受験ヒストリー最終回!と素人メンタル小噺

同友館
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 受験勉強を空港ラウンジに例えるゆーきちのセンス、貴方も何だか飛べそうな気がしてきませんか?私も空港や駅は大好きです。面倒くさがりなので旅行自体はそんなに好きではないのですが、エコーがかった雑踏と自分の踵の鳴る音。それを思い出すだけで胸が高鳴りますね。鰻の広告をおかずに白飯を食べるような楽しみ方ですが、なかなかオツなものです。

 さて、そんな旅人にとって常にファイナルディスティニー・長崎からTommyです。今回はいよいよ「受験ヒストリー最終回」の予定だったのですが、今、どうしても伝えたいことがあるので終了5分前に入るCMのような感覚で別のお話を差し込みます。


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ふぞろい16メンバーのブログは2月20日スタート!

どうぞお楽しみに!

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メンタル、大丈夫?

 少し前の話になりますが、夕食後にぼーっとテレビを流していたら、NHKの「クローズアップ現代」という番組で「アスリート“心のSOS”」という特集が組まれており、ついはまって観てしまいました。

 もちろん、私はアスリート並みの努力はしていないですし、だとしたらそれは単なる怠け者や弱音だと非難されるかもしれません。でも、診断士の受験期間中、私自身はこれらのアスリートの心情とやや近いものがありました。そんなものは関係ないと思われる方は読み飛ばしていただいて構わないのですが、少しでも「あ、こんな感情になったことある」と思われた方は他人の経験談としてお読みいただければと思います。

 私がこの長きに渡る受験期間中、最もプレッシャーに感じたのが、前回のブログで書いた4回目の一次試験、つまり企業経営理論単独で受験した2021年の夏でした。その時は常に片手に離婚問題を抱えている状態で、ただでさえ精神が不安定な時期でした。「もしかしたら私は誰にとっても必要のない人間なのかもしれない…」そんな思いが頭を過ることもある中で、更に「たった1科目も受かりきれなかったら、私は本当に価値のない人間なのではないか」と思い詰めてしまうことが多々ありました。学生時代から試験という試験にプレッシャーを感じるタイプで家族に迷惑をかけたので、この年になってまで老いた父母を心配させる訳にもいかず普通に振舞ってはいましたが、「こんなコロナによるチャンス、逆になければよかったのに」と思うほど苦しく、もう受験会場に行くのをやめようかと何度も考えました。

 もし、こちらのブログを読んでいらっしゃる方の中で、そういう苦しい思いを抱えている人がいたら、「診断士試験だけが自分の価値ではない」ということを今一度再確認していただきたいと思います。当たり前のことですが、目の前のことに夢中になるとそのことを忘れます。

 いつかまた別の機会にお話することがあるかもしれませんが、私はありがたくも診断士に運だけで合格でき、でもだからといって人生に前途洋々な未来が開けたという感覚はありません。もちろん、そのお陰でこのふぞろいメンバーにも出会うことができ、やはり心の片隅には「資格保有者である」ということが自信になっている部分はあります。でも、だからといって私の根強い自己否定感が取り去られた訳ではありません。「この資格さえあれば私は変われる」とまで思っていましたが、今は周りのすごい人たちや責任ある仕事内容を目の当たりにし「私には無理かもしれない」という想いもあります。いつまで経っても、やっぱり私は私でしかないのです。

 もしあの一次試験で59点だったら、今頃私はどうなっていただろうと思います。合格できた今、振り返って考えても、きっと自暴自棄になって、大きく道を反らしていたような気がします。そしてあの頃の自分に「そんなになる必要ないよ」とどんなに声を掛けても無駄だったでしょう。でも、そんなことになるかもと思うくらいなら、本当は試験なんか受けない方がいいと思います。どんなに技術が素晴らしくても、アスリートのメンタルに向いていない選手がいるように、受験生になるのにも向き不向きがあると思います。そのメンタル面を努力で乗り越えられる人もいれば、乗り越えられない人もいる。たとえ乗り越えられなくたって、貴方が全て悪い訳でも、貴方の全てが悪い訳でもありません。

 あくまでも私はメンタルに関してはド素人ですので、私見でしかありませんが、私以上に辛く苦しい気持ちになる人がいませんように。

2021年8月~2022年1月・福工大の奇跡

合格した年の二次試験でやってよかったことを紹介予定

 はい、CMの後もまだまだ続きます。

 さぁいよいよ最終章。とはいえ、住んでいた家から飛び出したような状況で実家に帰ったため、二次試験の教材は全て手元にありません。わざわざ関東の家まで取りに帰るのも嫌だし、段ボール2箱分の教材を夫に送ってほしいと連絡するのも嫌。結局「今年は来年のための前哨戦」と捉え、元の家にあるものと重ならないようなテキストだけ3冊ほど購入し、試験勉強を始めることにしました。

 しかしここで出会ったのが野網美帆子さん著書のkindle本「まとめシート」シリーズ。これが私に合っていました。これまで掴めなかったコツがようやく少しずつ掴めるようになり「やっぱり今年からフルスロットルでいこう」という気持ちになりました。詳細は別途ご紹介できたらと思います。

 ここでも色々な感情がありましたが、また後日お伝えすることにして、2021年11月7日「行くぞ福工大(福岡地区の受験会場)、待ってろA社」流れるアイーダ凱旋行進曲。以下、省略。

 そして年は明け、迎えた運命の2022年1月14日。筆記試験合格者の中に番号があったときには、喜びとも感動ともつかない、逆に頭が真っ白になってしまうような感覚を味わいました。「受かったら絶対泣くだろうな~」と思っていましたが、信じられなさ過ぎて涙も出ませんでした。合格通知が届くまで、半信半疑すぎて喜べなかったというのが受験狂騒曲のカデンツです。

まとめ

 皆様、この長編ヒストリーに付き合っていただき、誠に誠にありがとうございました。短期間でスマートに合格したけんとみほのような人もいる中で、私のように紆余曲折ありながら合格した人間もいるということが、読者の皆様の中にいるごく一部の方にでも響いて欲しいという想いで書きました。

 私は、結局運がよくて合格できた人間だと思っています。正直、そのせいでふぞろいメンバーと話していても圧倒的な能力の差を感じ、落ち込むことの方が多いです。分不相応な資格を取ってしまったのかもしれません。

 ただ、この試験の受験者層として30代の方が多いと思います。それぞれ仕事や家庭を抱え、思い通りに受験ができないことも多々あるでしょう。特に女性は、その特有の身体的機能により更に人生をコントロールしにくい環境にあると思います。

 結果論ではありますが、私が唯一自分を褒められる点としては、やはり「受け続けたこと」だと思います。今思い返せば何かとお騒がせな生活の中で、そしてメンタル最弱な私でしたが「どうしても諦めきれない」という気持ちだけが、60点を超えていたのだという気持ちしかありません。「諦めなければ夢は叶う」なんて言う気は毛頭ないですが、難しい環境でも、奇跡は起こることもあります。

 そして今、私と同じように試験をプレッシャーに感じたときには、自分がどうしたいかを一度深く考えてみてもいいかもしれません。もし「やっぱり挑戦したい」という気持ちが少しでも強ければ、「挑戦したい」という気持ちだけに正直になってもらえたらなと思います。「挑戦すること」を理想とすれば、たとえ失敗しても理想の自分に近づいたということです。逆に、これ以上精神的負荷をかけてしまったら自分がもたないかもしれない、と思ったときには、諦めるのもおかしくないことだと思います。人生の一破片を他に譲っただけで、人生の全てが破壊する訳ではありませんし、自分を全否定する必要もありません。理想を何に設定するかで、課題は変わってきます。課題が分かれば、すべきことも見えてきます。くれぐれも、私のようにはならないように。事実としてあるのは「受けなければ、受からない」それだけです。長期間ご清覧ありがとうございました。

 さぁ、明日は大好評!「受かりたい人は読んでいる」ソーイチの『オレ流』シリーズ後編です。

 前編を読んでいない方はまずはこちらからご覧ください。

 

え~っ!このコンテンツをタダで提供しちゃって、社長、ホントに大丈夫ですかぁ?

とTV通販のコメントを口走ってしまうような内容の濃さ。はっきり言って読まなきゃ損!

 ちなみに言っておきますが、ソーイチは『オレ流』なんて言うようなビッグ・ボスではありません。自分のことを「僕」と呼ぶ、あくまで紳士なリーダーですので勘違いなさらぬよう。

 今回はシリアスなお話になってしまいましたが、以上『自分のことを「僕」と呼ぶ30代男性の色気を十五の春から知っていた』でお馴染みTommyでした。それでは皆様、今後益々温暖湿潤が強まってきそうですが、次回までご機嫌麗しゅう。

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