事例Ⅱのアドバイスリレー企画1 まっち編 ~試験委員の著作から学ぶ~

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みなさんこんにちは、まっちです!
今日から、事例Ⅱチームによるアドバイスリレーです!
最初から早速ですが、少し息抜き的なトピックでお送りいたします。

突然ですが、皆さんは読書は好きですか?
私は昨年、移動中の気分転換に試験委員の本を何冊か読んでいました。

ついては、私が読んだ事例Ⅱの関連図書について、2次試験に関連しそうな要素を
かいつまんでご紹介いたします。

試験委員について

中小企業診断士試験は、試験問題を作っている試験委員が公表されております。
令和5年度 中小企業診断士試験委員名簿

誰がどの辺をというところまでは公表されていませんが、2次試験の事例Ⅱに関しては
おそらく岩崎邦彦先生が関わっているのでは、と巷で言われています。

岩崎先生とは

お調べした限りでは、地域に関するマーケティング研究をされている大学の先生とご紹介されていました。
そして、最近の関心テーマとして「地域のマーケティング」「農業のマーケティング
中小企業のマーケティング」とあります!(参考:プロフィール
いかにも、診断士試験っぽくはありませんか?

以下のようなタイトルの著作(※一部)があります。
スモールビジネス・マーケティング 小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム
引き算する勇気 会社を強くする逆転発想
地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書
農業のマーケティング教科書 食と農のおいしいつなぎかた
小さな会社を強くするブランドづくりの教科書
世界で勝つブランドを作る 
小が大を超えるマーケティングの法則
緑茶のマーケティング

タイトルを見ただけでの感想ですが、なんとなく「ブランド」「農業
中小企業におけるマーケティング」に重きを置かれているような印象を受けます。

先生が繰り返し伝えている要素

1冊1冊ご紹介していくのは後回しにするとして、先にポイントを言っちゃいます。
読んでいて2冊目の中盤くらいで、だんだん先生のお伝えしたいことがわかってきたような気がしました。
というのも、どの本でも岩崎先生は繰り返し同じ要素を伝えています。

ズバリ、

ターゲットも品揃えも絞る!
とにかく強みに集中せよ!

中小企業は経営資源が限られています。
基本的には、中小企業が大企業との熾烈な競争の土俵に上がるのは吉とは言えません。
例えば、以下のようなことが書かれています。
(本当はもっと色々書かれていますが、事例Ⅱっぽい要素を抽出してみました)

・価格競争には乗らない。 価値を上げること!
 安売りをすると、他にもっと安いものが出てきたときに顧客はすぐに離れてしまう。
 価格以外の価値をつけること!

・ターゲットを絞る。
 ターゲットを広げすぎない。自社の強みが刺さる顧客層を見極める。

・商品、サービスは絞る。 
 風呂敷を広げるのではなく、その分野での専門性、独自の技術をシンプルにアピールしていく。
 広げすぎると、専門性が浅くなり、他社に模倣されやすくなる(=競合が増える)可能性がある。

そして、強みに絞る→その強みの質を高める→顧客満足度を上げる→リピートにつなげる、
のテッパンの流れです。

ということで、事例Ⅱの中で問われるSWOT分析や、3C分析、商品戦略・・・
どの問題にも必要な、基本中の基本<強みへ集中>する意識を忘れてはいけないということを、
岩崎先生の著作を読んで受け取りました。(シンプルにまとめすぎたかも…)

以降は、書籍の紹介ということで、参考程度にご紹介いたします。
ご興味のある方はどうぞ!

【参考】私が読んだ本たち

初めにお伝えしておくと、試験対策として本を読むことは必須ではありません。
あくまでも、気分転換で軽い読み物を読みたい人向けとご理解ください。
そして、読むにしても、何冊も読む必要はないと個人的には思います。

スモールビジネス・マーケティング 小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

最初に読んだのはこちらです。
スモールビジネス・マーケティング 小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

テーマは小規模小売業。刊行は2004年と、約20年近く前の書籍ですが、
今に通じるエッセンスがあります。個人的には、事例Ⅱ的な施策の効果についての
解説がとても腹落ちしました。例えば、

・顧客維持活動(店員とのコミュニケーション、会員制やポイントカードの実施など)
・顧客満足度向上(商品やサービス内容、内容など全般的な満足度)
 →リピート顧客の獲得

・顧客満足度を高める(人に伝えたくなる)
・顧客の意見を聞く(顧客ニーズを取り入れて関係性を強化)
 →好意的な口コミが広がっていく

など、中小企業における固定客化の取り組みについて具体的な調査結果を踏まえて
説明しています。試験では、施策を書いたら効果も書きましょうね!

引き算する勇気 会社を強くする逆転発想

続いて読んだのはこちら。
引き算する勇気 会社を強くする逆転発想

岩崎先生的に、一番伝えたいことは「引き算」なんだと思います。
他の書籍にも、手を変え品を変え、何度も出てくるキーワードです。
中小企業はアレコレ手を出してはいけない。
ハマるターゲットだけに絞り、その層にウケる商品・サービスだけに絞りましょう。
上述のスモールビジネス・マーケティングと伝えたいポイントは同じな気がしますが、
すごく大衆向けに読みやすい内容になってる本です。
Googleや、スターバックスなど、身近な具体例が出てくるのでイメージしやすいです。
サクサク読めます。

地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書

続きまして。
地域引力を生み出す 観光ブランドの教科書

今回は観光ビジネスです。その地域をどうPRしていくかなど、小売業のマーケティング同様
ブランディングの重要性を説いてはいるのですが、個人的に事例Ⅱっぽいなと思ったのは以下2点。

①強み / 弱みの分析
強み弱みの分析は、その地域側ではなく顧客視線で行うことが重要、と書かれていました。
自分たちが「強み」として認識していなくても、顧客側にとっては
「価値」になる可能性もある、ということは、私にとっては重要な気づきでした。
顧客の認識している「強み」を適切に把握し、そこを伸ばしていく必要があります。

②コトづくり
体験(コトづくり)が観光客の心を惹くということ。
体験で満足度を向上→リピート来訪の促進を狙っていきましょう、と言っています。
でもコトづくりを進めていくには1社だけでは難しい!地域連携が不可欠!
そう、事例Ⅱおなじみの、他社との連携です。
例えば、「観光農業」とか、「グリーン・ツーリズム」とかですね。

この本を読みながら、令和2年のハーブの事例が思い浮かびました。
今思うとあの事例、すごく岩崎先生っぽい気もします。

世界で勝つブランドを作る

最後にこちら。
世界で勝つブランドを作る 

海外進出のためのブランドづくりについて、「アメーラトマト」という実例を交えて
ブランドの重要性をご紹介しています。海外進出に伴う技術移転や組織作り、
現地拠点での関係づくりなど、少し事例Ⅰっぽさもありました。
やはりターゲット層の絞り込みや、ブランドイメージ・コンセプトの確立など
The 事例Ⅱっぽいお話が多いです。そういえば、令和4年度は商品コンセプトが問われましたね。
ここでもしきりに「何かに絞って訴求する」ことを繰り返し伝えています。

最後にアメーラトマトが食べたくなること間違いなし!

最後に

重ねてのご案内にはなりますが、書籍を読むのはほどほどに。
あくまでも気晴らしにしてくださいね!

明日以降の事例Ⅱアドバイスリレーもお楽しみに!

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