こんにちは、多年度受験ナビゲ-タ-、「実年受験生の味方」リンフです。GWを迎え、受験生の皆さんは模試の受験や勉強計画の見直し、重点強化等にGWのまとまった時間を使う検討に入っていることと思います。また、各種のセミナーも実施されており、受験生全体の動向、最新の情報を仕入れる意味でも積極的に参加してみることをお勧めします。ふぞろいも4月末の大阪セミナーの実施に引き続き、5月16日に東京地区のセミナーを実施します。現在、ふぞろいでは180名以上の昨年度受験生の答案分析を終え、書籍化の最終段階に入っています。セミナーではその最新の分析情報を踏まえた、リアルで深い情報提供を企画していますので、是非文末情報を参照のうえ参加をご検討ください。
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リンフは「実年受験生の味方」として過去2回の投稿にて、
1.『実年受験生の味方現わる! 』において実年受験生は、
①長年過ごす組織へ適応した「相手は理解してくれるだろう」という思考を改める。
②組織内で指導する場面が多く、自らの考え方に固執する思考を改める。
2.『診断士試験は「実年受験生のリハビリ・アカスリ」です。』 においてさらに、
③長年大企業に勤めている実年社会人は、上から目線に陥りやすい欠点を改める。
ということを発信してきました。このような、2次試験の受験に関する心構え、考え方を踏まえ、これから「実年受験生の実践的な解答作成法」について掲載して行きたいと思います。
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ところで、リンフは今回の『ふぞろい8』において、「因果の求道士」として登場します。つまり、因果に徹底的に拘ったということです。それは、
①解答として適切で優先度の高い因果を抽出・選択する。
②因果の得点3要素を踏まえ文章を作成する。
③解答として妥当な構文の中に因果を当てはめ解答を作成する。
ということになります。今回はこの中の「②因果の3要素を踏まえ文章を作成する」について解説を行いたいと思います。
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それでは、因果とは何でしょうか?辞書をあたると仏教用語としての解説が出てくると思いますが、2次試験においては「原因と結果」と割り切って理解して良いでしょう。2次試験における設問は、①分析(診断)問題と、②助言問題に大別できます。そして、両方の問題共に解答の骨子は因果からなる文章を書く必要があります。
①分析(診断)問題は、比較的前半の設問において内部・外部環境分析、すなわちSWOT分析であったり、与件分の事象に関する理由を聞くことで、受験生の分析力を問う形で登場します。また、②助言問題は、比較的後半の設問において、事例企業の今後のとるべき方向性を提案させることで、受験生の構想力・提案力を問う形で登場します。
これらの全ての設問に対して、解答の構文は異なっても、構成する文章は因果を踏まえて解答することが必要です。そしてこの因果でしっかり得点を確保することが、実年受験生に求められる解答作成方法であると、リンフは考えています。
何故でしょう?残念ながらリンフのような実年世代には、若手世代のように思考の回転力・瞬発力は望めません。すなわち、いわゆる「キーワードを徹底的に盛り込む」ためにあらゆる関係キーワードを想起すること、キラリと冴えるロジカルな文章力で差別化することを試験当日の現場で行うことは極めてリスキーであると考えます。実年受験生には、試験現場では愚直に因果を磨き上げることを最優先に考えて欲しいと考えています。
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それでは実際の因果で構成された文章を以下の図を使って見て見ましょう
すなわち、事例企業の強みの指摘であれ、事例企業が何かを行っている理由であれ、事例企業の社長に何かを提案する場合であれ、相手(採点者もしくは社長)を納得させるには、文意の結論に対して、その結論を導いた根拠を明示する必要があります。そして、この「根拠が因」、「結論が果」となります。そして、因果において得点を得るための3つの要素として、以下の3点を確実に押さえることを心がけてください。
①因果の因は与件文の言葉:
基本的にこの部分は与件文の言葉(少なくともキーワードは)をそのまま使います。この部分の言葉を置き換えてしまうと、採点者は導き出した結論(因果の果)は何を根拠にしたのかを判断できません。当たり前のように感じるかも知れませんが、実に多くの受験生が自らの経験をもとに言葉の置き換えをしています、リンフもそうでした。そして、このように与件文の言葉を根拠に使うことにより、採点者の「あなたが解答でこう結論付けた根拠は何?」という問いかけに対して、「だって与件文にこう書いているでしょ」、さらには、「提示されたヒントはちゃんと拾いましたよ」とアピールし得点に繋げることができます。
②忙しい社長もわかる因果の妥当性:
AなのでBである、という文章において気をつける点は、因と果の間に飛びがないか?という点です。例えば、Xさんの成人式の日に、「天気予報では雨が降る可能性が高いので、傘を持っていく。」では因果に飛びがあるだけでなく、一般論と言えます。「「天気予報では雨が降る可能性が高いので、昨日買った晴れ着を濡らさないために、傘を持っていく。」と書くことで、晴れ着を新調したXさんの事情を表し、因果が丁寧につながります。社長への提案問題においても同様です。忙しい中小企業の社長への提案において、言葉をつながなければ理解できない因果の飛びがある文章や具体的な行動がイメージできない一般論は伝わらない、と考えるべきです。
そして、このように中小企業の社長にも伝わりやすい因果で丁寧に文章をつなぐことで、採点者に、「論理に妥当性があるでしょ」とアピールし得点につなげることができます。
③結論は1次知識もしくは適切に抽象化された言葉で:
中小企業診断士の試験である以上、文章の結論は1次知識もしくはそれに紐づく言葉になる場合が多いです、ただし全てという訳ではなく、分析に応じた適切に抽象化された言葉に集約化されるべきです。難しい話ではなく、あれこれ行なった結果を「企業成長を図る」といった言葉にまとめる、といったものです。1次知識を用いて、「持続的競争優位性を確保する」といった書き方もあるでしょう。そして、このように妥当な結論に導くことにより、採点者に対して、「聞かれたことにちゃんと応えていますよ」、「1次知識を応用できますよ」、「妥当性のある結論を導けますよ」とアピールし、得点に繋げることができます。
これも当たり前と思うかも知れませんが、多くの受験生が、例えば改善提案において、「①~をし、②~をし、③~を行うべき」と「多面的な」提案を羅列しています。しかし、「①(与件文の事実)を改善するため、~をし、②(与件文の事実)を改善するため、~をすべき」と書くことのほうが、社長の改善提案実行の納得度はあがることになります。
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以上、因果の得点3要素をまとめると下図のようになります
実年受験生の皆さんには、是非この因果の得点3要素を意識して解答文を作成することをお薦めします。また、今後、
①解答として適切で優先度の高い因果を抽出・選択する。
③解答として妥当な構文の中に因果を当てはめ解答を作成する。
についても掲載して行きたいと思います。
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「え?」、「おいおい、冒頭の(因果の得点3要素の)+1はどうした?」という声が聞こえてきましたね。そう、紙面の都合により「+1」については、次回のブログに掲載したいと思います、乞うご期待を!
次回のブログは、「詰め込みの女王、アスカ先輩」です。独自の経験ベースによる詰め込み学習理論は、1次受験生のみならず科目受験の2次受験生からも注目の的です!
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