H24年事例II分析速報(再現答案早期ご提供者 限定公開です。申し訳ありません)

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ふぞろいな合格答案に再現答案をご提供いただいたみなさま
ふぞろいな合格答案プロジェクトチームです。
先日は、試験で大変お疲れのところ、再現答案の作成およびご提供、ありがとうございました。
分析速報を公開させていただきます。
分析対象の再現答案は100枚です。
分析は事例2のみになります。たいへん申し訳ありませんが、ご了承ください。
なお、この速報をご覧になって、
「私が再現答案で書いていないキーワードの解答数が多い」
と感じるキーワードが見つかり、不安を感じるかたもいらっしゃるかと思いますので、補足します。
下記分析に使用した、早期ご提供分の再現答案の合格率は平均的な合格率より若干高いため(昨年実績では、約半数のかたが合格)、
限られた文字数に効率的にキーワードを盛り込むテクニックに長けていたり、空欄が非常に少ないという特徴があります。
そのため、解答数はやや高めに出ているとお考えください。
ですので、下記の分析に一喜一憂すると言うよりは、書籍執筆前の分析初期段階のデータとして、あくまで参考にとどめていただければ幸いです。


■事例2の概況
事例2の概況ですが、水平・垂直統合の取り違えや、コーズ・リレーテッド・マーケティングの知識の有無など、小さな判断の違いが大きな違いに繋がる問題構成でした。
以下、分析情報詳細です。


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①「誰に、何を(どのセグメントにどのような製品を)」
にあたる解答では、全国・県内・X市内の3セグメントに提供した製品について、各セグメントとも約半数の受験生が解答していました。
しかし、上記3セグメント全てを盛り込んだ解答は、2割程度弱、図中③)でした。
②どのように(製品提供するにいたった方法)については、伝統的製法、共同開発、市場調査とも回答した受験生は少なめでした。
その他の特徴
・与件文に解答に使用するキーワードが多く含まれていた問題
・設問の要求が明確であった
→受験生毎の解答のばらつきが少ない
・解答文字数が80字と少なかった点が難しい問題でした。
→盛り込んだ要素の数に差が出ている


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Z社と提携したプライベートブランドの開発を記載した解答が6割を超えており、回答のばらつきが非常に少ない問題でした。
提携先のメリットについては、来客数の増加については5割弱、来客数の増加の要因である競合(スーパーやディスカウントストア)との差別化まで触れている解答は若干少なく、4割以下でした。
<補足:水平、垂直を「逆」に解答した割合について>
設問1,設問2はかなりばらつきが少ない設問でしたが、垂直・水平統合について、逆の解答を行ったという受験生の感想があったため、確認しました。
いわゆる、逆の解答とは、下記の解答です。
 ・再現答案の多数はおよび受験機関の模範解答
  設問1:Z社との提携、設問2:Y社との提携
 ・逆の解答
  設問1:Y社との提携、設問2:Z社との提携
いずれも約1割の解答が、逆でした。
(注:どちらが逆で、どちらが正しいかについては、現時点では合格発表前なので正確には不明です。しかし、受験生の多数解答と、把握している範囲の受験機関すべての解答例が揃っているため、逆という表現をしています)


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提携先と提携内容(Y社と高品質な乙種焼酎を共同開発したこと)について記載した解答が、6割を超えていました。
連携先のメリットについては、Y社の製品ラインナップの補完について多く(約8割)解答されていました。


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(設問1)
・コーズ・リレーテッド・マーケティングの具体的な活動内容に関する解答を盛り込んだ再現答案は4割から5割程度でした。
・「コーズ・リレーテッド・マーケティングの知識の有無で差がついてしまう問題構成だったのでは」と受験生の間で話題となっていた第3問ですが、用語の定義と関係が弱いと思われる解答※は、4割程度でした。
つまり、コーズ・リレーテッド・マーケティングを知っていたか、推測により関連した記述をしていた解答は6割程度であったと考えられます。
 ※例:ラベルやカメに関する説明やX社・Y社との提携内容など。


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(設問2)
コーズ・リレーテッド・マーケティングの効果に関する記述は4割が解答していました。
地域貢献や商店街復興に関する記述により、80文字というやや少なめの文字数を使い切る解答が多かったようです。
そのため、コーズ・リレーテッド・マーケティングによる顧客への影響や、売上向上への直接的要因まで回答に盛り込んだ再現答案は2割程度でした。
また、地域貢献や商店街復興と顧客への影響の併記、もしくは地域貢献や商店街復興と売上向上の併記をしていた受験生は1割強でした。


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2つ答えよ、の問題でした。
2010年の事例2のように、限られたキーワードについて、多くの組み合わせバリエーションが存在するのではなく、解答の方向性自体が複数存在し、同じ方向性の解答は概ね同じキーワードを使用していた印象です。
①最も多い回答の方向性は、陶器事業者と連携し、瓶や器を開発する、でした。
②寄付金を増額する解答の方向性は、与件で明示的に触れられていた商店街の復興と関係性が明確であることもあり、多くの受験生が回答していました。
ただし、受験機関の解答例ではほとんど見られない解答でした。例えば、問題文にある、「提案」の解釈によっては、寄付金の増額はすでに実施している活動の延長線となるアクションに該当することから、提案にあたらないという見方も考えられます。
③地元ブランドの認知度向上を目指す提案の実現方法は、イベント出店が多数派でした。
④地域住民の認知度向上の実現方法において、受験機関などではセオリーとされることがある工場見学は、やや少数派でした。
⑤Z社、Y社を通じた地域ブランドの全国アピールは、再現答案では少数派でした。対照的に、複数の受験機関の模範解答に含まれていました。原因は不明ですが、「地域における企業ブランド強化」という問題文を読んで、限られた制限時間内に情報発信の対象を地元だけでなく全国まで広げて検討できた受験生は少なかったと考えられます。
■合格・ABCD評価のご確認について、ご協力のお願い
解答内容と合否の相関関係は現時点で不明です。
詳細な検討は執筆の段階で実施し、現時点では、解答数の傾向分析のみのご提供になります。申し訳ありません。
なお、執筆の際は、再現答案が合格されたかたのものか、あるいはABCDいずれの評価であるかを参考に、より詳細な分析を行います。
そのため、合格発表後に合格・ABCD評価を伺うご連絡を差し上げる予定ですので、何卒、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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