こんにちは。チャンスを逃すな! 多年度合格ナビゲーターの、おはこです。
試験勉強で大事なことの1つは「弱点つぶし」。みなさんは自分の弱点が見つかっていますか? 「だいたいわかっている」という人もいれば、「まだはっきりわからない」という人もいるかもしれません。
今回は、1次試験から2次試験までの15週間で実力アップするために不可欠な、自分の弱点の見つけ方についてお伝えします。さらに、『ふぞろいな合格答案』を活用した弱点発見法をご紹介します。
◆御礼◆
『ふぞろいな合格答案(エピソード13)』が発売されました。こうして無事にお届けできるのも、みなさまからお送りいただいた再現答案のおかげです。本当にありがとうございました。
目次
勉強の進み具合にもよりますが、得点を伸ばすには、得意分野を深めるより弱点をつぶすほうが早いです。同じ労力をかけたとき、みんなができない高度なレベルに引き上げるよりも、みんなできるが自分ができない分野の底上げをするほうが、得点化しやすいためです。
そこで、自分の弱点を早く把握して、対策をとっていくことが大切です。
では、自分の弱点を見つけるにはどうすればよいでしょうか。
やり方としては、①自分の経験から弱点を見つけ出す方法と、②他人の経験から自分の弱点を導き出す方法が考えられます。
まず、自分の経験から弱点を見つけ出すには、実際に問題を解いたうえで、間違えた問題の原因を分析します。
たとえば、「知識が足りなかったから」「解法を間違えたから」「計算ミスをしたから」といった形で間違いの原因を分析し、弱点を把握します。そのうえで、「1次知識を覚え直そう」「解答手順を整理しよう」「計算練習をしよう」という対策をとり、弱点を克服します。
でも、自分の経験だけでは弱点を見つける機会が限られます。他人の経験も自分のことのように捉えて弱点を導き出せると、取りこぼしがなくなります。
他人の経験に触れる方法として、勉強会への参加があります。また、受験生支援団体や合格者個人が運営するブログやSNSに投稿された合格体験記も参考になります。
合格体験記にはたいてい、「ここに苦しんだから、こういう勉強をして、合格できた」という話が書かれています。他人が苦しんだところを自分にあてはめてみれば、新たな発見があるはずです。「人の振り見て我が振り直せ」です。
書籍『ふぞろいな合格答案』には、「80分間のドキュメントと合格者再現答案」というタイトルの合格体験記が掲載されています。
「80分間のドキュメントと合格者再現答案」は、キーワード採点による「答案分析」と並ぶ、ふぞろいな合格答案シリーズの2大企画のひとつです。6人の合格者が2次試験当日までどのような勉強をしてきたのか、当日は何を考えどのように行動したのかを詳細に紹介しています。
ポイントは、当日考えたことがありのままに書かれていることです。
なぜそう言い切れるかというと、このコーナーが合格発表から間もない年末年始に執筆されているからです。得点開示結果がまだ手元に届いていない時期のため、書いている本人は自分の答案がどう評価されたのかわかっていません。当日の感情の動きを正直に書くしかなく、間違った思い込みも含めてありのままに綴っています。
成功したことも失敗したことも記録されているので、弱点発見に活用しやすいのです。
まずは、「この勉強は成功だった」と書かれている部分を探して、自分の勉強に生かせないか考えます。
「2.勉強方法と合格年度の過ごし方」というタイトルのページにある「私の合格の決め手」「効果のあった勉強方法」を6人分、ざっと読んでみてください。自分に必要そうな勉強法はありませんか? 見落としているポイントはありませんか?
『ふぞろいな合格答案(エピソード13)』で具体的に見てみましょう(142~153ページ)。まずは「効果のあった勉強方法」から(見出しを抜粋)。
「私の合格の決め手」も見てみましょう(筆者抜粋)。
いかがですか。自分と照らし合わせて気になる勉強法はあったでしょうか? きっとそれが、直前対策のヒントになると思います。
気になる項目があったら、ぜひ『ふぞろいな合格答案(エピソード13)』を読んでみてください。
次に、「失敗だった」と書かれている部分を見つけて反面教師にしましょう。弱点を探すにはこちらが手っ取り早い。
各事例の「3.80分間のドキュメントと合格者の再現答案」というタイトルのページの「終了時の手ごたえ・感想」と、各設問の再現答案の下にある「当日の感触等」を、ダメ出しするつもりで読んでみてください。
具体的にみてみます。仲間のダメ出しをするのも気が引けるので、私のページを別人になったつもりでダメ出ししていきます。
(1)悪いところ探し
丁寧に言葉を拾うことで自分のペースを作るつもりだったが、設問解釈に時間をかけすぎた。
p.175(事例Ⅰ 終了時の手ごたえ・感想)
第2問の書き出しに悩みすぎて、時間切れになるところだった。1つの設問にこだわりすぎてはいけない。
p.199(事例Ⅱ 終了時の手ごたえ・感想)
書き出しに悩んで時間を使いすぎたうえに、文章が不自然になってしまった。
p.200(事例Ⅱ 第2問【当日の感触等】)
見直し時間はほとんどない。
p.223(事例Ⅲ 80分間のドキュメント【手順5】見直し)
時間不足で切り口を明確にできず、与件文を整理しただけになってしまった。過不足があるかもチェックできていない。多少点数が入ればよいのだが……。
p.225(事例Ⅲ 第3問(設問2)【当日の感触等】)
事例Ⅳの空欄2問が心残り
p.247(事例Ⅳ 終了時の手ごたえ・感想)
失敗したところを整理してみると、ほとんどの事例で時間ギリギリだったことがわかります。本番ではこういう状況には陥りたくないですよね。
(2)悪いところの原因分析
次に、なぜ時間が足りなくなってしまったのか分析します。
「効果のあった勉強方法」(p.152)を見てみると、知識補充や書く練習、計算練習はやっているが、タイムマネジメントについては触れられていません。模試も受けていません。
時間不足の原因は、80分間のタイムマネジメントの準備が不足していたためのようです。
(3)自分の弱点を導き出す
分析したら、自分にあてはめてみます。
たとえば、「普段の勉強で20分と決めている設問解釈に23分かかっても、あまり気にしてこなかった」「40分経過したら解答を書き始めると決めているのに、10分遅れて書き始めることもよくあった」「文字を書くのは速い方ではない」といった自分の状況と照らし合わせると、タイムマネジメントで甘さがあることに気付くかもしれません。
こういった要領で、「80分間のドキュメントと合格者再現答案」コーナーから、自分の弱点を見つけてみてください。
自分の弱点が見つかったら、対策をしておきましょう。〝おはこへのダメ出し〟から見つけた弱点については、次のような対策が考えられます。
以上のように、自分の弱点を見つけ出し、対策までできれば、直前期の15週間でかなり実力がアップするのではないでしょうか。
2次直前期に実力アップするために不可欠な弱点発見法をまとめます。
1次試験直前なので、私が大事だと思うことを1つだけお伝えします。
本試験には、普通に勉強してきた大多数の人が解けない問題が必ず含まれています。わからない問題に出会っても焦らず、わかる問題から片づけていってください。
その理由はこうです。
まず、1次試験の合格者数の目標は、例年通りだとすると3000~4000人です。そして、6割以上とれば合格という基準と配点が公表されています。
とすると、合格者数をコントロールする方法は問題の難易度しかないため、受験者数約2万人のうち3000~4000人だけが6割以上取れるような難易度で出題されます。易しい問題ばかりではなく、解けない問題が含まれてくるわけです。
実際、「診断士1次試験「中小企業経営・政策」の勉強法【独学者向け】」の記事を書く際に過去問を分析したところ、中小企業白書や施策利用ガイドブックなど出典とされる資料を読んでも解けない問題が、必ず数問含まれていました。
見たことのない問題は、みんな解けないと思っておきましょう。健闘をお祈りしています。
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