【ラストリレー】by たっつん

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一年間の振り返り ~たっつんが見た「診断士の共通項」~

 

 

 

出典:マーベル

たっつんです。

ブログではほぼ顔を出さず、初めの自己紹介と企画で1回しか登場しなかったのですが、ラストリレーということで唐突ながら最後のブログです。

 

 合格直後の1年のみ携わる「ふぞろいな合格答案プロジェクト」。
まずはふぞろいの書籍やセミナー、本ブログで関わったみなさまに、この場をお借りして感謝と御礼を申し上げます。
長いようであっという間の1年間、ありがとうございました。
ふぞろい12が受験に少しでもお役に立っていたら、大変うれしく思います。

はじめに

振り返ると、同じ試験に臨んだ同期メンバーとプロジェクトに携われたことはとても良い経験でした。
年齢、職業、受験歴など、さまざまな背景を持つ同期メンバーとプロジェクトを進めるなかで、自分と違う視点やスキルを持った人との協働は多くの刺激を受けました。
能力だけでなく、プロジェクトを進める姿勢や態度も勉強になり、自分を見つめ直すきっかけにもなりました。

そして、受験を支援する立場で診断士試験にもう1年関わるのもよかったと思います。
同期メンバーと診断士試験について議論や意見を交え「受験支援」のコンテンツを提供していくうちに、受験時にはおぼろげだった診断士像の輪郭が、少しはっきりと見えてきたように思います。

さて、私は合格に3年かかりましたが、当初、ストレート合格を目指していたので、落ちたときはなかなかヘコみました。
1年目は一次で1問足りず足切り(もう1回一次を受けるのか・・・と落胆しました)、
2年目は二次であと一歩の数点足らず(それなりに時間を費やして、受かる気しかしてなかったのに・・・)。

そんな私の最後のブログでは、プロジェクトを通じて感じた「診断士の共通項(私見)」を整理することで、初めて受験される方、リベンジを果たそうとしている方、見事試験をpassされた方に、私なりの診断士試験や診断士のイメージをお伝えできればと思います。

 

共通項1 ゴール設定と段取り力・推進力

プロジェクトでは書籍の執筆以外に、ブログやセミナー、応援などさまざまな活動を行ってきました。
いずれの活動においてもメンバーの意思決定の早さは目を見張るものがありました。
単に「決める」という行動の速さを取り上げたいわけではありません。
ゴール設定の重要さを強く意識し、ゴールのために必要なことを段取りよく周到に準備していたことが早さにつながっていました。
拙速ではなくむしろ巧速であったように思います。

そしてメンバー間で意見交換したり、企画やコンテンツを練ったりする場合でも、メンバーそれぞれのアイデアや解釈、アプローチはあるものの、

「診断士試験が何を問おうとしているのか(To-be)」、

「受験生はどのような状況なのか(As-is)」、

「これらをクリアするのに、自分たちは何ができるのか(Action)」、

を意識して検討していたように思います。

これは受験勉強でも同じだと思います。
私が昨年、とある受験ブログに合格体験記を寄稿したとき、合格までの道のりをAs-is/To-beで捉え、次の3つを学習の要点としました。

①ゴール(passする姿)がイメージできているか

②正しいアプローチ(勉強内容・方法)ができているか

③学習習慣(推進力)が身に付いているか

ゴールをどこに設定するかは人それぞれですが、受験する以上は少なくとも「試験合格」はゴールかその一里塚のいずれかになると思います。
試験をpassしてきたメンバーはTo-beのイメージを持ち、As-isを押さえ、そのギャップを埋めるActionをしてきたことで、段取り力や推進力を備えているんだろうなと感じました。

 

共通項2 コンサル・スピリッツ(目的意識とPDCAサイクル思考)

先ほどのゴール設定に対する意識と重なるところもありますが、目的意識を見失わず、PDCAを意識してプロジェクトを進めていました。
誰かが「PDCA回そう!」と言ったわけでもないのに、PDCAが見られました。
特に感じたのはセミナーです。春セミナーの課題を夏セミナーでクリアし、夏セミナーの課題を秋セミナーでクリアし・・・と、評価と改善を繰り返し、コンテンツや設営をブラッシュアップしていきました。
これはふぞろいの書籍執筆・出版の先にある「受験生の合格」を、メンバーが意識していたからだと思います。
受験生から期待された内容でセミナーの都合上提供できなかったものはブログ記事にしたり、個別にフォローしたりするメンバーもいました。
みんなが「何ができるか」を考え、最善を尽くしていたと感じています。

受験勉強も同じだと思います。
一次7科目、二次4科目passするには相応の時間を費やしますが、それには目的を意識してPDCAサイクルで自分を磨き上げていくしかありません。
この過程をやり抜くには、すでに持ち合わせた才能を除けば、「何ができるか」を考え、最善を尽くす、そんなコンサル・スピリッツが必要なんだと思います。

 

共通項3 タイムマネジメント(優先順位設定)

プロジェクトなので当然といえば当然ですが、優先順位をつけてやること(やらないこと)を決め、タイムマネジメントを意識していました。
みんな日中は仕事をしてプロジェクト以外のこともこなしつつ、進めています。
いかに時間を捻出するかと同時に、いかにこれを有効活用するかが重要でした。

受験勉強においても似たような状況を思い出します。
時間軸は極めて短期的な例になりますが、私は1回目の二次試験本番でタイムマネジメントにとても苦しみました。
とにかく試験問題のすべてに全力でぶち当たっていたからです。
2回目の試験に向けては優先順位を決めることやアウトプット(得点の最大化)を意識したことで、全体像を捉え、試験への向き合い方もシンプルになったように思います。
(諦観、という表現が近いかもしれません。)

試験におけるタイムマネジメントや優先順位設定については、ふぞろい12のブログでも紹介されています。

タイムマネジメント力の体得(ブルーオーシャン)

満点を目指す試験ではない(ブルーオーシャン)

本番力を鍛える(ぁっ)

60点でいい(シュホンニ)

まだご覧になっていない方は参考にしてみてください。
そして、ふぞろい13メンバーによる新たなブログ記事にもご期待ください。

 

共通項4 プレゼン力

プレゼンというと、TEDのような華やかな舞台、コンベンションセンターなどでの展示会、企業セミナー、パワーポイントでの商品紹介・説明などなど、いろんな場面が想像できると思いますが、ここでは「相手に伝える力」という意味で捉えていただきたいと思います。
みんなプレゼン力がすごい。わかりやすく、適切な表現で伝えるので、「プレゼン力がうらやましい!」と思うくらいです。

私もふぞろいでセミナーをする機会があったのでプレゼンスキルについて勉強していましたが、学んだテクニックの一つに「FACT⇔OPINION」があります。
事実を根拠に意見を述べる。
OPINIONにはFACTをセットにする。
これで説得力を持たせるというものです。

これを聞いたとき、診断士試験でいう「因果」と同じだと思いました。
与件の事実を「因」として、意見や結果である「果」を述べる。
その論理が合理的で説得力があるか、内容がきちんと伝わる表現であるかは、「相手に伝える力」だと思います。

ちなみにふぞろい流採点ではキーワードをベースに採点していますが、キーワードだけで表現できない部分については各事例の企画ページなどで表現しています。
キーワード採点に加え、ぜひ、キーワード以外でもご活用ください。(宣伝になってしまいました)

 

まとめ

これらの共通項を診断士試験でイメージ図にしてみるとこんな感じです。

 

 

 

 

 

 

(「一次知識と応用力」は共通項では省きましたが、試験においては必須だと思います)

 

ブログをきっかけに整理してみて「プロジェクトで感じたこと≒受験時代に感じていたこと」と改めて思います。
そして、プロジェクト以外(実務補習や実務従事、研究会など)で先輩診断士と意見交換する場合においても、As-is/To-beの思考って定番だな、と思います。

初めて受験される方、リベンジを果たそうとしている方、これからの取り組みがきっと診断士試験や、診断士になってからも役立つと思います。
ぜひ、セルフ・コンサルティングを楽しんでください。

見事試験をpassされた方、本当におめでとうございます。
「中小企業診断士」という共通項を持ちつつ、アベンジャーズのような多様性を持って、いつか何かのプロジェクトでご一緒させていただけるような日が来るのを楽しみに、私も研鑽していきたいと思います。

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