「実年受験生のための2次試験対応法」 -平成28年度試験に向けて(2)-

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こんにちは、多年度受験ナビゲーター、「実年受験生の味方」リンフ(lingfuです。新年明けましておめでとうございます。そして先日2次口述試験の発表がありました。合格された皆さん、本当におめでとうございます。長い期間を診断士試験合格のために費やしてきたことと思います。1次・2次試験の長丁場を経て合格された皆さんは、実務補修もしくは相当する実務従事を15日間実施することにより、晴れて正式に中小企業診断士として官報に掲載のうえ登録されることになります。

もちろん、皆さんが理解されている通り、重要なのは診断士になることはなく、診断士になって何をするかです。診断士登録後は膨大な情報に接することになりますし、そのすべてに対応することは不可能です。自らの「志」に基づいて何が重要かを今のうちに考えておくこと、その情報を少しでも収集しておくことをお勧めします。

今回もまた、残念ながら2次(筆記)試験に不合格であった方への平成28年度試験に向けたメッセージを書きたいと思います。

 

 

前回当ブログにて、「結果をまず受け入れる」こと、その上で自分が「変えるべき点」を分析のうえ抽出し、改善のための実施事項に落とし込むことが必要であることを書きました。昨年の2次試験前に当ブログで書いてきたように、受験生の皆さんの「読む・考える・書く」の中で一番改善が必要と考えるべきは、「読む」ことと考えます。「ふぞろい」や他の受験指導において見て来た数多くのB、C評価の多くは「正しく読めていない」ことが原因となっているように見えます。

 

「読む」ということは他律的な行為のため、多くの方は「考える」「書く」についての改善に頭が行きがちです。しかしながら、合格者の方々が進む実務補習やその先の企業診断で徹底的に言われることは「社長の言葉を聞く」ことです。正しく聞けていないヒヤリング結果を元にどのような分析を行おうとも、どのような提言を行おうとも、社長の耳には届きません。社長がまず聞きたいことは、第三者の専門家の目に映った自社のオペレ-ションの姿です。その事実を正しく整理されて聞かされることで、事業の専門家である社長に新たに気付きが生まれ改善の種が具体的に形づくられます。

 

 

試験においては、分析・提案が解答項目になるので、前述の通り「考える」「書く」に目が行くわけですが、設問者が問うている解答の的は、「正しい読み取り」がないと捉えることはできません。特に、最近の出題では、事例企業のオペレ-ションの複雑さが増しています。平成27年度の事例Ⅰにおいて事例企業は、長年の事業変遷のなかで関連子会社を分社化したり、事例Ⅱにおいては事例企業ではなく商店組合が対象となり、企業としては捉え難い記述となっていました。平成26年度の事例Ⅲにおいても事例企業は大企業の下請けでありながら業務移管を受け、相手企業との連携を意識したオペレ-ションを行っている様子が描かれています。そして、これらのオペレ-ションを正しく捉える必要があります。

 

 

平成28年度の2次試験への挑戦を開始する皆さんには、是非「読み方」のトレ-ニングを実施して頂ければと考えます。

  • 文節ごとに区切り線を入れ、言葉を読み流さないように読む。
  • 1文毎に連想される関連知識をできるだけ抽出し書き下す。
  • 日本語的に注意すべき言葉を意識する(逆説語、最近、近年…)
  • 重複して出現する言葉を意識して線で繋ぎ、重複語を介した意味の繋がりを捉える
  • 事例企業のビジネスモデル図を描く
  • 事例企業の時代変遷を意識してまとめる

 

そして、できる環境であるならば、数人の受験生が集まって「読み方」の解釈をアプトプットし合うことをお勧めします。2次試験は正解のない試験であるため、「新たな切り口の気付き」をいかに沢山得られるかが得点力アップに繋がります。その意味で首都圏に在住の受験生は勉強会の活用も検討されると良いと思います。

 

明日はお待ちかねの「詰め込み女王」アスカ先輩の登場です、乞うご期待!

 

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