みなさん、こんにちは!
ブルーオーシャンです。
本日は、中小企業診断士に登録するために受講される方が多い実務補習について書いてみたいと思います。
中小企業診断士の養成課程を修了された方ではなく1次試験および2次試験を受験された方は中小企業診断士に登録するために以下の2つの方法で15日以上の実務要件を満たす必要があります。
実務要件
・登録実務補習機関が行う実務補習を受講
・中小企業者に対する助言等に従事(いわゆる実務従事)
お知り合いに社長さんがいらっしゃったりして実務従事の方法で要件を満たす方もおられるかと思いますが2次試験を受験された方の多くは、実務補習の方法を取られるのではないかと思います。
かくいう私も実務補習を15日間受講し、無事、診断士の登録を完了することができました。
5日間のコース1回あたり、5万円程度、15日コースで15万円程度と結構なお金がかかり、補習の実施日は平日や土日でもほぼ終日拘束され、自主学習期間でもお仕事や家のことをやりくりしながら進めることになります。
折角、2次試験を通過したのですから速やかに登録まで行いたいところですが、お仕事・ご家庭・お財布と十分ご相談の上、ご受講ください。
そんなお金も時間もかかる実務補習ですが、得られるものは多々ありました。
本日は、実務補習で学んだことの一端をお伝えできればと思います。
登録実務補習機関としては、診断試験期間でもある一般社団法人中小企業診断協会が一般的です。
直近ですと年明け2020年2月初旬から3月中旬(15日間コースの場合)にかけて実施される予定です。
令和元年度の2次試験合格者の方の場合、12月25日(水)の合格発表後より受講受付が開始されるようです。
詳細は こちら でご確認ください。
これも上記診断協会のHPに載っていますが私の受講した実務補習ではおおよそ以下のような感じでした(診断先が企業等となっているのは商店街の組合なども診断対象となっているためです。)。診断先は、担当指導員の顧問先などになるようで、受講生は診断先を選べるわけではありません。
日程 | 内容 |
実施4〜5日前 | 指導員からメールにて、企業概要の提示や事前準備作業の指示がある |
1日目 | 企業等への訪問(ヒアリング)・調査・資料分析など |
2日目 | 企業等への訪問結果・SWOT分析等による経営課題抽出、提案骨子作成 |
自主学習期間(6〜7日間) | 担当パートの診断報告書作成 |
3日目 | 診断報告書の全体調整 |
4日目 | 〃 |
5日目 | 企業等への報告 |
1グループは5から6名程度の受講生で構成され、1名(場合により2名)の指導員がつきます。
各人に経営戦略・人事組織・財務・マーケティング・情報システムなどのパートが割り当てられ、パート毎にワード形式で10数枚程度の報告書を作成します。
各パートで診断先企業にとって報告すべき項目を3つ程度あげ、①現状、②課題、③提案といった流れで報告書を作成していきます。
みなさんが一生懸命勉強されてきた診断士試験の勉強内容を活用し、報告書に織り込んでいくわけです。
ここで注意しなければならないのは、当たり前かもしれませんが、テキストで習ったことやビジネス書に載っていることをそのまま書いても相手にはあまり響かないということです。
診断士試験を受験されるような方ですので、ビジネスのご経験も豊富な方が多く十分にご認識とは思いますが、診断する企業に寄り添い、個別具体的に経営課題を抽出し、提案をしないといけません。
実施日の1日目に企業に訪問し、社長など経営陣への質問を通じて課題となっていることは何かを特定するわけですが、実施に社長が思っている(こちらに喋ってくれる)悩みと真の課題は違っていたりすることもありそれを特定するのは結構難しいところです。
ましてや正味半日程でインタビューし、翌日からは基本は外部の人間(受講生や指導員)で答えを導く作業に入るわけですからそりゃあまあ大変です(指導員の顧問先などと言ってもまだ深く入り込んでいない先だったりします)。
指導員も答えを持っている訳ではありません。一緒になって考え、答えを出す事を求められているのは受講生なのです。ある意味、臨場感があります。
まずは、実務補習の前に提示される企業概要を元にHPをチェックしたり、業界をとりまく外部環境を確認したりといった事前準備が大事になります。
ご自身の知識を元にして、こういったところに課題があるのではないかと仮説を立て、その仮説に対する答えが得られるような質問を考えることがその後の作業に大きく影響するのではないかと思います。
もちろん、プロのコンサルタントではないわけですから、診断士の勉強で得られた知識やご自身のお仕事での経験・知見をフル活用して望めば十分かとは思います。
実際に企業へ訪問した後のインタビュー内容の振り返りとSWOT分析等を用いた課題の抽出の時間が一番大事な時です。
ここでどれだけ、企業の立場になって、深く考えられるかが実務補習の成否を分けます。
実務補習最終日の企業への報告日はもちろんのことなのですが、その報告日に至るまでの自主学習期間に真の課題がわかっていないと報告書の骨子が定まらず、内容にブレが生じたり、薄っぺらいものになってしまう恐れがあるからです。
骨子がしっかりと定まると報告書を実際に書く段階では案外スラスラとかけるものです。実際の仕事で作成するレポートやプレゼン資料と同様ですね。
このように色々書くと実務補習を受講するモチベーションがかなり落ちてしまいそうですが、私の場合、最終的に15日間コースを終わる頃には、終わってしまう寂しさを覚えたものです。
最後の実務補習が9月中旬とちょうど残暑が終わるころであり、補習最終日の帰路につく時、森山直太朗の「夏の終わり〜♪」が頭の中で何度もこだましていたのを思い出します。
同じ、一筋縄ではいかない診断士試験を通過した人たちが一丸となって取り組むという醍醐味を味わえるのも実務補習のやりがいの一つです。
せっかく取得した診断士の切符!
存分にあらゆる機会を活用して高みを目指していただきたいものです。
私もまだまだ超未熟な状態ではありますが、実務補習で学んだことを肝に銘じながらこれからも頑張りたいと思います。
明日は、ほっしーがお送りいたします。
それでは みなさん ごきげんよう!