が付いていることを忘れてはいけません。
ここで、与件文における関連箇所を見てみます。
…2000年代半ばには増資して、手狭になった工場を、そこから離れた郊外の、主に地元の企業を誘致対象とした工業団地に移転させた。また、その新工場は、食品製造の国際標準規格である HACCP(ハサップ)に準拠するとともに、銘菓といわれたかつての商品に勝るとも劣らない品質や食感を確保し、現在の3種類のラインアップの焼菓子を日産50,000個体制にまで整備した。
いかがでしょうか。わかりやすいメリットらしき記載として、「HACCP準拠」「品質や食感の確保」「日産5万個体制の整備」といったものがあります。実際、これらの要素をメリットとして記載している答案は、合格・不合格問わず大量に存在しました。むしろ記載している方が多数派です(そのため、ふぞろいの解答ランキングでもこれらのメリットが上位を独占しています)。
しかし、よーく考えてみてください。「HACCP準拠」「品質や食感の確保」「日産5万個体制の整備」は、本当に「工業団地に移転し操業したことによる」メリットでしょうか?
これらはいずれも、新工場の内部で独自に行ったことであり、「工業団地」とは無関係ではありませんか?
言い換えれば、「工業団地」に移転せずにどこか別の場所に新工場を作ったとしても実現できるメリットではありませんか?
例えば、与件文にある「工業団地」に工場を立地する条件としてHACCP準拠が求められていた、といった事情が仮にあるとすれば、工業団地に移転するためにHACCP準拠が必要だったのですから、HACCP準拠は工業団地移転によるメリットだと言えるでしょう。しかし、与件文にはそのような記載はありません。他の2つも同じです。
このように、与件文を厳密に分析してみると、「HACCP準拠」「品質や食感の確保」「日産5万個体制の整備」といった要素は、確かにA社にとってのメリットではあるのですが、「工業団地に移転し操業したことによる」メリットではないため、第3問の解答要素としては的外れなのです。
(もっとも、合格答案に実際にこれらの要素を記載した人が多数おり、先ほどのブログ記事中にもHACCPを記載した上で79点を獲得されている方もおられたので、これらの要素に点数が配点された可能性が無いとは言えません。設問文も一応、「工業団地に移転し操業したことによる」を「メリット」を修飾する制約条件ではなく、単純に時制を表す語句に過ぎないと解釈する余地もないではないですので…。)
以上見てきたように、与件文・設問文に書いてあることが絶対 と一言でいっても、それを実現するには与件文・設問文の細部にわたった徹底的な分析が必要であることがお分かりいただけたと思います。
試験本番の限られた時間の中でできるだけ題意に応えた答案を書けるようになるために、普段の答案練習から意識していただければと思います。
なお、好評発売中のふぞろい11(同友館のページにリンクします)には、私の再現答案はもちろん、試験中にどのようなことを考えて答案を作成したかを記載した「80分間のドキュメント」も全事例分掲載されていますので、まだお手元にない方はぜひご購入の上、ご参考になさってください。
明日は、諦めないことがコツ!多年度生ナビゲーターまりぃの登場です。
お楽しみに!