アイは虚数

同友館
doyukan_logo

 けんけんの写真を見ると日本って意外と広いんだなと思いますね。でも今週はこちらも降りましたよ。視覚的には5㎝くらい積もったような感じでしたが、そのくらいだとすぐ土が混じってあまりキレイじゃないんですよね。悔しいけれど、白銀の世界には憧れがあります。いつか北海道行くのでけんけん、しの、待っててね~

 はい、という訳で皆様こんにちは。長崎の酒乱ゆき姫Tommyです。

 さて先日、世間の方でも「大学入学共通テスト」が終了し、一気に受験ムードが高まっていることでしょう。今回は、私が考える大学入試と診断士試験のリンクについてご紹介したいと思います。

 ちなみにタイトルは、複素数を習ったときに数学の先生の顔を見ながら思いついて今でも覚えているフレーズです。今回高校時代の勉強をテーマにするということで採用しました。それ以上でも以下でもありませんので深読みなさらぬよう。


==========================================

ふぞろい16メンバーのブログは2月20日スタート!

どうぞお楽しみに!

===========================================

センター試験のマークシート

 私は地元の県立高校出身なのですが、当時学校全体が国立大学偏重主義で私も先生たちの意向に流されるまま、3年生を迎えました。

 そんな国立大受験生のほとんどが避けて通れないのがセンター試験。今の共通テストです。おそらくこれを読んでいる読者の方はまだセンター試験の話をしても理解していただけると思うのでセンター試験で統一してお話します。

 このマークシート式試験が、私は大の苦手でした。日本史や生物といった暗記科目でさえ定期テストではそこそこ点が取れても、センター模試だと嘘のようにハズレばかりを引いてしまう。一体何でなんだろうとずっと考えていました。

 そしてその謎は解けないままセンター試験本番を迎えてしまい、結果は所謂「大事故」。結局志望校は受験すらせずに撤退しました。

何が、ダメだったのか

 その後、人生の折々で「どうしてあのセンター試験を突破できなかったのか」を考え続けました。考えたところで絶対に分からないだろうと考えていましたが、この診断士試験の勉強を通して、自分としての答えが見つかりました。それは「何のための試験なのかに考えが及ばなかった」ということです。

 センター試験で考えてみましょう。センター試験というのは基本的に国公立大学志望者を振り分けるための試験と考えられます。国公立大学というのは一部国が税金を投入して運営している機関です。今の私が払った税金の破片も、名前も知らない若者のために使われていることでしょう。ではどうして税金を使ってまで、国や地方自治体は大学という機関を設立し、若者を育成するのでしょうか。

 私が出した仮説は、国や地域がきちんと存続できるよう、将来そのリーダーやそれを補佐する役割になるべき人材に対して投資をしている、です。そしてその人材に値するかどうかを最初に選抜する機会、それがマークシートのセンター試験なのでは、と。

 その仮説で考えると、大学側はどういった若者に大切な将来を託せる能力を見出すのでしょうか。私がもし人選を頼まれたら、単なる一問一答の知識があるだけではなく、持っている知識を使って、そこから問いの答え、もしくは自分なりの考えを持てる人材を将来のリーダー候補として選ぶでしょう。何故なら、それがリーダーに必要な資質の一つだと思うからです。

 思えば、私が定期テストで暗記科目の点が取れていたのは、定期テストは一問一答的な問題が多く出ていたからだったのです。定期テストはどれだけ勉強したことが身についているかの確認であり、更には成績評価の基となるため、努力した生徒に分があるような仕組みにせざるを得ません。つまり、センター試験と定期テストでは、実施目的が全く違うのです。それなのに、同じ試験と括ってしまい、同じような勉強で臨んでいたから、マークシートなのに全然点が取れないという状況に陥っていたのだと思います。

何のための診断士試験か

 話を診断士試験に戻しましょう。当たり前の話ですが、診断士試験は将来診断士としてやっていけそうな人間を選抜する試験です。では診断士にはどのような能力が求められるでしょうか。国公立大学は国や地域のリーダー候補を育てるためではないかと考えましたが、診断士も中小企業のリーダーをサポートするという意味では、似たような能力が求められるのではないでしょうか。そう、戦術レベルではなく、戦略レベルで進むべき道を決定できる人間を求めているのです。

 そう考えると、診断士試験の多くが一次試験と言えども一問一答で解答できるものというより、知識をツールに正解を導き出せるかを試すような問題を出してくるのも納得がいきます。いやいや、一次試験なんて一問一答みたいなものだ、と思えるスーパーな人もいるのでこんなことを宣うのは甚だお恥ずかしいのですが。

「つながり」を意識する

 それに気付いてからは単に一問一答で終わらない暗記の仕方はないかを考え始めました。その時思い出したのが、それも高校時代、日本史のA先生がおっしゃっていた「情報カード」(またの名を「京大カード」)を利用した学習です。

 当時、A先生がおっしゃっていたのは

  • このB6サイズのノートに納まるくらいにテーマをたて、ポイントとなる事柄をまとめる(例:化政文化)
  • カードの順番を自由自在に変えることでまとまりやつながりを意識して記憶する

といったことでした。しかし脳味噌シングルレーンの私は、①のまとめを作ることで満足してしまい、ただのミニノートが完成しただけに終わりました。本来の目的は、もうお分かりですね?例えば文化は文化でカードを横で並べてみる、あるいはこの事件が起こったときに同時並行的にどんなことが起こっていたのか上下に並べてみる、歴史的事実の因果関係を時系列で並べてみる、等々そういったピポットが必要だったのだと思います。

大人の勉強ツール

 あれから20年近く経ち、再び受験生となった私は何度も失敗を繰り返した挙句、このカード式勉強法の意義がようやく解ったのです。

 さぁやってみよう、と言っても、大人の私は勉強だけで日暮せるほど時間的余裕があるわけではありません。

 そこで使い始めたのがEvernote。本当はOne Noteの方が完全無料で良かったのですが、Evernoteにはこの勉強法を行うときに、どうしても外せない機能がありました。それが「タグ付け」です。

 合格年の一次試験は企業経営理論だけの受験でした。4回目の受験であり、始めたのが5月からだったので、過去問を回すことだけに注力したのですが、そうすると全体像が見えないというデメリットがあると感じました。そこで、過去問で解けなかったトピックをEvernoteに簡単にまとめ、そこに関連するタグをつけるようにしました。例えば「コンティンジェンシー理論」を1ページにまとめ、そこには「リーダーシップ」というタグをつけておく。そうすると、全体の中でこの単語はどの分野について問われているかが分かりやすくなってきました。更にタグの内容自体も、全体の中でどのような位置づけなのかをテキストの目次で確認すると、より迷子にならずに済みます。

 タグの良いところは検索までできる点です。タグで検索することで、関連事項を紐づけて理解することができました。つまり因果関係や並列関係など「つながり」を意識したインプットができたのです。一次試験と言えども「~~という理論の名称は何か、次の5つから選べ」「答え:A.コンティンジェンシー理論」といった問題はあまり出ません。コンティンジェンシー理論がどういった内容か、だけではなくどういう流れの中で発生し、どんな変化を及ぼしたか、他の理論との違いは何か、など多面的に考察する必要があると感じます。その中には、テキストに記載のないものもあります。そういったときに「自分で知識を獲りにいく」という姿勢もこの試験では求められているような気がします。

 ちなみに、タグに関してはいつの過去問で出題されたかもタグ付けしておけば、過去問を複数回回すときに復習がしやすくなるというチップスもあります。

 合格年の企業経営理論は出題傾向が変わり、易化したことが最大の理由だと思いますが、これで無事合格点を取れた私は二次試験でもこの方法を応用しました。以前紹介したExcelと併用することで、より問題を捉えやすくなったような気がします。

まとめ

 わざわざツールを使わずとも、このような思考ができる方が多いのかもしれませんが、私が5年間診断士受験生をやってきて辿り着いた方法がこれでした。診断士試験は、一般的なテキストに載っていないことが多く出題されることもあります。そのような問題には対応しようがないのですが、少しでも正答率を上げるために応用が利く演習をしておくことが必要ではないかと思いました。ただ問いと答えを合わせるだけでなく「何が知りたくてこの問題は問われているのか」を意識し、関連知識まで興味を持って復習または検索すると、そういった初見の問題にも勇気がもてるのではないかと思っています。

 以上、長く書き連ねてしまいましたが、決してこの勉強法を推奨する訳ではございません。受験勉強はご自身の判断の下、自己責任にて行っていただきますよう、お願い申し上げます。

 さて、次回のブログは、ピスタチオ・ソーイチです。この1年、彼がいなければクリアできなかったミッションがいくつもありました。3時間の対談を終えて以来、何か一線を越えたような感覚があるのは私だけなのでしょう。そんなソーイチのブログを体験したい方は、またこの場所でお逢いしましょう。それでは…

王子様調けんけん
王子様調けんけん

皆様、次回までご機嫌麗しゅう!

あーもう、またとられたっ!!

小人D
小人D
「この記事が参考になった」と思った方はクリックをお願いします!
SNSでフォローする