【ラストリレー】かじしゅん編ー診断士としての矜恃とはー

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はじめに:プライドは悪者か

「プライドが高い」という言葉は、悪い意味で使われることが一般的かと思います。たとえば、言い方が上からである人、周りの声に耳を傾けないような人に対して、使うことが多いのではないでしょうか。

私ももちろん、「プライドが高い人」は苦手です。自分自身そう思われないよう、できる限り気をつけています。しかし一方で、「プロとして自分の仕事にプライド(以下、矜恃と書きます)を持っている人」は、好きです。仕事に限らないかもしれません。矜恃を持って物事に取り組んでいる人に対しては、かっこいいという印象を持っています。

研究者としての矜恃

私は現在、事業者として人材紹介業を営む傍ら、二足の草鞋で教育哲学の研究をしています。その中で最近、研究者としての矜恃に触れる経験がありました。研究者としての矜恃に触れたのは、指導教員から論文指導を受けているときです。次の指摘を受けました。

論文のタイトルについて。鶴見俊輔「限界芸術論」の教育学的意義に関する一考察、というタイトルをつけているが、「に関する一考察」は不要ではないか。

学べば学ぶほど、主張する難しさにぶつかります。その難しさを前に、未熟な私は、「に関する一考察」という表現に逃げていました。もちろん指導教員も、主張する難しさを重々承知です。その上で、「鶴見俊輔」で限定し、「限界芸術論」で限定し、「教育学」で限定し、「意義」で限定し、これだけ範囲を限定しているのだから、主張する勇気を持つよう指導されました。そもそも、学術的貢献を前提とするのであれば、一考察を提起するだけでよいのかとも問われました。難しさを認めた上で、批判を恐れず、主張できるだけ調べ考え尽くしてこそ研究だ、という矜恃を感じた瞬間でした。

トーナメントプロとティーチングプロ

実は、上記の指導を受ける前に、今後のなりたい研究者像を聞かれていました。その回答によって、どの角度からコメントするかを、判断されようとしたのだと思います。

今後のなりたい研究者像を伝えると、先生は、プロゴルファーの話をしてくれました。プロゴルファーには、大きく分けて、ツアーに出て優勝を目指すトーナメントプロと、レッスンで生計を立てるティーチングプロがいるという話でした。私の回答は、目指す方向性として、トーナメントプロに近い回答だったようです。そのため、先述のコメントをくださったのだと思います。

この話を紹介したのは、トーナメントプロとティーチングプロで優劣がある、というようなことが伝えたいからではありません。一口にプロと言っても、その内実は様々であり、どのようなプロを目指すかによって、矜恃のあり方が異なることを伝えるためです。

診断士はどのようなプロなのか

診断士は国家資格です。「中小企業支援事業の実施に関する基準を定める省令」において、診断士は、経営の診断又は経営に関する助言を行うものに指定されています。これらを理由に、診断士は、国が認めた経営のプロと呼ばれることがあります。

診断士を経営のプロと呼ぶことについて、正しいのか正しくないのか、私にはわかりません。しかし仮に、診断士は経営のプロだとして、その内実はどういったものなのでしょうか。この問いを考える補助線として、1年間の診断士としての仕事を、簡単に振り返ってみます。

1年間の診断士としての仕事は、一言で言うと、バラバラでした。具体的には、経営診断(訪問4回)・簡易診断(訪問2回)・M&Aアドバイザリー・新規事業開発・公的機関の研修講師(IT)・専門家派遣・企業理念策定です。あとは『ふぞろい』も入れていいかもしれません。

おわりに:診断士としての矜恃とは

研究者の場合は、考え尽くして、論文というアウトプットで世に貢献します。わかりやすいです。診断士の場合は、先述の通り、様々な貢献の場が存在します。独占業務も明確には存在しません。結果的に、プロとしてのあり方も、各々の矜恃も多様です。もちろん、話す・書く・診るのように、大まかな方向性は存在します。しかし、私のたった1年だけでも、実際の業務はバラバラでした。

ゆえに、診断士としての矜恃を持とうと思うと、個々で何にこだわりたいか問われるように思います。今のところ、私は診断士として何にこだわるか、見つけることができていません。

『ふぞろい』での活動は、そんな私の救いになっています。ふぞろいと銘打っている通り、1年間、様々な想いをもったプロと一緒に働かせていただきました。診断士業務を直接は行っていなくても、それぞれの場所(他資格や所属企業)で、矜恃をもって生きている方ばかりで尊敬しています。私が診断士としての矜恃を見つける上で、助けてくれる存在です。最後にはなりますが、1年間ご一緒させていただき、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします!

また、『ふぞろい』をお読みいただき、診断士資格を取得された方・これから取得を目指されている方も、1年間ありがとうございました。狭い業界かと思いますので、いつかご縁がありましたら、ぐだぐだお話できると嬉しいです。引き続きよろしくお願いします!

明日はいよいよふぞ16最後のラストリレー。さとしんです。お楽しみに!

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