皆さん、こんにちは。
診断士発アメリカ行き★ストレート合格ナビゲーター「ぬまっち」です。
秋の香りと共に、二次筆記試験がいよいよ来週末に近づいてきて、私の投稿は、二次筆記試験前では今回が最後になりました。
これまで、他のふぞろいメンバーそれぞれが、幅広くアドバイスを送って来ました。本試験前最後の私からは、四つの事例の中で自分が最も得意(得点開示結果82点)、かつ、ふぞろいでも分析を担当した事例Ⅱについて、ラスト1週間で少しでも得点を積み上げるためのアドバイスをさせていただきます。
●事例Ⅱの戦略
前回の投稿では、私が昨年受験した際の戦略を紹介しましたが、事例Ⅱは以下のとおりでした。
与件文に大量に転がる強み・機会をとにかく逃さない。B社の強みと結びつけることができるか実現可能性に無理がなければ、転がる機会すべてに対して提案。
一方で、回答作成にあたっては、全事例の中で最も表現に留意。提案や助言の幅広さだけでなく、その理由や期待効果を明確かつ丁寧に書く。
実際、この戦略は上手く行きました。さらに、ふぞろい10執筆のために受験生から提出いただいた約230枚の再現答案を見た経験も踏まえ、もう少し詳しくこの戦略を解説します。
●事例Ⅱのポイント1:拾う
四つの事例の中で、事例Ⅱの与件文は、一般消費者向けの企業の話であり、かつ、消費者に見える部分の描写を中心としていることから、最も読みやすい文章だと思います。しかし、その一方でスラスラと読み進めてしまい、回答作成のためにおさえておきたいポイントや要素を、つい逃してしまうことがあります。
では、そのおさえておきたいポイントや要素は何かというと、「B社にとってプラスなこと」です。ふぞろい10では、SWOT分析の活用について書いていますが、個人的には、(ストレート受験生は)厳密にSWOT分析までする必要はないと思っていますので、このようなざっくりしたイメージでいいです。B社の強みや個性、市場のニーズ(チャンス)、まだ実施していないもののB社ができること(能力)、これらすべてをまとめて「B社にとってプラスのこと」として捉えていきましょう。
イメージは、道に落ちているアイテムを拾っていく感じで、読み進めっていってください。実際にそのアイテムを回答で使うどうかは、後で考えればいいので、「何か落ちてないかなぁ」という感覚が大事です。
●事例Ⅱのポイント2:実現可能性のある「誰に」「何を」「どのように」
与件文を読み終えたら各設問で拾ったアイテム(B社にとってプラスのこと)を使っていきます。基本方針は、B社が今まで積み上げてきた強み、または有しているもののまだ発揮していない能力を市場のニーズやチャンスにぶつけることです。「B社にとってプラスのこと」を組み合わせていくわけですね。
この時に注意したいのは実現可能性です。いくら市場のニーズがあっても、B社に実現する能力が無さそうな提案や明らかに費用を多く要する提案は、書いてはいけません。例えば、B社の強みとは何の脈略も無い新商品開発などがこれにあたります。また、「誰に」「何を」「どのように」を意識して、ターゲットだけしか記載していない抽象的な提案も避けましょう。
(例)
△女性を狙った商品を投入する (誰に、しか書いていない)
〇女性向けに○○な商品を○○に販売する (誰に、何を、どのように、が明確)
●事例Ⅱのポイント3:因果関係
再現答案や先日のセミナー参加者の答案を見てよく分かったのですが、1つ目のポイントと2つ目のポイントについては、ある程度出来ていても、この3つ目のポイントである因果関係がしっかり書けていないことが最終的な合否を分ける要因の一つになっているようです。特に提案型の問題では、その提案による効果を記載することになりますが、その効果にたどりつくまでの因果関係をきちんと意識しておらず、ただキーワードを並べただけの文章は得点が伸びにくいようです。
これまでの私の投稿でも、何度か伝えてきましたが、「A⇒B⇒C(AをするとBとなり、結果Cとなる」、この流れを意識しましょう。また、売上=客数×客単価の関係も忘れないでください。いきなり売上が増えるのでなはなく、客数または客単価が上昇した後に、売上が増えるという因果関係もきちんと表現しましょう。
(例)
△認知度や客数、売り上げが上昇する (すべての要素が並列で因果関係が無い)
〇認知度が高まることで客数が増えて、売り上げが増える(A⇒B⇒Cと三者間の因果の流れが表現できている)
2つ目のポイントと3つ目のポイントを合わせると、事例Ⅱにおける基本的な解答の構成は、
「誰に、何を、どのようにすると、こうしたことが起きて、結果、B社にとってこんな効果がある」ということになります。
この解答構成をベースに、設問や制限字数に合わせて、調整をしていくことになります。制限字数が多ければ、提案や助言の幅が広がるため、複数の因果関係がこの中に入ってくることになります。
●まだ1週間以上ある!
以上が私流の事例Ⅱの戦略の解説ですが、新しい知識を取り入れる話ではなく、今のやり方を少しく変えるだけで、十分対応できる内容だと思います。このため、もしかしたら、「なーんだ。そんなことわかっているよ。」と感じられたかもしれません。しかし、特に本人は出来ているつもりでも、出来ていないことが多いのが事例Ⅱにおける因果関係の表現です。これまで自分が解いた過去問を見直してみて、キーワード(要素)は問題ないが、よく見たら因果関係がおかしい、または、因果がはっきりしていないものが無いか確認してみましょう。
残り1週間と少しで十分調整ができると思いますので、事例Ⅱの得点をあと10点は伸ばすつもりで厳しい目で見直してみてください。
明日はライフハックママ★2.5年生合格ナビゲーター「みゅー」の登場です。
みゅーからの二次筆記試験前最後のアドバイスをお楽しみに。
それでは、みなさんの健闘をアメリカからお祈りしています。
また次回、二次筆記試験終了後にお会いしましょう。