こんにちは。2年目生合格ナビゲーターはらっちです。
二次試験まで残り5カ月。ストレート生の多くは、一次試験に集中する時期です。一次試験を受ける予定のない2年目生は、この時期だからこそ、単に事例を解くだけではなく二次試験の基礎力を固めたいところです。
二次試験の基礎と言えば、やはり「読む力」と「書く力」。そのうち「書く力」は、時間がかかるうえ、一次試験の勉強では身に付きにくいという点で、1年目生と2年目生で特に差がつきやすい部分です。
一次試験向けには「勉強法メモ」「やる気メモ」、二次試験向けに「切り口メモ」「模試準備メモ」といろいろなメモを紹介してきましたが、今日は二次試験で必要な「書く力」の向上に役立つ「漢字メモ」を紹介します。
はらっちは、「書く力」が特に弱く、次のような悩みがありました。
・解答欄に文章を書く段階になって、筆が止まることが多い
・解答欄の前半で字数を使いすぎてしまい、後半が窮屈な文章になる
二つの悩みに共通する原因は、語彙や表現方法の少なさにあると考えました。解答を書く段階で表現が思いつかず時間がかかりすぎたり、書き直したりすることが多いと、焦りを生じ不注意を招くなど、二次試験の成績が安定しません。語彙や表現方法の少なさを補強するために作ったのが「漢字メモ」です。
以下の解答例を見てください。
<解答例1>
開発内容を、実現容易性や短期的な利益を優先した観点から選択したため。
<解答例2>
開発内容を、実行することが簡単かどうかや、すぐに利益が出るかどうかを、他よりも先と考えて決めたため。
この二つの解答例は、意味は一緒ですが、解答例1は35字。解答例2は50字の文章です。もちろん、解答例2のように平易な表現でも、因果関係がつながる文章であれば問題ないのですが、どちらも無理なく読める文章なら短い字数にこしたことはありません。仮に100字の回答欄の問題だとすれば、解答例2は2つしか書けないのに対し、解答例1は3つの切り口を書くことができます。
ふぞろいでは、得点アップのためには切り口の数を多く、多面的な解答とすることをオススメしています。再現答案を分析していても、因果関係は問題ないが一文が長く、もう少し端的にまとめて異なる切り口で一文を追加できればより高得点につながったのでは、という解答が多かったことが印象的でした。これは、6月20日(土)発売予定の「ふぞろいな合格答案8」を読んでいただくと、より実感してお分かりいただけると思います。
ですから、限られた字数で説得力のある文章を、短い時間で書くには、やはり語彙や表現方法を数多く持つことが不可欠です。そういう意味で、基礎力を高めたい2年目生は特に、「漢字メモ」を作り、「書く力」を高めていってはどうでしょうか。
以下は、はらっちの「漢字メモ」から、事例Ⅰでよく使う漢字リストです。
<戦略系の問題でよく使う漢字>
どうなってる:杜撰、煩雑、払拭、顕著、顕在、潜在、頻繁、激化、緩慢、阻害
どうする:繋げる、捉える、促す、掴む、把握、模索、勘案、逡巡、留意、展開
どうしたい:進捗、盤石、永続、確保、活用、慎重、整備、摘要、可視化、
<人事・組織系の問題でよく使う漢字>
表彰、醸成、抜擢、浸透、情緒、報酬、報奨、伝播、絆、意思疎通
事例Ⅰの企業は、必ず何らかの戦略的・組織的な問題を抱えていて、それを理解・分析し、改善提案をする。という流れになりますから、ある程度パターンが決まっているといえます。そうした場合に使う漢字のパターンも決まってきます。
一例をあげると、競争が「激化」する中、「煩雑」な業務に負われ、「杜撰」な経営となり、売上低下が「顕著」である。といった具合です。「煩雑」や「顕著」は使う頻度が高いわりに、本番では意外と思い出せず、「はんざつ」とか「けんちょ」とか、ついついひらがなで書いてしまうことが多い漢字です。
また、「コミュニケーション」という単語をよく使うと思います。しかし、回答欄の後半になるほど使いにくい単語でもあります。9文字もありますから。そんなときには、「意思疎通」です。これを知っているだけでも、現場での対応力がかなり違ってくると思います。
ただし、漢字を多用し文章が圧縮しすぎると、切り口の数は確かに増えるのですが、切り口の数を増やせば増やすほど、切り口ごとの内容が薄くなることに注意してください。AKIRAで例えると、力の使い過ぎで巨大化するテツオのようなものです。
また、不自然な漢字の多用は読みにくくなり、詰め込み回答と取られると良い印象を与えません。先ほどの例でいくと「開発内容を実現容易性と短期的利益優先で選択」のように漢字だらけになりますが、解答例1と比べると読みにくいのがお分かりいただけるでしょうか。
つまり、切り口の数と切り口ごとの内容の濃さはトレードオフの関係にありますが、漢字は長文を一言で示すことができ、その懸隔を埋めることができます。しかし使いすぎは禁物です。中国語のような文章になってしまわないよう、状況に応じて適度に使いましょうということです。
さぁ、明日はすぎっちのイラストブログです。二次試験でイラストを描く問題が出たときは、すぎっちのイラストを参考に描きましょう。
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