実年受験生向け 解答作成手順 ①出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解する

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こんにちは、多年度受験ナビゲーター、「実年受験生の味方」リンフ(lingfuです。9月12日(土)に、東京地区ふぞろい秋セミナーを開催しました。多くの受験生の皆さんに参加いただき本当にありがとうございました、アンケート結果を見る限り高い満足を感じていただけたようで、ナビゲーター・スタッフ一同大変うれしく思っております。一方、東京地区のみの開催であったこと、会場の都合もあり開催の告知後すぐに満席となってしまったことで、参加の機会を逃してしまった方も多かったことと思います。また、参加頂いた方の中からも「解答作成の考え方のイメージがつかめたが、さらに詳細を聞きたい」との声が多数あり、本ブログの中でもフォローしていければと考えています。

 秋セミナーにてふぞろいメンバーから提供したテーマメッセージは、全ての事例(Ⅰ~Ⅳ)において共通に、「「出題者の意図が分かっていますよ」と採点者に伝わる解答の書き方をすることが、合格のポイントです」でした。本ブログも、この考え方に則りつつ、「第4章 実年受験生向け コア・ロジックとは」から「第5章 実年受験生向け 解答作成手順」へと章を進めたいと思います。解答作成手順の項目立ての順番は秋セミナーの解説にて提示しました、

作成手順①    :出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解する
作成手順②    :出題者の意図に応える構文を選択する
作成手順③    :要求文字数に対応し、文字数を配分する
作成手順④    :反映すべき論点を与件に探しに行く・構文に反映する

とし、今回は作成手順①出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解するについての解説をします。

 その前にテーマメッセージである、「「出題者の意図が分かっていますよ」と採点者に伝わる解答の書き方をすることが、合格のポイントです」について説明します。「出題者の意図」を考えるためには、「中小企業診断士2次試験の意図」を考える必要があります。1次試験(多科目・選択解答式)、2次試験(4科目・記述式)、口述試験(面接式)の役割を考える時、1次試験が中小企業診断士に求められる基礎となる幅広い知識の定着度を問い選抜するものであることは明らかでしょう。

 一方、口述試験は合格率を見るかぎり、実際の診断現場に行ったとき、身なりや言動で明らかなコミュニケーション不具合を起こしうる可能性を排除するためのものであると考えられます。このことから2次試験実施の意図は、中小企業診断士として、「人・もの・金」に制約のある診断企業が持つ問題の「真因を分析」し、多忙な社長が「納得しすぐにでも着手できる提案」を行える実務能力を問い選抜するものであるだけでありません。時間の都合上数分程度の口述面接では見えてこない受験生のものの見方、誤解を恐れずに言えば「診断士として求められる人となり」を見る試験と言えましょう。例えば企業の入社試験において繰り返し行われる面接試験の目的の一部を2次試験は持っている、と考えるのが妥当と考えます。この辺については、実年多年度受験生の陥り易い罠として、本ブログの第1章・第2章に記載しましたので、リンクをご参照ください。

 従って受験生としては、出題者はこのような2次試験の目的と意図を踏まえて問題を作成していることを踏まえ、各事例・各設問における出題者の意図を理解することが必要です。そしてそのような理解を基に問題を解釈することで、出題者が期待する解答の的を大きく外すリスクを低減し、出題の意図に沿った解答であることをしっかりアピールする解答を書くことで、答案の差別化を図れることになります。これが、「出題者の意図が分かっていますよ」と採点者に伝わる解答の書き方をすることが、合格のポイントです」と我々が主張する理由です。

「作成手順①出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解する」

 1.脈解釈上で聞いていることの理解

本項目が第1番目に来る理由はもちろん時間的に最初に行うべきものであるだけでなく、重要度においても最も重要なものであるからです。問題で聞いていることに応えていない解答は採点するうえで、白紙の次に簡単に減点が可能であるばかりでなく、2論点のうちの1論点を間違えれば半分、論点の入り口を間違えれば0点となる、といったように大幅な減点をもたらすリスクが高くなります。1事例で2問この間違いを犯すと足切りとなる可能性が高く、それだけで1年間の苦労が消し飛ぶことになり得るからです。

従って、行うべきことの第1は、設問文を良く読み、文脈解釈上で聞いていることに応える解答を作成することです。ありがちな事例を分類すると、

  • 明らからか聞いていることと解答していることが異なる。
  • 時制がことなる
  • 「課題」に対して「問題」を挙げている

等があげられます。解答に当って聞かれていることに素直に応える解答にするためには、主語と述語を確定することが有効です。

・「理由を挙げよ」と聞かれたら、「理由は、~である。」
・「変化を挙げよ」と聞かれたら、「変化は、~になったことである。」

として、聞かれたこと以外の解答にならないように型にはめます。

 

2.制約を踏まえる

第2に制約を読み取ります。制約とは出題者が、解答作成上の方向を一定の幅の中に抑えたいという意図を持って設定するものです。従って制約を外した方向性の解答は大幅な減点のリスクが高くなります。解答に当っては、赤線を引き最大の注意を払い、解答に反映し、解答作成時にそこにチェックを書き入れることを自己ル-ルとすることで、漏れを無くします。

 

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3.様々な方向性との掛け合わせ

以上を踏まえても、設問の要求への対応を考えるだけでは書きうる解答は(図1)に示したように、色々な観点で解答が書ける状態にあります。従って解答の的を外すリスクを低減するためには、様々な方向からの方向性を掛け合わせて考慮することにより解答の方向性の精度を高めます。

例えば、

  • 設問間の関係性、解答のレベル
  • 事例の特徴
  • 過去問の傾向、中小企業の方向性

‘①を掛け合わせることで、書きうる解答の選択は狭まります(図2)、さらに②③と掛け合わすことで、書くべき解答の的がどんどん絞られ解答の方向性が出題者の意図から外れるリスクが下がっていきます

0917図①

0917図②

 

  • 設問間の関係性:

第1問の環境分析で強み・弱みが聞かれた場合、その強みを後の問題で使うような設問構成が頻繁に見られます。また、課題・問題を指摘させる問題を配置したあとにその課題達成、問題解決を図らせる問題設定を行うことも多いです。

また、要求されている課題がオペレ-ションレベルであった場合、他方で戦略レベルの課題の達成を要求する場合が多いです。

 

  • 事例の特徴:

事例Ⅰは「組織と人事」に関する事例と位置づけられています。よく題意が分からない問題であったり、つい与件企業の戦略対応を書きたくなる問題に対しても、一度この見方で考えてみることをお勧めします。切り口を組織・人事から導いた場合のほうが、より主題者の意図に近いケ-スが多いです。

 

  • 過去問の傾向、中小企業の方向:

「試験問題なのだから、「過去このような論調で出題されてきた」などと考えるのはおかしい」と思う方もいるかと思います。しかしながら、先に述べた中小企業診断士2次試験の目的を考えるとき、繰返し問われている論点が再度問いているケースは多いです。これは、「人・もの・金」等の経営資源が乏しい中小企業に対する国の施策の方向性として、「中小企業白書」等に記載されている論点と等しいものだからです。

 

以上、「作成手順①出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解する」ポイントについて記載しました。本番までにこれらを用いて、出題意図を外さない練習を繰り返していただければと思います。

 

明日はお待ちかねのアスカ先輩の登場になります!

 

◆◆ ふぞ8ブログ “実年受験生のための2次試験対応法” by リンフ(lingfu)◆◆伊

第1章    実年受験生の味方現る

              ・実年受験生の味方現わる! 多年度生合格ナビゲーター、リンフ(lingfu)です

第2章    実年受験生向け 2次試験に求められる思考法

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第3章    実年受験生向け 実践的解答作成法

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             ・実年受験生の実践的解答作成法② 因果の得点3要素+1(その2)

              ・実年受験生の実践的解答作成法③ 因果の得点3要素+1(その3)

              ・実年受験生の実践的解答作成法④因果の得点3要素+1(その4)

第4章 実年受験生向け コア・ロジックとは

              ・実年受験生向け コア・ロジック(事例Ⅰ)

              ・実年受験生向け コア・ロジック(事例Ⅱ)

  ・実受験生向け コア・ロジック(事例Ⅲ)

第5章 実年受験生向け 解答作成手順

               ↓↓イマココ

              ・出題者の意図(聞きたいこと)制約 を理解する

第6章 実年受験生向け 試験本番への準備と本番での対応方法

(注:今後の内容については変更される場合があります)

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