【事例Ⅲ企画:連載最終回】今年のふぞろい、事例Ⅲ分析担当はほぼ全員が製造業従事者です。~Nana編~

同友館
doyukan_logo

「2次試験まで3ヶ月!お悩みは今のうちに解決!ふぞろいな相談会」参加者募集中♪

第1回:7月24日(土)16:00~18:00 *終了後懇親会あり

https://www.kokuchpro.com/event/fuzoroi14/1681313/

第2回:7月25日(日)10:00~12:00 *終了後懇親会なし

https://www.kokuchpro.com/event/fuzoroi14/1681354/

*いずれの日程も同じ内容。

*各回先着20名様となります!!

**********************************

 

みなさん、こんにちは。
事例Ⅲ担当、ものづくり大好き!!、日本の製造業を応援したい!Nanaです♪

【事例Ⅲ企画】今年のふぞろい、事例Ⅲ分析担当はほぼ全員が製造業従事者です
と題して、6人中5人が製造業従事者である今年の事例Ⅲ執筆メンバーの担当業務のご紹介やその業務の楽しいこと、大変なことなどをご紹介してきましたが、今日は最終回。
工学部出身、航空機部品や自動車部品の設計を担当してきたNanaがご紹介します!

①業務内容のご紹介

3D CADを使って設計業務を行っています。
大まかなな業務内容は、お客様・デザイナーとの仕様の確認~3D CADで設計~図面作成~製造現場との調整~お客様へ製造した部品を確認していただく~納品後のアフターサポート という流れです。

 

②この仕事の楽しいところ

ひとつは「自分が設計した部品が出来上がったとき!」でしょう。
これはいつ立ち会っても感動します。
出来が良いかどうかは別にして←ここ超重要。悩みに悩んで諸先輩方や他部署から指摘を受け改善してうぅぅーんと唸りながら作った部品が出来上がるのはやはりとても嬉しいです。

もうひとつは「自分が設計した部品がお客様の手に渡って使用されているところを見たとき!」でしょう。
独り立ちした我が子を見守るような気持ちになります。笑。そしてちょっと自画自賛(この設計、イケてるぜ。キラーン
そしてもっと良いものを作れるようになりたい!と思ったりするのです。
私は、飛行機の中で自分が設計した部品に出会うことがあります。旅行のときの楽しみのひとつです。

 

③この仕事の大変なところ

たくさんありますが…
「設計した部品がイマイチだったときの対応」
「スケジュールに追われがちなところ」でしょうか。

事例Ⅲでもおなじみ(?)納期遅延の問題
これに設計は大きく関わってきます。
設計が、顧客の仕様を100%満たして、調達しやすい材料を使って、工程が簡単で製造しやすい部品を設計すれば、リードタイムは短くなり納期遅延は起こりにくくなり安価な部品のできあがり。
みんなハッピー♪

ところが…まぁ、これが超難題…。
顧客の仕様を満たそうとすると、調達しにくく高額な材料を使う設計や工程が難しくなってしまい却下され、
調達しやすい安価な材料を使う設計にしたら、組立工場で作業がしにくいからと却下され、
工程が簡単で製造しやすい部品を設計したら、顧客の仕様を満たしていないところが出て、

 うわーーーん(涙)

各部署や顧客に怒られながら必死で進めるのです…
そしてスケジュール管理部門からは「設計終わらないと先進まないの!納期遅延になるから早く設計しろ!」と怒られ、

 うわーーーん(涙)

 

頑張って終わらせた設計も、いざ製造段階に入ってきたら色々なところから
「これ作れねーぞ!」「寸法間違ってんぞ!」「取り付かねーぞ!」「設計オカシイぞ!」と電話が鳴りやまず
 うわーーーん(涙)

 

なかなか苦労の連続です…。ふっ(遠い眼)
それでも、この仕事の楽しいところは、なかなか他では味わえない達成感なので、
設計者は「なかなか設計終わらない…」と愚痴を言いつつも、目が鋭く輝いている人が多いのかもしれません。

 

④そんな私から見た令和2年度C社は…

ついつい与件文を読みながら心の中で呟いてしまいました。笑
「作家(デザイナー)のデザインに従って製作する、装飾性を要求するステンレス製品で、顧客とのやり取りが多く発生、最終検査でデザイナーの指示によって製品に修正や手直しが生じる場合がある。」(事例Ⅲ与件文より一部編集して抜粋)

お疲れ様ですーーー!!!!(笑)
そう。デザイナーと設計者の間には最初深い溝があるのです。

家を探したことがある方であれば、イメージ湧きやすいかもしれません。
おうちのイメージ図作るのって楽しいですよね。ここにはこんな家具、こんなカーテンで、こういう間取りにして~♪

でも実際には「建築法でこういう間取りは無理です」「カーテンは防炎で…」「耐震性を考えると」と言われて
設計担当や不動産屋さんと話をしながら話を詰めてそこには長~い時間がかかります。。。

それと同じようなことがC社でも起きているのです。イメージとしては…

ステンレスを使ってすっごい装飾性の高いオシャレな造形物を作りたいデザイナー
VS
デザイナーがイメージした内容を簡単に具現化できない営業担当と設計者

それを2次元CADでやろうとするのですから、それはそれは大変です。
2次元CAD?そんなのよく分からない、という方は不動産屋さんに張り紙している物件の広告の間取り図。
あれが2次元CADで作られたものだとイメージしてください。

上から見たその家の間取りは分かりますけど、天井がどのくらいの高さなのか、窓はどんな高さなのか立体的には分からない、縦横だけの関係ですね。
3次元CADはそこに奥行(縦・横に高さが加わる)が表現されます。3Dメガネをかけた3D映画みたいなイメージです。(メガネはいりませんが。笑)

3次元CADにすると、奥行きが分かるのでイメージが伝わりやすいのです!
デザイナーとの意思疎通も早い!設計者の意図も製造側に伝わりやすい!

不動産屋さんの間取りも天井の高さやキッチンの高さなどが最初から分かったら、内覧するかやめるかすぐに選びやすくなりますよね。

と言っても3次元CADはなかなか高額で、使うにも教育が必須な設計ツール。3次元CADを買ったからいきなりリードタイム短縮とは言えないです。
今回の事例Ⅲでもふぞろい流では3D-CAD導入は大きな点数が入りませんでした。

 

それよりも、製造担当者との連携を強化したり、図面変更が頻発しないように早めに早めに顧客と調整する、
なんて地味なところが重要なのです。

私は5S活動や改善活動も多くやってきましたが、意外に地味なところがジワジワと大きく効くのです。
逆にこのような5S活動や改善活動をすっ飛ばして「ITだ」「最新設備だ」なんて言っても、それはカッコイイけど、実は思ったより効かないってことも多いのです。

RPGゲームでも、主人公のレベルが低いのに、剣だけ高いものを装備してもボスに勝てないのと一緒です。(たぶん)

 

ちなみに…
これだけ、製造業について語りましたが実は私、事例Ⅲメンバー内で事例Ⅲの点数がぜんっぜん高くないです…それどころか…(遠い眼)

製造業に長くいると、知識や経験があるがために与件文を素直に読み込めず解答してしまう可能性があります
要注意です!!
知識・経験があるのはとっても良いことです!でもそれに引っ張られすぎず、素直に与件文を読むのが大事だと思います。

 

以上、事例Ⅲ特集でした!

お次は、天国と地獄の分かれ目(?!)、事例Ⅳ特集です!お楽しみに~♪

「この記事が参考になった」と思った方はクリックをお願いします!
SNSでフォローする