実務従事!そういうのもあるのか

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来る2023年1月22日は、いよいよ二次口述試験ですね。口述試験はよほどのことをしない限り基本的に合格すると言われてはいますが、体調を万全にして、前日はよく休養をとってください。


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ふぞろい16メンバーのブログは2月20日スタート!

どうぞお楽しみに!

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とにかく3年以内に15ポイントかき集める

晴れて口述試験に合格しても、まだ「中小企業診断士登録予定」です。「中小企業診断士」を正式に名乗ることはできないのでご注意ください。中小企業診断士になるには経済産業省の登録を受ける必要があり、そのためには実務補習実務従事で登録ポイントを取得して中小企業診断協会に登録申請を行います。

実務補習は中小企業診断協会が提供しており、実際に中小企業や商店街を訪問して経営診断の業務に携わります。5日コース(1社診断)15日コース(3社診断)の2種類があり、前者は5ポイント、後者は15ポイントを取得可能です。参加費用が発生しますが、企業診断に必要な技術や心構えなどが体系的に学べるので、一度は受講されることをお勧めします。

実務従事は、合格者が各自で診断先を見つけて診断業務にあたることです。診断先は知り合いの企業、個人事業主、勤務先、民間コンサル会社から紹介されたクライアント、NPO法人など、様々なパターンがあります。診断・助言の業務を行なうことで、1日あたり1ポイントを取得可能です。

結果的に15ポイント集まれば登録申請できるため、「実務補習を受けずに実務従事だけでポイントを揃える」「実務補習5日コース+実務従事10日で合計15ポイント」など、さまざまな組み合わせが可能です。ご自身の生活や、登録までのスケジュール感に応じて工夫してみてください。

ただし、登録は二次試験合格日から3年以内に行う必要があるため、合格直後のモチベーションが高いうちに制度について調べて動き始めるのが吉です。

登録ポイントの獲得:みっちーの例

①実務補習5日コースで5ポイント

中小企業診断協会が提供する実務補習は、5日コースを受講することで登録ポイント5点が獲得できます。2月開催の15日コースであれば一気に15ポイント揃いますが、1ヶ月以上のハードな戦いになるため、本業との兼ね合いや家庭・体力への負担なども考慮して、覚悟を決めて参加している方が多い印象です。

私は登録ポイントのうち5ポイントを、名古屋での実務補習(5日コース)で獲得しました。2022年7月開催のスケジュールで、「5日コース」とは言っても実質的には以下の通り1週間以上の実務です。

  • 開始前:指導員から事前資料が送られてくるので目を通す。
  • 初日:開催地に集合し、一緒に診断業務にあたる5〜6人のチームで顔合わせする。診断先企業に訪問してヒアリングや見学を実施。全体方針を話し合い、経営診断書の作成に着手する。
  • 2日目:経営診断書の作成を行う。追加で資料が必要な場合は診断先企業に提出依頼する。
  • 個人作業期間:各自の作業およびオンライン会議で作業を進めます。本業が終わってから、自宅で連日夜遅くまで報告書作成や打ち合わせを行うことになります。
  • 3日目:再び開催地に集合し、各自の成果物を持ち寄ります。ここで大幅な修正が必要になることもザラにあります(我がチームも3日目以降に修正に修正を重ねました)
  • 4日目:診断報告書を完成させて冊子に印刷します・・・が、スムーズに完成するのはむしろ少数派ではないかという印象です。5日目の早朝に印刷・製本するという話も珍しくありません。
  • 5日目:診断先企業に訪問して、診断結果をプレゼンします。

ブートキャンプのような実務補習を終えると、最終日に修了証明書をいただけます。この証明書の原本が登録申請に必要になるので、大切に保存してください。

②野生生物調査のNPO法人での実務で5ポイント

実務補修は非常に良い経験でしたが、本業と並行で進めること、飛騨から名古屋までの往復が発生することから、なかなか時間的な厳しさも感じていました。そこで残り10ポイントは、自宅で作業が完結するような案件を自力で獲得し、実務従事で揃えることとしました。

実務従事1軒目は、野生生物の生態調査を行なっているNPO法人。学生の時にボランティアで野外調査に参加していた時があり、その時にお世話になった方と個人的に連絡をとって実務にあたらせていただくことになりました。なお、NPO法人が実務従事先として認められるようになったのは比較的最近のことです。実務従事先として認められる要件もあるようなので、診断協会のホームページで最新の情報をご確認ください。

業務内容は野外活動ではなく、会計や法人運営に関する診断・助言・監査などです。調査地が遠いので現地に駆けつけられないのが少々歯がゆいのですが、こういった形でも調査に貢献できるのだなと視野が広がりました。ただ、野生生物調査はやっぱり現場に行ってナンボだとも思っているので、また現地にも行くつもりです。

実務従事の日数は、会議や診断業務にあたった実動日数をもとに5日とし、5ポイントを獲得しました。公的機関を通さず自力で実務従事先を見つけて業務にあたった場合は、協会のホームページからダウンロードできる「診断助言業務実績証明書(様式19)」に必要事項を記入し、診断先の代表者に押印をもらいます。この証明書の原本が登録申請に必要になるので、大切に保存してください。

③商品開発の実務で5ポイント

実務従事2件目は、個人的なツテで紹介していただいた商品開発案件。ある試験対策テキストのコンテンツ作成に関する業務で、オンライン会議やPC作業で完結するパートを割り振っていただけたので飛騨からも参加できました。

「コンテンツ制作への助言と実務」も、確かに事業全体を考えたり方針を話し合ったりといった診断業務と同様のプロセスが必要になりました。実務補習やNPO法人で得た知識が役立つ場面もあり、やはり様々な業種・業態を見ておくと勉強になるなと実感する経験でした。

実務従事の日数は、会議やコンテンツ作成業務にあたった実動日数をもとに5日とし、5ポイントを獲得しました。NPO法人の時と同様、協会のホームページからダウンロードできる「診断助言業務実績証明書(様式19)」に必要事項を記入し、診断先の代表者に押印をいただきました。

そして12月に登録申請

実務補習で5ポイント、実務従事で10ポイント、合計15ポイントを獲得したので、ついに2022年12月に登録申請を行いました。中小企業診断士試験合格から1年弱、特別早くも遅くもないタイミングのようです。

中小企業診断士の新規登録申請では以下の書類が必要です(一次・二次試験合格者の場合)。いずれも原本を揃えて、中小企業診断協会宛に送付します。

  • 中小企業診断士登録申請書(様式第1)(中小企業庁ホームページからダウンロード可能)
  • 中小企業診断士2次試験合格証書
  • 実務補習修了証書または実務従事の実績証明書(公的機関経由の紹介なら様式18、勤務先や個人のツテなら様式19、窓口業務なら様式20)
  • 住民票の写し

早く登録したから何か特典がある、みたいなことはありませんが、あまり後回しにせずに計画的に進めていきましょう。

まとめ

2月開催実務補習の予約は例年通り激戦だったようです。予約に乗り遅れて傷心中の方も多いかもしれませんが、「実務従事!そういうのもあるのか」と選択肢を広げて考えていただければと思います。

とはいえ、実務補習が非常に濃い勉強になるのも事実。協会から出される日程情報にアンテナを張り、予約をご検討ください。

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