医師が中小企業診断士を取得するということ。

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どーもこんにちは、えとえんです。

他のふぞメンが口述試験の対策を書いてくれている(※ただしおみそは除く)ので、

今回はフリートークしたいと思います。

「中小企業診断士は業務独占がないから取得しても無意味」派と

「業務独占がないからこそ裾野が広く戦える」派がX上で激論を交わしているのをよく見ます。

個人的には「中小企業診断士は独占業務を持つ資格と組み合わせるととてもつよい」派なので、

今回は独占業務の塊である「医師」と中小企業診断士の組み合わせについて、お話したいと思います。

ブログラストに近いので、刺さる層は少なめ、でも刺さる層にはかなり刺さる話題です。

気になった方は続きをどうぞ!

業務独占とは

業務独占資格とは、国家資格の分類の一つで、

その資格を有するものでなければ関わることを禁じられている業務を、

独占的に行うことができる資格のことです。

弁護士や公認会計士など、よく知られているものから、

職業訓練指導員など、少しマイナーなものまで、多種多様です。

実は、運転免許も業務独占資格なんです(調べるまで知らなかった)

中小企業診断士は、独占業務がなく、名称独占資格です(名乗ることができるのは有資格者のみ)

そのため、独占業務をもつ社労士や税理士と比べて、仕事に直結しにくいのが現実です。

経営コンサルタントとして唯一の国家資格なのですが、

経営コンサルタント自体は名称独占資格では無いので、誰でも名乗れてしまうので、

中小企業診断士ならでは、という強みを打ち出しにくく、独立が難しいと言われています。

正直、診断士になりましたが、その点ではしんどいなー、というのが本音です。

この点においては、「取得しても無意味」派の意見が一理あると認めざるを得ません。

業務独占の塊、医師免許

さて、翻って医師免許を見てみましょう。

こちら、皆さまのイメージ通り、業務独占の塊です。

どれくらい業務独占があるかというと、「医療に関わるものほとんどすべて」です。

厚労省の出しているこの資料を見ると、医師のみが行うことのできる「医行為」はほとんどすべての医療行為を包含しています。

調剤は薬剤師の業務独占となりますが、但し書きにあるように、患者が希望すれば調剤可能です。

患者が希望しないで調剤することはほとんど無いので、実質すべての医療行為が可能です。

実際、医師であれば独立も容易いですし、医師免許があれば基本的に食いっぱぐれることはありません。

「じゃあ、医師免許だけでいいじゃん」皆さんそう思われたでしょう。

しかし、社会保障費の高騰が叫ばれる世の中では、医療に邁進するだけでは立ち行かないのもまた事実であり、

来るべき少子高齢社会に向けて、医師も経営や経済など、学ぶ必要があります。

医師はカモネギ扱いされやすい

医師は小学校〜高校までは受験勉強に明け暮れ、

大学では医学教育と、失った青春を取り戻すべく部活に勤しみ、

卒業後は基本的に病院にこもりっぱなしなので、

一般社会の商習慣については疎いことが多いです。(良し悪しは別として)

そのため、概して契約書を読むのが苦手であったり、各種ローンなどはどんぶり勘定になりがちです。

最近はそういった点も勉強されている先生方が多いので、状況は変わりつつありますが、

ワンルームマンション投資に研修医や専攻医が嵌められる話は令和の世でも耳にします。

開業医の先生でも、開業コンサルタントの唆されて、高い家賃で大きな土地を借り、

使いもしない高い医療器具を購入して、患者が来なくて夜な夜な当直バイトをする人もいます。

このように、医師は老若男女、騙されやすいのです。

もちろん、医師は人を疑わないという善性によるものではありますが、

それに加えて経済や商習慣にふれる機会が少ないことも影響を及ぼしていると考えられます。

とはいえ、医師は病院以外のフィールドにおいそれと出ていけいないのもまた事実です。

近年では、外銀やコンサルに転職する方が増えていますが、

続けることができるのは東大や京大出身の一握りの人です。

極稀に飲食店をやる方も聞いたことがありますが、絶滅危惧種レベルの珍しさです。

そもそも、別フィールドに出なくとも、医師は十分稼げていたんですよね。

しかしながら、診療報酬の削減や、骨抜きになった働き方改革など、

医師を取り巻く環境は必ずしも明るいとは言えません。

そのため、医師以外の武器も取得する必要があると考えます。

医師×中小企業診断士は攻守に優れる

そこで、重要となる武器の一つが、中小企業診断士だと、私は考えます。

中小企業診断士は業務独占はありませんが、

1次試験範囲が経済学や経営法務、簿記など多岐にわたり、医師に足りない知識をまるっと学ぶことができます。

2次試験では、組織やマーケティングの観点から、事例企業に対して助言を行うことで、実践的な力が身につきます。

試験合格後は中小企業診断士のネットワークを活かして、多種多様な専門家とつながることが可能となります。

合格〜実務補習までのプロセスを経ることで、一般社会で地雷を踏まない&踏んでもリカバリーが可能となります。

そういった観点から見ると、中小企業診断士は守りに特化した国家資格といえます。

「攻め」の医師免許と、「守り」の中小企業診断士。

医師免許でレバレッジを掛けつつ、中小企業診断士で足元を固める。

医師免許で外来や当直をしてフローを稼ぎつつ、中小企業診断士で顧問業を行いストックを貯める。

全く方向性の違う資格だからこそ、かけ合わせたときに意外な化学反応が期待できるのではないでしょうか。

裾野の広さは診断士の強み

ここまで話して、やっと本題に戻って来ました。

最初にお話したように、独占業務とかけ合わせると診断士が強い理由は以下になると考えます。

①裾野の広さゆえ、どんな資格ともかけ合わせることができる。

②取得するまでの道のりが、自分を守ってくれる盾になる。

③多種多様な人材とのネットワークが構築できる。

この強みに、専門性が加われば、鬼に金棒といった所でしょう。

さて、ここまで読んでくれた方の中に、「独占業務が無い私はどうしろと」と思った方、いるかも知れません。

今回はわかりやすく独占業務資格を持つ場合の話にしましたが、

独占業務でなくともあなたがいままで培った「高い専門性」と読み替えていただければ、

多くの方に当てはまるのでは無いでしょうか。

仮に、「そんなの無いよ」という方も、診断士合格後に作っていけば、

唯一無二の存在になることが可能と考えます。

特に、最近はメタバースや生成AIなどが日進月歩であり、

ネット環境さえあれば情報がどこにでも転がっているので、

診断士に合格できる方が本気を出せば、ちょっとした専門家になることが可能でしょう。

実際、日本の中小企業のデジタル化は喫緊の課題ですが、

遅々として進まないのは火を見るよりも明らかなので、

これらに強くなることで高付加価値化に繋がり、強力な収入の柱になると考えます。

生成AIについて興味を持った方はこちら(今はもっとすごいです)

長々と話してきましたが、やはり中小企業診断士はいい資格だと思います。(お医者さんもね。)

2次筆記試験の結果が分からなくてモヤモヤするとは思いますが、合格したときの嬉しさはひとしおです。

口述試験に向けて、まずは年末年始に風邪を引かないよう、体調に気をつけてください!

再現答案&得点ご提供のお願い

ご存じの通り、書籍「ふぞろいな合格答案」は、
2次筆記試験受験生にご提出いただいた再現答案に支えられております。
皆さまの全身全霊を込めた答案が、本書籍を作り上げています。

また、令和4年度より受験生全員に得点が開示され、皆さまにご提出いただけたことで、
今年出版の「ふぞろいな合格答案 エピソード16」からは、
より精緻な答案分析を行うことができました。

この場をお借りして皆さまのご協力に改めて御礼申し上げます。

令和5年度の2次筆記試験におかれましても、
再現答案および開示された得点のご提供をお願いしたいと存じます。

今年2次試験を受けられた皆さまには是非とも、
作成された再現答案および開示された得点をふぞろいにご提供いただきたく存じます。
皆さまの答案を心よりお待ちしております。

ふぞろいに再現答案をご提供いただくと…

【特典1】再現答案へのフィードバックがあるよ!


【特典2】ふぞろいにお名前(ハンドルネームでもOK)が掲載されるよ!

来年度の受験生の方々のため、あなたの力が必要です。
是非ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

締切:2024年1月31日(水)23時59分

締切:2024年2月7日(水)23時59分

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